[魔界時間09:00.天候:曇 魔界某所 バァル城]
マリアが捕らわれているバァル城に潜入した稲生とエレーナ。
しかし稲生が間違えてケルベロスの部屋を開けてしまい、追い回されることとなった。
エレーナ:「マリアンナの部屋は1つ下のフロアだったぜ!」
稲生:「間違えるなーっ!」
ケルベロスは頭が3つあるドーベルマンタイプであった。
しかし図体がデカいのと、やはり頭が3つあるのはバランスが悪いのか、意外と動きは遅い。
エレーナ:「階段が無いぞ!」
稲生:「! あれだ!」
その時、防火シャッターが4分の3ほど閉まっている所を発見した。
稲生はそこに駆け寄り、シャッターの隙間を覗く。
すると向こう側に階段があった。
稲生:「これだ!エレーナ、手伝ってくれ!」
エレーナ:「分かった!今行く!」
エレーナは倒した敵のドロップアイテムを拾うのに夢中になっていた。
稲生が呼ぶとエレーナがシャッターに走って来る。
だが、その後ろをケルベロスが走って来た。
エレーナ:「ちょっ……もーっ!」
稲生:「エレーナ、早くしろ!」
2人でシャッターの隙間に手を入れ、上に持ち上げた。
幸いロックは掛かっておらず、シャッターは持ち上がった。
そして、スルリと中に入れる隙間を作ると、それで向こう側へと抜けた。
手を放すと、シャッターがガッシャーンと勢い良く閉まる。
シャッターの向こう側ではケルベロスが喚きながらシャッターに体当たりしていたが、頑丈なシャッターはびくともしない。
稲生:「これでいい!しばらくは安全だ!」
エレーナ:「まだ金貨が残ってたのに……」
稲生:「オマエなぁ……。それより、早く行こう」
稲生達は階段を下りた。
稲生:「エレーナ、意外と力持ちだな」
エレーナ:「ふっ、こう見えても、ホテルじゃ宿泊客の荷物運んだり、あとは魔女宅で重い荷物運んだりしてるからな」
稲生:「なるほど。そういうことか」
階段を下りると、同じ構造の部屋が並んでいた。
稲生:「今度は分かる!あの部屋だ!」
エレーナ:「よっしゃ!」
稲生が自信を持って堂々と開けたドアの向こう側には……。
マリア:「!!!」
ルーシー:「ちょ、ちょっと、稲生さん!」
マリアが下着姿でいた。
稲生:「うわっ、こりゃ失礼!」
稲生はエレーナの後ろに隠れる。
エレーナ:「何やってんだぜ、オマエら?」
マリア:「着替えてる最中だ!」
ルーシー:「マリアンナの服を見つけたから、届けに来たの」
エレーナ:「ヒトが苦労してこの部屋探してたってのに……。なあ、稲生氏?」
稲生:「ま、まあ、マリアさんが無事で良かった。あとは早いとこ、ここから脱出だ」
ルーシー:「エレーナの場合、敵のアイテムを奪うのに夢中になってたような気しかしないけど?……まあ、いいわ。屋上にアナスタシア先生が『現代のホウキ』を着陸させてるから、それで脱出できるって」
稲生:「おおっ!」
マリアはいつものブレザーにスカートをはき、ダンテ一門のローブを羽織った。
マリア:「装備完了」
エレーナ:「よし、あとはここから脱出するだけだ!」
と、そこへマリアの部屋にあったテレビが突然映る。
エレーナ:「何だぁ?やっぱりテレビあったのか?NHKにチクりだな」
ルーシー:「シッ」
そこに映ったのは元・魔界大帝バァルだった。
バァル:「見事な手際だ。あのダンテが自ら動くのも理解できる」
稲生:「バァル大帝!」
エレーナ:「城の修理代なら弁償しねーぜ!」
バァル:「そう言うだろうと思った。もちろん、ダンテ自身が魔道士の暴れん坊だ。その弟子達がおとなしく城に入るとは思っておらん。だが、それもこれまでだ。私がこのままキミ達を野放しにしておくと思うかね?見くびってもらっては困る。これを見たまえ」
すると画面が変わり、上空からの映像に変わった。
そこに映るのは……。
稲生:「バァル城!?」
ダンテ:「キミ達の命運は私の手の中にある。あと3分でその城を私の魔法、『メテオ』が直撃する」
エレーナ:「メテオだと!?」
ダンテ:「ここが本来は暗黒界たる魔界だということを改めて認識してもらおう。さて、状況は理解してもらえたかな?」
稲生:「理解ならした!3分で脱出すればオッケーだ!」
