[魔界時間2月11日14:00.天候:曇 魔界王国アルカディア王都アルカディアシティ49番街 国立病院]
他の病室に見舞い……というより謝罪に向かったマリアは、更なる受難を受けることとなった。
魔女A:「マリアンナッ!きさま、よくも私の先生を!!」
魔女B:「グレタ、やめろ!……私が代わりに殴るから」
稲生:「ちょっと!暴力はやめてくださいよ!」
魔女B:「『流血の惨を見る事、必至であります』」
稲生:「それは妙信講の脅迫文兼作者の座右の銘!」
たまたま見舞いに来ていた他の魔道士からの怒りの矛先を受けたり……。
魔女C:「人殺し!私の先生返してよぉ!!わぁぁぁぁぁぁっ!!」
マリア:「いや、死んでないから!アンタが殺してどうする!」
メンヘラ魔女に泣きつかれたり……。
エレーナ:「あぁ?マリアンナ、てめぇ、どのツラ下げて来たよ?あぁ?もし謝罪する気があるのなら、前に渡した金貨全部返せ」
マリア:「アホか!元はと言えばオマエの情報漏洩のせいだろうが!」
エレーナ:「それで手ェ打ってやるってんだから、ありがたく思え!」
マリア:「思うか、ドアホ!!」
稲生:「まあまあまあ!」
あくまでも金銭に拘るエレーナに絡まれたりした。
ルーシー:「マリアンナのママ、凄かったね。『執念の魔女』って感じ」
マリア:「いや、本当申し訳ない」
マリアはもう一度謝罪した後で、ルーシーの手を取った。
マリア:「あっさり許してくれたの、ルーシーだけだよ!」
ルーシー:「あー……うん。周りの部屋が騒がしかったから、何となく分かる」
稲生:「ベイカー先生は大丈夫なのかい?」
ルーシー:「うちの先生は早めに離脱したからね。本当は私もそうしろと言われたんだけど、最後まで見届けたかったから。そしたら、このザマよ。まあ、私の場合は自業自得の部分もあるから、それで私はマリアンナを責める権利は無いのね」
稲生:「さすがベイカー先生。1期生の古株」
ルーシー:「先生からも、『マリアンナは悪くないから責めるな』とも言われてるし……」
マリア:「そうか……」
ルーシー:「あ、でも、どうしてもお詫びしてくれるのなら、今度また新幹線に乗せて欲しいかな」
稲生:「うん、そうだね」
生真面目な性格のルーシーだが、日本の新幹線が好きで、それに乗る時にはテンションが物凄く上がる。
ルーシー:「“シンカリオン”人気だね」
稲生:「ここじゃ観れないでしょ?」
ルーシー:「観れるのが魔道士の特権」
稲生:「んんっ!?」
ベッドの横の棚にはタブレットが置かれていた。
時々、現代人間界の科学をも魔法具として使うダンテ一門。
ルーシー:「屋敷にはどうやって帰るの?」
稲生:「こ、高速バス」
ルーシー:「なーんだ……」
稲生:「先生が入院してらっしゃるので、経費節減……」
イリーナとしては敗北に値するので。
ゲームオーバーになったら所持金が減る法則。
ルーシーの見舞を最後に、稲生達は病院をあとにしようとした。
エレーナ:「待て」
そこへエレーナに呼び止められた。
マリア:「何だ、守銭奴。そんなに金貨が惜しいのか?」
エレーナ:「いや、それは情報料としてそっちに渡しておくぜ」
稲生:「情報料?」
エレーナ:「オマエのママとの最後の戦いの時、何があったか教えてくれ。私が戦闘不能になって、どうしてアナスタシア先生が勝ったのか知りたいんだ」
稲生:「んん?」
稲生は首を傾げた。
エレーナ:「下の食堂で話そう。飯まだなんだろ?何だったら、私が出すぜ」
稲生:「そりゃ凄い。だけど、エレーナは食べていいの?下の食堂は一般用みたいだけど……」
エレーナ:「私はお茶だけでいい」
稲生:「まあいいや。付き合おう」
エレーナの話とは、アナスタシアがアレクサに対して銃を使った時の位置関係だった。
エレーナ:「アナスタシア先生が使ったのはトカレフだ。それは知ってる。私もアンナから、アナスタシア先生の愛用はトカレフだって聞いてるからな。問題はアナスタシア先生が、どうしてアレクサに気付かれずに撃てたかなんだ」
エレーナは白い紙にペンで位置関係を書き出した。
