[日本時間2月11日19:00.天候:曇 東京都千代田区神田淡路町 らくスパ1010]
秋葉原で買い物を終えた稲生達は、バスタ新宿に行く前に入浴と夕食を取ることにした。
稲生:「えーと……確かこの辺だ……。あった」
マリア:「勇太はよくこういうの見つけるね」
稲生:「僕も、こういうの好きなんですよ」
マリア:「私も勇太のそういう所に付き合ったおかげで、『魔女の呪縛』は消え去った。だから付き合うよ」
稲生:「ありがとう」
早速館内に入る。
因みに買い物の荷物については、御茶ノ水駅のコインロッカーに預けて来た。
稲生:「先にお風呂入ってから、夕食にしよう」
マリア:「その方がゆっくりできるな」
因みにこういう公衆浴場には必ずある注意書きの内容。
『入れ墨・タトゥーのある方の入場お断り』というもの。
欧米人なんか、日本人よりも軽い気持ちでタトゥーを入れているイメージがあるが、マリアの場合は……。
マリア:「勇太。今さら、こんなこと聞くのもアレなんだけど……」
稲生:「何だい?」
マリア:「悪魔と契約すると、ほとんどの場合タトゥーが入るんだけど、私のもアウトかな?」
フロントに並んでいる時、マリアが稲生に聞いてきた。
稲生:「えっ?マリアにタトゥーなんてあったっけ?」
実はもう稲生はマリアと体を重ねている。
マリアの裸体は隅々まで見た記憶がある稲生だが、タトゥーには全く気が付かなかった。
マリア:「魔法を使った時、尻に現れる」
稲生:「お尻なの!?」
普段はショーツの中に隠れ、更に冬季の今は更にその上からストッキングで隠れ、更にその上からスカートやパンツに隠れるのだから分かるわけがない。
ましてや、魔法を使うまでは入っていることに誰も気づかないのだから。
稲生:「……いや、それなら大丈夫だと思うよ」
マリア:「そうか。それで安心した」
稲生:「すると、うちの先生も入ってるんだねぇ……。あ、いや、何かあったような気がする」
マリア:「師匠の場合、左の太ももね。魔法を使う時、どうしても風でスカートが捲れるから、その時に太ももだと見えるかな」
稲生:「魔道士によって違うんですねぇ……」
マリア:「正確にはタトゥーとは言わず、スティグマと言うかな」
稲生:「スティグマねぇ……」
稲生達の順番が回って来たので、そこで料金体系を確認してコースを選ぶ。
レンタルタオルも借りて、それからマリアと別れる。
稲生:「さーて……少しゆっくりしよう」
体を洗った後、人工炭酸泉に入る。
稲生:「さすがにこういうのは屋敷には無いな……。入浴剤を使っても……」
横田:「先般の魔王城大浴場新装工事における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
稲生:「ブバッ!?」
突然のことで浴槽の床に足を滑らせ、一瞬溺れかける稲生。
横田:「魔界共和党理事、元ケンショーグリーンの横田です」
稲生:「横田理事!?何でいっつも僕達が大浴場に行くといるんだ!?」
横田:「魔界共和党諜報部長をナメてはいけません」
稲生:「え、なに?横田理事、諜報部長もしてるの!?」
横田:「クフフフフフ……」
稲生:「さすがはケンショーレンジャーのストーカー担当。けして変態なだけじゃないんだ」
横田:「私はセクシャル・ハラスメントは致しません」
稲生:「ええっ!?」
横田:「私のはセクシャル・コミュニケーションというのです」
稲生:「また詭弁を……」
横田:「それをたまたま、世の女性達が『痴漢』と呼んでいるだけのことなのです」
稲生:「ダメじゃん!」
横田:「それより稲生君。キミはこういう大きなお風呂が大好きとのことですが、本当ですかな?」
稲生:「う、うん。日本人なら、やっぱり温泉とか好きだもんね」
横田:「実は魔界にも温泉は湧いているのです」
稲生:「あー……。スーパーグレート火山があるもんね。そりゃ確かにありそうだわ」
横田:「アルカディアシティに住む日本人達は、『魔界富士』と呼びます。私の分析によりますと、形が富士山に似ているからですね。富士山とどうやら連動しているようでして、もしも富士山が噴火しようものなら、スーパーグレート火山も噴火します」
稲生:「えっ、そうなの!?」
横田:「そして、それは逆もまたしかりなのです」
