[7月23日08:37.天候:晴 宮城県遠田郡美里町 JR小牛田駅→東北本線2530M列車1号車内]
公一伯父さんの家をあとにした私達はタクシーに乗り、それで小牛田駅に向かった。
往路と同じように、手持ちのICカードで自動改札機を通る。
東北本線下り本線ホームで列車を待っていると、往路と同じ編成・両数の電車がやってきた。
それもそのはず。
私がこれから乗る電車は仙台駅到着後、折り返し、私達が往路に乗った電車になるからだ。
なので編成と両数は701系の6両編成。
確かに平日の朝ラッシュとしては、適正な運用と言える(ガチのラッシュなら、もう2両欲しいところか)。
だが休日のそれとしては、ちょっと物足りなさを感じる運用なのだった。
ただ、もしかすると、オリンピック関連で運用が変わっている恐れがある。
昨日も今日も、本来なら平日である。
それをオリンピック絡みで無理やり祝日にしたものだから、車両運用だけは平日のままなのかもしれない(東北本線の仙台支社管内では、平日ダイヤ・休日ダイヤの区別が無い)。
愛原:「よっと」
平日ならもう少し乗客が多いと思える駅も、今日は少なかった。
うん、平日ならもっと多い……はずだ。
先頭車両に乗り込み、ドア横のロングシートに3人並んで座る。
〔「ご案内致します。この電車は8時49分発、東北本線上り、普通列車の仙台行きです。終点、仙台まで各駅に止まります。発車までご乗車になり、お待ちください」〕
高橋:「ところで先生、レンタカーはもう予約したんですか?」
愛原:「ああ。駅レンタカーを予約した。まあ、いつも通りのコンパクトカーだが、運転よろしく頼むな」
高橋:「任せてください。普通免許で運転できる車なら、何でも回しますよ」
愛原:「それは頼もしい」
リサ:「お兄ちゃん、免停期間過ぎたの?」
高橋:「とっくに過ぎとるわ~!」
愛原:「さすがにそれは困る」
[同日08:49.天候:晴 JR東北本線2530M列車1号車内]
〔「お待たせ致しました。8時49分発、東北本線上り、普通列車の仙台行き、まもなく発車致します」〕
2両編成ならワンマン運転に使用される車両だが、6両ともなれば車掌が乗務している。
で、ツーマン運転の時は自動放送は使用しない。
小牛田駅では発車ベルもメロディも無い為、1番後ろにいる車両の笛の音が聞こえて来るだけだ。
ドアチャイムが2回鳴ってからドアが閉まる。
こういう地方の駅ではホームドアなど無い為、ドアが閉まったらすぐに電車は発車する(JR東日本の電車列車では発車合図ブザーは無い)。
半室構造の開放的な造りの運転室からは、ハンドルをガチャガチャ操作する音が聞こえる。
電車は定刻通りに発車した。
尚、この時点で座席は半分ほどが埋まっていた。
これが平日なら、もう満席となっているのだろう。
先頭車に乗っているのは、何度も先述している通り、BSAAとの取り決めによるものである。
リサが監視対象となっているのは、言わずもがな。
しかし、欧米ではリサと同じような者がいるらしい。
アメリカのシェリー・バーキン氏ではなく、エブリンの力を引き継いだ者だとか……?