エレーナ:「ヘリがここに堕ちたとする。そして、大師匠様やイリーナ先生、うちのポーリン先生がこの辺りに倒れていらしただろ?他の先生達については、この際どうでもいい。私は先に倒れてしまったから、その後のことが分からない。稲生氏とマリアンナは最後まで生き残っただろ?私が倒れた後、何があったか……ぶっちゃけ、どうしてアナスタシア先生だけが1人勝ちできたか教えてくれ。……どうした、2人とも?」
稲生:「……こんな戦い、あったか?」
エレーナ:「は?」
マリア:「こういう戦いがあって、ママが皆に迷惑を掛けたって聞いたから謝罪に来たんだ。エレーナこそ何言ってる?」
エレーナ:「いや、オマエら、バァル城からアナスタシア先生のヘリで脱出しただろ?」
稲生:「それは知ってる。だけど急に眠くなって、気がついたら大宮のパレスホテルのベッドの上だったんだ。どうやら、大師匠様が全てを解決してくれたみたいだね」
マリア:「結局私は、何の役にも立たなかったってわけだ」
エレーナ:("゚д゚)ポカーン
稲生:「というわけでエレーナ、申し訳ない。僕達もその場にいなかったんで、知らないんだ。他、当たってくれないか」
エレーナ:「いやいやいやいや!いただろ!オマエら何言ってんだぜ!?私がアレクサの魔法をモロに受けて、血ヘド吐いて倒れたのを見ただろ!?」
稲生:「マリアさん?」
マリア:「私はアナスタシア先生からそう聞いただけで、直接は見ていない。エレーナこそ、何を言ってるんだ?記憶操作でもされたのか?」
エレーナ:「記憶操作されたの、オマエらだぜ!?……一体誰が?」
(エレーナの脳裏に浮かぶアナスタシア)
エレーナ:「くっ、やっぱりそうか!何か調べられたらマズいことでもあるんだな……!」
稲生:「何だか気味悪くなってきた。マリアさん、そろそろ行きましょう」
マリア:「そ、そうだな」
エレーナ:「くっそー!……ゲホッゲホッ!ガハッ!!」
マリア:「おい、大丈夫か?肺をやられたんだろ?部屋に戻って寝てろ」
エレーナは悔しそうに部屋に戻り、稲生とマリアは足早に病院を出た。
アナスタシア:「気づいた観点については高得点だけど、まだまだ甘いわね。ポーリンに代わって採点してあげるわ。ふふふふ……」
他の病室に見舞い……というより謝罪に向かったマリアは、更なる受難を受けることとなった。
魔女A:「マリアンナッ!きさま、よくも私の先生を!!」
魔女B:「グレタ、やめろ!……私が代わりに殴るから」
稲生:「ちょっと!暴力はやめてくださいよ!」
魔女B:「『流血の惨を見る事、必至であります』」
稲生:「それは妙信講の脅迫文兼作者の座右の銘!」
たまたま見舞いに来ていた他の魔道士からの怒りの矛先を受けたり……。
魔女C:「人殺し!私の先生返してよぉ!!わぁぁぁぁぁぁっ!!」
マリア:「いや、死んでないから!アンタが殺してどうする!」
メンヘラ魔女に泣きつかれたり……。
エレーナ:「あぁ?マリアンナ、てめぇ、どのツラ下げて来たよ?あぁ?もし謝罪する気があるのなら、前に渡した金貨全部返せ」
マリア:「アホか!元はと言えばオマエの情報漏洩のせいだろうが!」
エレーナ:「それで手ェ打ってやるってんだから、ありがたく思え!」
マリア:「思うか、ドアホ!!」
稲生:「まあまあまあ!」
あくまでも金銭に拘るエレーナに絡まれたりした。
ルーシー:「マリアンナのママ、凄かったね。『執念の魔女』って感じ」
マリア:「いや、本当申し訳ない」
マリアはもう一度謝罪した後で、ルーシーの手を取った。
マリア:「あっさり許してくれたの、ルーシーだけだよ!」
ルーシー:「あー……うん。周りの部屋が騒がしかったから、何となく分かる」
稲生:「ベイカー先生は大丈夫なのかい?」
ルーシー:「うちの先生は早めに離脱したからね。本当は私もそうしろと言われたんだけど、最後まで見届けたかったから。そしたら、このザマよ。まあ、私の場合は自業自得の部分もあるから、それで私はマリアンナを責める権利は無いのね」
稲生:「さすがベイカー先生。1期生の古株」
ルーシー:「先生からも、『マリアンナは悪くないから責めるな』とも言われてるし……」
マリア:「そうか……」
ルーシー:「あ、でも、どうしてもお詫びしてくれるのなら、今度また新幹線に乗せて欲しいかな」