稲生:「ふーん……」
横田:「アルカディアシティには地熱発電と豊富な地下水脈を利用した水力発電でもって、電力をもたらしてくれている火山ではありますがね」
稲生:「らしいね」
横田:「そして次なる資源が温泉なのです」
稲生:「それを魔王城に引こうっての?」
横田:「我らが崇高なる女王、ルーシー・ブラッドプール陛下は日本文化に大変興味を持たれております。温泉もその1つなのです」
稲生:「あー、何か正式に即位される前までは、安倍春明首相と一緒に御忍びで人間界に行ってたんだって?」
横田:「ラーメン二郎の『メンカタカラメヤサイニンニクマシマシ』事件は有名です」
稲生:「知らないよ、そんなの!え、なに!?あの女王様、ラーメン二郎行ったの!?……てか、ヴァンパイアなのに堂々と昼間に出て二郎のそれもニンニクマシマシ食べて!?」
横田:「私の分析によりますと、陛下は人間界生まれ、人間界育ちですので、中世のドラキュラ伯爵とはまた違った吸血鬼なのでしょうな」
稲生:「関係あるの、それ?」
横田:「稲生君。吸血鬼が全てニンニクが弱点とは思わない方がいいですよ。確かにあの陛下にも弱点はありますがね。クフフフフフ……」
稲生:「十字架に弱いってのは?」
横田:「それはキミの所の魔女さんも同じでしょう?吸血鬼もまた、キリスト教会から見れば討伐の対象なのですから」
稲生:「そういうことか。逆に顕正会や日蓮正宗に破折はされるけどね」
横田:「私もケンショーレンジャーに所属していた時、キリスト教会に突撃したことがありましたが、いやはや彼らはとても油断ならぬものです。あとは宗門に任せます」
稲生:「丸投げ!?」
横田:「さて、私は今度はサウナの視察に行って参ります」
稲生:「あ、これ視察だったの!?」
横田:「陛下に御満足頂ける温泉施設を造る為には、綿密な視察が必要なのです。それでは……」
横田はザバッと上がると、サウナへと入っていった。
稲生:「ムッツリスケベの変態理事だけど、根は真面目なんだろうなぁ……」
明らかに火病持ちで直情的に女性を襲うケンショーブルーは在日、そしてこちらのケンショーグリーンはちゃんとした日本人であることが分かる。
秋葉原で買い物を終えた稲生達は、バスタ新宿に行く前に入浴と夕食を取ることにした。
稲生:「えーと……確かこの辺だ……。あった」
マリア:「勇太はよくこういうの見つけるね」
稲生:「僕も、こういうの好きなんですよ」
マリア:「私も勇太のそういう所に付き合ったおかげで、『魔女の呪縛』は消え去った。だから付き合うよ」
稲生:「ありがとう」
早速館内に入る。
因みに買い物の荷物については、御茶ノ水駅のコインロッカーに預けて来た。
稲生:「先にお風呂入ってから、夕食にしよう」
マリア:「その方がゆっくりできるな」
因みにこういう公衆浴場には必ずある注意書きの内容。
『入れ墨・タトゥーのある方の入場お断り』というもの。
欧米人なんか、日本人よりも軽い気持ちでタトゥーを入れているイメージがあるが、マリアの場合は……。
マリア:「勇太。今さら、こんなこと聞くのもアレなんだけど……」
稲生:「何だい?」
マリア:「悪魔と契約すると、ほとんどの場合タトゥーが入るんだけど、私のもアウトかな?」
フロントに並んでいる時、マリアが稲生に聞いてきた。
稲生:「えっ?マリアにタトゥーなんてあったっけ?」
実はもう稲生はマリアと体を重ねている。
マリアの裸体は隅々まで見た記憶がある稲生だが、タトゥーには全く気が付かなかった。
マリア:「魔法を使った時、尻に現れる」
稲生:「お尻なの!?」
普段はショーツの中に隠れ、更に冬季の今は更にその上からストッキングで隠れ、更にその上からスカートやパンツに隠れるのだから分かるわけがない。
ましてや、魔法を使うまでは入っていることに誰も気づかないのだから。
稲生:「……いや、それなら大丈夫だと思うよ」
マリア:「そうか。それで安心した」
稲生:「すると、うちの先生も入ってるんだねぇ……。あ、いや、何かあったような気がする」
マリア:「師匠の場合、左の太ももね。魔法を使う時、どうしても風でスカートが捲れるから、その時に太ももだと見えるかな」
稲生:「魔道士によって違うんですねぇ……」
マリア:「正確にはタトゥーとは言わず、スティグマと言うかな」