ダンテ:「フッ……。何ともまあ、つまらん遺言ではあるが、検討は祈らせてもらうよ」
そしてテレビ画面が消える。
稲生:「よし、脱出だ!」
エレーナ:「屋上のヘリで脱出だぜ!」
稲生:「マリアさん、走れますか?」
マリア:「大丈夫。ケガは無い」
ルーシー:「屋上に行く階段ならこっちよ!」
ルーシーの先導で屋上に向かうことになった。
城内は右往左往の状態であった。
バァルがいきなり城を放棄することに決めたことで、残された手下達が混乱と恐慌を来しているのだ。
エレーナ:「おとなしく新政府に付いてりゃ、こんな目に遭わずに済んだだろうに。哀れな奴らだぜ」
魔族A:「いたぞ!魔道士達だ!」
魔族B:「殺せ!」
だが、中には戦意を維持している魔族兵士もいた。
エレーナ:「ウィ・オ・ルァ!」
ルーシー:「ヴァ・ギ・ルァ!」
エレーナとルーシーが攻撃魔法で立ちはだかる魔族兵士を倒して行く。
ルーシー:「この階段よ!」
稲生:「よし!」
稲生はマリアの手を取って階段を駆け上る。
魔族C:「待てっ!待てーっ!」
魔族D:「魔道士め!」
エレーナ:「待てと言われて待つわけねーだろ、ボケ!」
エレーナはローブのポケットにある爆弾岩の欠片を階段下に転がした。
まるで手榴弾のように爆発する。
エレーナ:「ドロップアイテム、意外と役に立つなー」
そして、屋上に出た。
アンナ:「皆、早く乗って!すぐに離陸する!」
エレーナ:「よっしゃ!」
稲生達はアンナの誘導に従ってヘリに飛び乗った。
アンナ:「先生、お願いします!」
アナスタシア:「離陸!」
操縦はアナスタシア本人がやるようだ。
稲生:「何か上空から来ますよ!」
エレーナ:「あれがメテオだ!」
アナスタシア:「バァルのお爺さんも随分とお茶目なことするわねぇ……」
ヘリが離脱したところで、メテオがバァル城に直撃する。
アナスタシア:「揺れるから掴まって!」
稲生:「はいっ!」
エレーナ:「稲生氏、私に掴まっていいぞ!
」
マリア:「アホか!」
こうして稲生達は、無事にバァル城を脱出できたのである。
マリアが捕らわれているバァル城に潜入した稲生とエレーナ。
しかし稲生が間違えてケルベロスの部屋を開けてしまい、追い回されることとなった。
エレーナ:「マリアンナの部屋は1つ下のフロアだったぜ!」
稲生:「間違えるなーっ!」
ケルベロスは頭が3つあるドーベルマンタイプであった。
しかし図体がデカいのと、やはり頭が3つあるのはバランスが悪いのか、意外と動きは遅い。
エレーナ:「階段が無いぞ!」
稲生:「! あれだ!」
その時、防火シャッターが4分の3ほど閉まっている所を発見した。
稲生はそこに駆け寄り、シャッターの隙間を覗く。
すると向こう側に階段があった。
稲生:「これだ!エレーナ、手伝ってくれ!」
エレーナ:「分かった!今行く!」
エレーナは倒した敵のドロップアイテムを拾うのに夢中になっていた。
稲生が呼ぶとエレーナがシャッターに走って来る。
だが、その後ろをケルベロスが走って来た。
エレーナ:「ちょっ……もーっ!」
稲生:「エレーナ、早くしろ!」
2人でシャッターの隙間に手を入れ、上に持ち上げた。
幸いロックは掛かっておらず、シャッターは持ち上がった。
そして、スルリと中に入れる隙間を作ると、それで向こう側へと抜けた。
手を放すと、シャッターがガッシャーンと勢い良く閉まる。
シャッターの向こう側ではケルベロスが喚きながらシャッターに体当たりしていたが、頑丈なシャッターはびくともしない。
稲生:「これでいい!しばらくは安全だ!」
エレーナ:「まだ金貨が残ってたのに……」
稲生:「オマエなぁ……。それより、早く行こう」
稲生達は階段を下りた。
稲生:「エレーナ、意外と力持ちだな」
エレーナ:「ふっ、こう見えても、ホテルじゃ宿泊客の荷物運んだり、あとは魔女宅で重い荷物運んだりしてるからな」
稲生:「なるほど。そういうことか」
階段を下りると、同じ構造の部屋が並んでいた。
稲生:「今度は分かる!あの部屋だ!」
エレーナ:「よっしゃ!」
稲生が自信を持って堂々と開けたドアの向こう側には……。