稲生:「うん、そうだね」
生真面目な性格のルーシーだが、日本の新幹線が好きで、それに乗る時にはテンションが物凄く上がる。
ルーシー:「“シンカリオン”人気だね」
稲生:「ここじゃ観れないでしょ?」
ルーシー:「観れるのが魔道士の特権」
稲生:「んんっ!?」
ベッドの横の棚にはタブレットが置かれていた。
時々、現代人間界の科学をも魔法具として使うダンテ一門。
ルーシー:「屋敷にはどうやって帰るの?」
稲生:「こ、高速バス」
ルーシー:「なーんだ……」
稲生:「先生が入院してらっしゃるので、経費節減……」
イリーナとしては敗北に値するので。
ゲームオーバーになったら所持金が減る法則。
ルーシーの見舞を最後に、稲生達は病院をあとにしようとした。
エレーナ:「待て」
そこへエレーナに呼び止められた。
マリア:「何だ、守銭奴。そんなに金貨が惜しいのか?」
エレーナ:「いや、それは情報料としてそっちに渡しておくぜ」
稲生:「情報料?」
エレーナ:「オマエのママとの最後の戦いの時、何があったか教えてくれ。私が戦闘不能になって、どうしてアナスタシア先生が勝ったのか知りたいんだ」
稲生:「んん?」
稲生は首を傾げた。
エレーナ:「下の食堂で話そう。飯まだなんだろ?何だったら、私が出すぜ」
稲生:「そりゃ凄い。だけど、エレーナは食べていいの?下の食堂は一般用みたいだけど……」
エレーナ:「私はお茶だけでいい」
稲生:「まあいいや。付き合おう」
エレーナの話とは、アナスタシアがアレクサに対して銃を使った時の位置関係だった。
エレーナ:「アナスタシア先生が使ったのはトカレフだ。それは知ってる。私もアンナから、アナスタシア先生の愛用はトカレフだって聞いてるからな。問題はアナスタシア先生が、どうしてアレクサに気付かれずに撃てたかなんだ」
エレーナは白い紙にペンで位置関係を書き出した。
エレーナ:「ヘリがここに堕ちたとする。そして、大師匠様やイリーナ先生、うちのポーリン先生がこの辺りに倒れていらしただろ?他の先生達については、この際どうでもいい。私は先に倒れてしまったから、その後のことが分からない。稲生氏とマリアンナは最後まで生き残っただろ?私が倒れた後、何があったか……ぶっちゃけ、どうしてアナスタシア先生だけが1人勝ちできたか教えてくれ。……どうした、2人とも?」
稲生:「……こんな戦い、あったか?」
エレーナ:「は?」
マリア:「こういう戦いがあって、ママが皆に迷惑を掛けたって聞いたから謝罪に来たんだ。エレーナこそ何言ってる?」
エレーナ:「いや、オマエら、バァル城からアナスタシア先生のヘリで脱出しただろ?」
稲生:「それは知ってる。だけど急に眠くなって、気がついたら大宮のパレスホテルのベッドの上だったんだ。どうやら、大師匠様が全てを解決してくれたみたいだね」
マリア:「結局私は、何の役にも立たなかったってわけだ」
エレーナ:("゚д゚)ポカーン
稲生:「というわけでエレーナ、申し訳ない。僕達もその場にいなかったんで、知らないんだ。他、当たってくれないか」
エレーナ:「いやいやいやいや!いただろ!オマエら何言ってんだぜ!?私がアレクサの魔法をモロに受けて、血ヘド吐いて倒れたのを見ただろ!?」
稲生:「マリアさん?」
マリア:「私はアナスタシア先生からそう聞いただけで、直接は見ていない。エレーナこそ、何を言ってるんだ?記憶操作でもされたのか?」
エレーナ:「記憶操作されたの、オマエらだぜ!?……一体誰が?」
(エレーナの脳裏に浮かぶアナスタシア)
エレーナ:「くっ、やっぱりそうか!何か調べられたらマズいことでもあるんだな……!」
稲生:「何だか気味悪くなってきた。マリアさん、そろそろ行きましょう」
マリア:「そ、そうだな」
エレーナ:「くっそー!……ゲホッゲホッ!ガハッ!!」
マリア:「おい、大丈夫か?肺をやられたんだろ?部屋に戻って寝てろ」
エレーナは悔しそうに部屋に戻り、稲生とマリアは足早に病院を出た。
アナスタシア:「気づいた観点については高得点だけど、まだまだ甘いわね。ポーリンに代わって採点してあげるわ。ふふふふ……」