稲生:「スティグマねぇ……」
稲生達の順番が回って来たので、そこで料金体系を確認してコースを選ぶ。
レンタルタオルも借りて、それからマリアと別れる。
稲生:「さーて……少しゆっくりしよう」
体を洗った後、人工炭酸泉に入る。
稲生:「さすがにこういうのは屋敷には無いな……。入浴剤を使っても……」
横田:「先般の魔王城大浴場新装工事における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
稲生:「ブバッ!?」
突然のことで浴槽の床に足を滑らせ、一瞬溺れかける稲生。
横田:「魔界共和党理事、元ケンショーグリーンの横田です」
稲生:「横田理事!?何でいっつも僕達が大浴場に行くといるんだ!?」
横田:「魔界共和党諜報部長をナメてはいけません」
稲生:「え、なに?横田理事、諜報部長もしてるの!?」
横田:「クフフフフフ……」
稲生:「さすがはケンショーレンジャーのストーカー担当。けして変態なだけじゃないんだ」
横田:「私はセクシャル・ハラスメントは致しません」
稲生:「ええっ!?」
横田:「私のはセクシャル・コミュニケーションというのです」
稲生:「また詭弁を……」
横田:「それをたまたま、世の女性達が『痴漢』と呼んでいるだけのことなのです」
稲生:「ダメじゃん!」
横田:「それより稲生君。キミはこういう大きなお風呂が大好きとのことですが、本当ですかな?」
稲生:「う、うん。日本人なら、やっぱり温泉とか好きだもんね」
横田:「実は魔界にも温泉は湧いているのです」
稲生:「あー……。スーパーグレート火山があるもんね。そりゃ確かにありそうだわ」
横田:「アルカディアシティに住む日本人達は、『魔界富士』と呼びます。私の分析によりますと、形が富士山に似ているからですね。富士山とどうやら連動しているようでして、もしも富士山が噴火しようものなら、スーパーグレート火山も噴火します」
稲生:「えっ、そうなの!?」
横田:「そして、それは逆もまたしかりなのです」
稲生:「ふーん……」
横田:「アルカディアシティには地熱発電と豊富な地下水脈を利用した水力発電でもって、電力をもたらしてくれている火山ではありますがね」
稲生:「らしいね」
横田:「そして次なる資源が温泉なのです」
稲生:「それを魔王城に引こうっての?」
横田:「我らが崇高なる女王、ルーシー・ブラッドプール陛下は日本文化に大変興味を持たれております。温泉もその1つなのです」
稲生:「あー、何か正式に即位される前までは、安倍春明首相と一緒に御忍びで人間界に行ってたんだって?」
横田:「ラーメン二郎の『メンカタカラメヤサイニンニクマシマシ』事件は有名です」
稲生:「知らないよ、そんなの!え、なに!?あの女王様、ラーメン二郎行ったの!?……てか、ヴァンパイアなのに堂々と昼間に出て二郎のそれもニンニクマシマシ食べて!?」
横田:「私の分析によりますと、陛下は人間界生まれ、人間界育ちですので、中世のドラキュラ伯爵とはまた違った吸血鬼なのでしょうな」
稲生:「関係あるの、それ?」
横田:「稲生君。吸血鬼が全てニンニクが弱点とは思わない方がいいですよ。確かにあの陛下にも弱点はありますがね。クフフフフフ……」
稲生:「十字架に弱いってのは?」
横田:「それはキミの所の魔女さんも同じでしょう?吸血鬼もまた、キリスト教会から見れば討伐の対象なのですから」
稲生:「そういうことか。逆に顕正会や日蓮正宗に破折はされるけどね」
横田:「私もケンショーレンジャーに所属していた時、キリスト教会に突撃したことがありましたが、いやはや彼らはとても油断ならぬものです。あとは宗門に任せます」
稲生:「丸投げ!?」
横田:「さて、私は今度はサウナの視察に行って参ります」
稲生:「あ、これ視察だったの!?」
横田:「陛下に御満足頂ける温泉施設を造る為には、綿密な視察が必要なのです。それでは……」
横田はザバッと上がると、サウナへと入っていった。
稲生:「ムッツリスケベの変態理事だけど、根は真面目なんだろうなぁ……」
明らかに火病持ちで直情的に女性を襲うケンショーブルーは在日、そしてこちらのケンショーグリーンはちゃんとした日本人であることが分かる。