〔「おはようございます。本日もJR東日本をご利用頂きまして、ありがとうございます。8時49分発、東北本線上り、普通列車の仙台行きです。これから先、松山町、鹿島台、品井沼、愛宕の順に、終点仙台まで各駅に止まります。【中略】終点、仙台には9時35分の到着です。【中略】次は松山町、松山町です」〕
高橋:「姉ちゃんの言うルートってどんな感じなんでしょうね?」
愛原:「特に決まったルートは無いな。恐らく、適当に山形県内を走ればいいんだろう」
高橋:「山形県に白井が?」
愛原:「いや、ほんと今回は詳しい話を聞いてないんだ。聞いても教えてくれないし。でも、県と地域だけは指定してくるということは、そうなんだろうなぁ」
高橋:「遭遇したらブッ殺していいんですか?」
愛原:「俺達、探偵は通報するまでが仕事だよ。それ以上のことは、警察関係者から協力を求められた時のみすればいい。そこは警備業者と変わらんね」
だから、アニメやドラマみたいに、警察を出し抜いて事件を解決するなど、本来は有り得ないのである。
たまたま私が推理を利かせて、先に真犯人を突き止めたのだって、濡れ衣を着せられた高橋を助けてやる為だった。
そういう事情でも無い限りは、な。
だからアニメやドラマの中の探偵達も、わざとそういう状況に追い込まれた設定になっているのだろう(殺人事件に巻き込まれた、など)。
高橋:「分かりました」
愛原:「大まかなルートについては、主任から聞いてる。取りあえずは、そこを適当に走るだけでいいらしい。もちろん、途中休憩したり、観光したりするのはOKだそうだ」
高橋:「まるで諜報活動ですね」
愛原:「それが目的かもしれんな」
しかし、厳密にはそれも違うだろう。
諜報活動だって、何を諜報するのかの目的が大事だ。
それを知らないのでは意味が無い。
私は囮捜査なのではないかと思った。
リサを連れ歩くことで、リサを狙うヴェルトロとか、何かそういう組織が襲って来る。
それを一網打尽にする為、常に私達をどこかで監視していて……と、そんな気がするのだ。
愛原:「ま、とにかく俺達は言われた通りにすればいい」
高橋:「分かりました」
リサ:「先生、サイトーへの連絡もダメ?」
愛原:「ダメとは言われてないからいいんじゃないか」
リサ:「良かった。サイトー、朝から大量のLINE」
高橋:「ヒマなビアンガキだな」
リサ:「夏休みの学生あるある」
愛原:「夏休み明け、テストとかあるんだろ?あんまり遊び過ぎないように」
リサ:「もちろん」
電車は田園地帯の中、朝日を浴びて走行する。
今は天気は良くても、山沿いの方とかはゲリラ豪雨注意とのことだ。
ゲリラ豪雨、なるべくなら遭遇したくはないな。
公一伯父さんの家をあとにした私達はタクシーに乗り、それで小牛田駅に向かった。
往路と同じように、手持ちのICカードで自動改札機を通る。
東北本線下り本線ホームで列車を待っていると、往路と同じ編成・両数の電車がやってきた。
それもそのはず。
私がこれから乗る電車は仙台駅到着後、折り返し、私達が往路に乗った電車になるからだ。
なので編成と両数は701系の6両編成。
確かに平日の朝ラッシュとしては、適正な運用と言える(ガチのラッシュなら、もう2両欲しいところか)。
だが休日のそれとしては、ちょっと物足りなさを感じる運用なのだった。
ただ、もしかすると、オリンピック関連で運用が変わっている恐れがある。
昨日も今日も、本来なら平日である。
それをオリンピック絡みで無理やり祝日にしたものだから、車両運用だけは平日のままなのかもしれない(東北本線の仙台支社管内では、平日ダイヤ・休日ダイヤの区別が無い)。
愛原:「よっと」
平日ならもう少し乗客が多いと思える駅も、今日は少なかった。
うん、平日ならもっと多い……はずだ。
先頭車両に乗り込み、ドア横のロングシートに3人並んで座る。
〔「ご案内致します。この電車は8時49分発、東北本線上り、普通列車の仙台行きです。終点、仙台まで各駅に止まります。発車までご乗車になり、お待ちください」〕
高橋:「ところで先生、レンタカーはもう予約したんですか?」
愛原:「ああ。駅レンタカーを予約した。まあ、いつも通りのコンパクトカーだが、運転よろしく頼むな」
