廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

シャーリー・スコットの清楚さ

2019年01月05日 | Jazz LP (Prestige)

Shirley Scott / Scottie  ( 米 Prestige PRLP 7155 )


オルガンのジャズは日本ではとにかく人気がなくて、そのおかげでレコードはどれも概ね安い。 世間的に人気がなくても中にはいい内容の盤も当然あるので、
安いのが見つかればボチボチ拾う。 シャーリー・スコットはこのレコードが昔からのお気に入りで、きれいで安いのが転がっていたので拾ってきた。

管楽器の入らないトリオの演奏で、所々彼女が弾いたピアノがオーヴァーダブされている。 彼女のオルガンはバタ臭さがなく、すっきりと清潔な感じだが、
ピアノが入ることでより涼し気な雰囲気になる。 適度にリズミカルで、適度にファンキーで、非常にバランスのとれた良い内容だ。

RVGの録音も素晴らしく、どの楽器も音が張りがあって輝いている。 特にベースとドラムの音の良さが抜群で、サウンドの良さも満点の出来栄え。
管楽器がいないことで、彼女のオルガンのサウンドやプレイが十分楽しめる。 RVGはオルガンの録り方が上手かったと思う。

日常的にオルガン・ジャズを聴こうとはならないけれど、ほろ酔い気分の時なんかに聴くとツボにハマることが多い。 元々が単純なノリで一発!というタイプの
音楽だから、能書きタレずに音楽に身を任せればそれでいい。 こういうのが音楽本来の姿だよな、と思う。 ジミー・スミス大師匠が最高なのは当たり前だが、
シャーリー・スコットはまた違った雰囲気の演奏を聴かせてくれて、イェ~イ!の幅も拡がるのである。 同じイェ~イ!でも、ソウル・ミュージックと比べると
ジャズの方は音楽的な高級感があったりして、そういう差分を感じながら聴くのも味わい深いものがある。 音楽は「イェ~イ!」を忘れてはいけないんである。


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