マリア:「!!!」
ルーシー:「ちょ、ちょっと、稲生さん!」
マリアが下着姿でいた。
稲生:「うわっ、こりゃ失礼!」
稲生はエレーナの後ろに隠れる。
エレーナ:「何やってんだぜ、オマエら?」
マリア:「着替えてる最中だ!」
ルーシー:「マリアンナの服を見つけたから、届けに来たの」
エレーナ:「ヒトが苦労してこの部屋探してたってのに……。なあ、稲生氏?」
稲生:「ま、まあ、マリアさんが無事で良かった。あとは早いとこ、ここから脱出だ」
ルーシー:「エレーナの場合、敵のアイテムを奪うのに夢中になってたような気しかしないけど?……まあ、いいわ。屋上にアナスタシア先生が『現代のホウキ』を着陸させてるから、それで脱出できるって」
稲生:「おおっ!」
マリアはいつものブレザーにスカートをはき、ダンテ一門のローブを羽織った。
マリア:「装備完了」
エレーナ:「よし、あとはここから脱出するだけだ!」
と、そこへマリアの部屋にあったテレビが突然映る。
エレーナ:「何だぁ?やっぱりテレビあったのか?NHKにチクりだな」
ルーシー:「シッ」
そこに映ったのは元・魔界大帝バァルだった。
バァル:「見事な手際だ。あのダンテが自ら動くのも理解できる」
稲生:「バァル大帝!」
エレーナ:「城の修理代なら弁償しねーぜ!」
バァル:「そう言うだろうと思った。もちろん、ダンテ自身が魔道士の暴れん坊だ。その弟子達がおとなしく城に入るとは思っておらん。だが、それもこれまでだ。私がこのままキミ達を野放しにしておくと思うかね?見くびってもらっては困る。これを見たまえ」
すると画面が変わり、上空からの映像に変わった。
そこに映るのは……。
稲生:「バァル城!?」
ダンテ:「キミ達の命運は私の手の中にある。あと3分でその城を私の魔法、『メテオ』が直撃する」
エレーナ:「メテオだと!?」
ダンテ:「ここが本来は暗黒界たる魔界だということを改めて認識してもらおう。さて、状況は理解してもらえたかな?」
稲生:「理解ならした!3分で脱出すればオッケーだ!」
ダンテ:「フッ……。何ともまあ、つまらん遺言ではあるが、検討は祈らせてもらうよ」
そしてテレビ画面が消える。
稲生:「よし、脱出だ!」
エレーナ:「屋上のヘリで脱出だぜ!」
稲生:「マリアさん、走れますか?」
マリア:「大丈夫。ケガは無い」
ルーシー:「屋上に行く階段ならこっちよ!」
ルーシーの先導で屋上に向かうことになった。
城内は右往左往の状態であった。
バァルがいきなり城を放棄することに決めたことで、残された手下達が混乱と恐慌を来しているのだ。
エレーナ:「おとなしく新政府に付いてりゃ、こんな目に遭わずに済んだだろうに。哀れな奴らだぜ」
魔族A:「いたぞ!魔道士達だ!」
魔族B:「殺せ!」
だが、中には戦意を維持している魔族兵士もいた。
エレーナ:「ウィ・オ・ルァ!」
ルーシー:「ヴァ・ギ・ルァ!」
エレーナとルーシーが攻撃魔法で立ちはだかる魔族兵士を倒して行く。
ルーシー:「この階段よ!」
稲生:「よし!」
稲生はマリアの手を取って階段を駆け上る。
魔族C:「待てっ!待てーっ!」
魔族D:「魔道士め!」
エレーナ:「待てと言われて待つわけねーだろ、ボケ!」
エレーナはローブのポケットにある爆弾岩の欠片を階段下に転がした。
まるで手榴弾のように爆発する。
エレーナ:「ドロップアイテム、意外と役に立つなー」
そして、屋上に出た。
アンナ:「皆、早く乗って!すぐに離陸する!」
エレーナ:「よっしゃ!」
稲生達はアンナの誘導に従ってヘリに飛び乗った。
アンナ:「先生、お願いします!」
アナスタシア:「離陸!」
操縦はアナスタシア本人がやるようだ。
稲生:「何か上空から来ますよ!」
エレーナ:「あれがメテオだ!」
アナスタシア:「バァルのお爺さんも随分とお茶目なことするわねぇ……」
ヘリが離脱したところで、メテオがバァル城に直撃する。
アナスタシア:「揺れるから掴まって!」
稲生:「はいっ!」
エレーナ:「稲生氏、私に掴まっていいぞ!

マリア:「アホか!」
こうして稲生達は、無事にバァル城を脱出できたのである。