[1月28日14:40.天候:雨 埼玉県さいたま市大宮区 大宮駅東口バス停→JR大宮駅構内]
〔♪♪♪♪。大宮駅東口、大宮駅東口。終点でございます。お忘れ物の無いよう、ご注意願います。ご乗車、ありがとうございました〕
バスは大宮駅東口の降車専用停留所に停車する。
大宮高島屋の前である。
ここにも屋根は無いので、降りる時に傘を差さなくてはならない。
心なしか雨足が強まり、風も出てきたように思う。
稲生:「急いで帰った方がいいかもしれませんね」
マリア:「そうだな」
しかしその前に、マリアは買いたいものがあるという。
駅構内に入り、エスカレーターで2階に上がった。
改札外のNEWDAYSは3つある。
稲生:「真ん中にある店が1番広いですよ」
マリア:「そこにする」
駅構内で案内されている運行情報を見る限り、さすがに埼京線も京浜東北線も運転再開はしたようである。
但し、その煽りを受けてか、並走する湘南新宿ラインや上野東京ラインにも遅れが出ているとのことだ。
確かに駅構内に入る前、タクシー乗り場の横を通ったが、元々景気が回復しており、雨が降っているだけで需要があるのに、ましてやダイヤ乱れを嫌がった利用者がタクシーに流れたこともあって、プール内には1台もタクシーがいない状態だった。
大宮駅東口のタクシー乗り場は駅の規模、需要に対して待機台数が少ない為、条件が重なると需要が逼迫するという欠点がある。
実は近くに第二待機場があって、第一待機場のタクシーが無くなると、そこから向かってくるシステムになっているのだが、いかんせんここまで来るのに渋滞にハマりやすいという欠点がある。
場合によっては西口から乗った方が早い場合もある。
東方面に向かう場合、遠回りとなって料金がかさむ恐れは高いが。
稲生:「僕もついでに何か買うか……」
マリアはそそくさと生理用品やら替えのストッキングやら物色しに行ったので、ここだけ一瞬別行動になる。
稲生:「…………」
マリアがこっそりと生理用品を選ぶ中、稲生は1つ向こう隣の棚でコンドームを手にしている。
この2人はもう、そういう仲なのだが、いやちょっと待って欲しい。
いや、別にダンテ門内の掟では恋愛・結婚は自由とされている。
というより、性的トラウマが酷かったり、いわゆる恋愛弱者などもいるので、あえて禁止にする必要が無いのだろう。
できる人はどうぞご勝手に、といった所だ。
なので、別に稲生やマリアが掟に違反しているわけではない。
では、何が問題か。
稲生はマリアとヤりたくてコンドームを入手しようとしているわけだが、マリアはナプキンとか買ってるんだよ?
これが何を意味してるか分かるかな?
稲生:(久しぶりにマリアを部屋に誘ってみるか……)
マリア:(そろそろ来そうだから、今のうちに補充しておこう。日本製は質が高いからなぁ……)
で、この様子を水晶玉で見ていた他の魔女達……。
イリーナ:(あらあら。でも、タイミングがズレそうねぇ……)
エレーナ:(あ、これ稲生氏がヤりたがろうとすると、マリアンナがムリぽになるパティーンだぜ。しょーがねぇな。ここは1つ、出の多くなってヤれねーマリアンナに代わって、1つ私が一肌脱いでやらんでもねーぜ)
ルーシー:(お、覚えたてのルゥ・ラを使って、日本へ飛べばマリアンナの代わりに私が……)
アンナ:(マリアンナを出し抜くチャンス!)
リリアンヌ:(フ、フヒヒヒヒ……。え、ええ、エレーナ先輩のお、お手を煩わせることもありません……。こ、ここ、ここはひひ、1つわらひが……)
マリア:「消えろ、オメーラ!
」
尚、マリアはすぐに気づいて水晶玉に向かって一斉送信、即時一喝したという。
稲生:「どうしました、マリアさん?」
マリア:「何でもない。早く行こう」
稲生:「はい」
今度はマリアが稲生の腕を取る。
マリア:「勇太、モテ期が来ても、絶対によそ見しないでね?」
稲生:「大丈夫ですって。僕なんかが来るわけないですもん。僕はマリアさんが一番好きですよ」
当の本人が1番自覚が無い。
[同日15:20.天候:雨 大宮駅西口バス停→丸建自動車けんちゃんバス車内]
1番最初に乗った小型バスに乗り込む。
稲生:「何とかスタート地点に戻れそうですね」
マリア:「本当に半日掛かりだったね」
稲生:「ええ」
1番後ろの座席に座った。
稲生:「体のむず痒さとかは?」
マリア:「いや、無い」
稲生:「そうですか。それは良かった……」
発車の時間になり、ブザーが鳴って外吊りタイプのドアが閉まった。
小型のバスなので戸袋が設置できず、外側に開くタイプが採用されたのだろう。
〔発車します。ご注意ください〕
バスはゆっくりと一方通行の狭い道を走り出した。
〔ピンポーン♪ お待たせ致しました。ご乗車ありがとうございます。このバスは与野本町先回り、大宮西口循環線でございます。次はあおぞら保育園、あおぞら保育園でございます〕
T字路交差点を左折する際、左角に“いきなりステーキ”がある。
マリア:「……やっぱり日本の肉は脂分が多いな」
稲生:「霜降り肉が喜ばれますからね。まあ、僕もそれが柔らかくて好きなんですけど」
マリア:「そうか……」
稲生:「マリアさんは赤身肉の方がいいですか?」
マリア:「まあ、食べ慣れてるからね」
稲生:「僕には少し硬いんですよね……」
今でこそ稲生には脂分の多い肉を出してくれるようになったが、マリアの屋敷に住み込みを始めた時は欧州人に合わせて赤身肉のウェルダンが出されて、稲生の顎が疲弊してしまったことがある。
さすがにイリーナの顎に合わせて焼き加減は手加減されるようになり、いつしか稲生には脂分の多い肉が出されるようになったが、あれには参ったと本人は記憶していた。
マリア:「ソールズベリー(ハンバーグ)ステーキなら柔らかいでしょ?」
稲生:「そうですね……」
で、肉の話をしていたものだから……。
稲生:「何だかお腹空いて来ましたね」
マリア:「HAHAHA...今日のディナーは何だろう?」
稲生:「母さんのメールからして、鍋にするらしいですよ。多分、すき焼きか何かじゃないですか」
マリア:「おっ、出た。日本料理」
稲生:「出ましたねぇ」
バスは雨の中、時折突風のような風が吹く中、中央区に向かって進んだ。
〔♪♪♪♪。大宮駅東口、大宮駅東口。終点でございます。お忘れ物の無いよう、ご注意願います。ご乗車、ありがとうございました〕
バスは大宮駅東口の降車専用停留所に停車する。
大宮高島屋の前である。
ここにも屋根は無いので、降りる時に傘を差さなくてはならない。
心なしか雨足が強まり、風も出てきたように思う。
稲生:「急いで帰った方がいいかもしれませんね」
マリア:「そうだな」
しかしその前に、マリアは買いたいものがあるという。
駅構内に入り、エスカレーターで2階に上がった。
改札外のNEWDAYSは3つある。
稲生:「真ん中にある店が1番広いですよ」
マリア:「そこにする」
駅構内で案内されている運行情報を見る限り、さすがに埼京線も京浜東北線も運転再開はしたようである。
但し、その煽りを受けてか、並走する湘南新宿ラインや上野東京ラインにも遅れが出ているとのことだ。
確かに駅構内に入る前、タクシー乗り場の横を通ったが、元々景気が回復しており、雨が降っているだけで需要があるのに、ましてやダイヤ乱れを嫌がった利用者がタクシーに流れたこともあって、プール内には1台もタクシーがいない状態だった。
大宮駅東口のタクシー乗り場は駅の規模、需要に対して待機台数が少ない為、条件が重なると需要が逼迫するという欠点がある。
実は近くに第二待機場があって、第一待機場のタクシーが無くなると、そこから向かってくるシステムになっているのだが、いかんせんここまで来るのに渋滞にハマりやすいという欠点がある。
場合によっては西口から乗った方が早い場合もある。
東方面に向かう場合、遠回りとなって料金がかさむ恐れは高いが。
稲生:「僕もついでに何か買うか……」
マリアはそそくさと生理用品やら替えのストッキングやら物色しに行ったので、ここだけ一瞬別行動になる。
稲生:「…………」
マリアがこっそりと生理用品を選ぶ中、稲生は1つ向こう隣の棚でコンドームを手にしている。
この2人はもう、そういう仲なのだが、いやちょっと待って欲しい。
いや、別にダンテ門内の掟では恋愛・結婚は自由とされている。
というより、性的トラウマが酷かったり、いわゆる恋愛弱者などもいるので、あえて禁止にする必要が無いのだろう。
できる人はどうぞご勝手に、といった所だ。
なので、別に稲生やマリアが掟に違反しているわけではない。
では、何が問題か。
稲生はマリアとヤりたくてコンドームを入手しようとしているわけだが、マリアはナプキンとか買ってるんだよ?
これが何を意味してるか分かるかな?
稲生:(久しぶりにマリアを部屋に誘ってみるか……)
マリア:(そろそろ来そうだから、今のうちに補充しておこう。日本製は質が高いからなぁ……)
で、この様子を水晶玉で見ていた他の魔女達……。
イリーナ:(あらあら。でも、タイミングがズレそうねぇ……)
エレーナ:(あ、これ稲生氏がヤりたがろうとすると、マリアンナがムリぽになるパティーンだぜ。しょーがねぇな。ここは1つ、出の多くなってヤれねーマリアンナに代わって、1つ私が一肌脱いでやらんでもねーぜ)
ルーシー:(お、覚えたてのルゥ・ラを使って、日本へ飛べばマリアンナの代わりに私が……)
アンナ:(マリアンナを出し抜くチャンス!)
リリアンヌ:(フ、フヒヒヒヒ……。え、ええ、エレーナ先輩のお、お手を煩わせることもありません……。こ、ここ、ここはひひ、1つわらひが……)
マリア:「消えろ、オメーラ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0152.gif)
尚、マリアはすぐに気づいて水晶玉に向かって一斉送信、即時一喝したという。
稲生:「どうしました、マリアさん?」
マリア:「何でもない。早く行こう」
稲生:「はい」
今度はマリアが稲生の腕を取る。
マリア:「勇太、モテ期が来ても、絶対によそ見しないでね?」
稲生:「大丈夫ですって。僕なんかが来るわけないですもん。僕はマリアさんが一番好きですよ」
当の本人が1番自覚が無い。
[同日15:20.天候:雨 大宮駅西口バス停→丸建自動車けんちゃんバス車内]
1番最初に乗った小型バスに乗り込む。
稲生:「何とかスタート地点に戻れそうですね」
マリア:「本当に半日掛かりだったね」
稲生:「ええ」
1番後ろの座席に座った。
稲生:「体のむず痒さとかは?」
マリア:「いや、無い」
稲生:「そうですか。それは良かった……」
発車の時間になり、ブザーが鳴って外吊りタイプのドアが閉まった。
小型のバスなので戸袋が設置できず、外側に開くタイプが採用されたのだろう。
〔発車します。ご注意ください〕
バスはゆっくりと一方通行の狭い道を走り出した。
〔ピンポーン♪ お待たせ致しました。ご乗車ありがとうございます。このバスは与野本町先回り、大宮西口循環線でございます。次はあおぞら保育園、あおぞら保育園でございます〕
T字路交差点を左折する際、左角に“いきなりステーキ”がある。
マリア:「……やっぱり日本の肉は脂分が多いな」
稲生:「霜降り肉が喜ばれますからね。まあ、僕もそれが柔らかくて好きなんですけど」
マリア:「そうか……」
稲生:「マリアさんは赤身肉の方がいいですか?」
マリア:「まあ、食べ慣れてるからね」
稲生:「僕には少し硬いんですよね……」
今でこそ稲生には脂分の多い肉を出してくれるようになったが、マリアの屋敷に住み込みを始めた時は欧州人に合わせて赤身肉のウェルダンが出されて、稲生の顎が疲弊してしまったことがある。
さすがにイリーナの顎に合わせて焼き加減は手加減されるようになり、いつしか稲生には脂分の多い肉が出されるようになったが、あれには参ったと本人は記憶していた。
マリア:「ソールズベリー(ハンバーグ)ステーキなら柔らかいでしょ?」
稲生:「そうですね……」
で、肉の話をしていたものだから……。
稲生:「何だかお腹空いて来ましたね」
マリア:「HAHAHA...今日のディナーは何だろう?」
稲生:「母さんのメールからして、鍋にするらしいですよ。多分、すき焼きか何かじゃないですか」
マリア:「おっ、出た。日本料理」
稲生:「出ましたねぇ」
バスは雨の中、時折突風のような風が吹く中、中央区に向かって進んだ。