高橋:「任せてください。普通免許で運転できる車なら、何でも回しますよ」
愛原:「それは頼もしい」
リサ:「お兄ちゃん、免停期間過ぎたの?」
高橋:「とっくに過ぎとるわ~!」
愛原:「さすがにそれは困る」
[同日08:49.天候:晴 JR東北本線2530M列車1号車内]
〔「お待たせ致しました。8時49分発、東北本線上り、普通列車の仙台行き、まもなく発車致します」〕
2両編成ならワンマン運転に使用される車両だが、6両ともなれば車掌が乗務している。
で、ツーマン運転の時は自動放送は使用しない。
小牛田駅では発車ベルもメロディも無い為、1番後ろにいる車両の笛の音が聞こえて来るだけだ。
ドアチャイムが2回鳴ってからドアが閉まる。
こういう地方の駅ではホームドアなど無い為、ドアが閉まったらすぐに電車は発車する(JR東日本の電車列車では発車合図ブザーは無い)。
半室構造の開放的な造りの運転室からは、ハンドルをガチャガチャ操作する音が聞こえる。
電車は定刻通りに発車した。
尚、この時点で座席は半分ほどが埋まっていた。
これが平日なら、もう満席となっているのだろう。
先頭車に乗っているのは、何度も先述している通り、BSAAとの取り決めによるものである。
リサが監視対象となっているのは、言わずもがな。
しかし、欧米ではリサと同じような者がいるらしい。
アメリカのシェリー・バーキン氏ではなく、エブリンの力を引き継いだ者だとか……?
〔「おはようございます。本日もJR東日本をご利用頂きまして、ありがとうございます。8時49分発、東北本線上り、普通列車の仙台行きです。これから先、松山町、鹿島台、品井沼、愛宕の順に、終点仙台まで各駅に止まります。【中略】終点、仙台には9時35分の到着です。【中略】次は松山町、松山町です」〕
高橋:「姉ちゃんの言うルートってどんな感じなんでしょうね?」
愛原:「特に決まったルートは無いな。恐らく、適当に山形県内を走ればいいんだろう」
高橋:「山形県に白井が?」
愛原:「いや、ほんと今回は詳しい話を聞いてないんだ。聞いても教えてくれないし。でも、県と地域だけは指定してくるということは、そうなんだろうなぁ」
高橋:「遭遇したらブッ殺していいんですか?」
愛原:「俺達、探偵は通報するまでが仕事だよ。それ以上のことは、警察関係者から協力を求められた時のみすればいい。そこは警備業者と変わらんね」
だから、アニメやドラマみたいに、警察を出し抜いて事件を解決するなど、本来は有り得ないのである。
たまたま私が推理を利かせて、先に真犯人を突き止めたのだって、濡れ衣を着せられた高橋を助けてやる為だった。
そういう事情でも無い限りは、な。
だからアニメやドラマの中の探偵達も、わざとそういう状況に追い込まれた設定になっているのだろう(殺人事件に巻き込まれた、など)。
高橋:「分かりました」
愛原:「大まかなルートについては、主任から聞いてる。取りあえずは、そこを適当に走るだけでいいらしい。もちろん、途中休憩したり、観光したりするのはOKだそうだ」
高橋:「まるで諜報活動ですね」
愛原:「それが目的かもしれんな」
しかし、厳密にはそれも違うだろう。
諜報活動だって、何を諜報するのかの目的が大事だ。
それを知らないのでは意味が無い。
私は囮捜査なのではないかと思った。
リサを連れ歩くことで、リサを狙うヴェルトロとか、何かそういう組織が襲って来る。
それを一網打尽にする為、常に私達をどこかで監視していて……と、そんな気がするのだ。
愛原:「ま、とにかく俺達は言われた通りにすればいい」
高橋:「分かりました」
リサ:「先生、サイトーへの連絡もダメ?」
愛原:「ダメとは言われてないからいいんじゃないか」
リサ:「良かった。サイトー、朝から大量のLINE」
高橋:「ヒマなビアンガキだな」
リサ:「夏休みの学生あるある」
愛原:「夏休み明け、テストとかあるんだろ?あんまり遊び過ぎないように」
リサ:「もちろん」
電車は田園地帯の中、朝日を浴びて走行する。
今は天気は良くても、山沿いの方とかはゲリラ豪雨注意とのことだ。
ゲリラ豪雨、なるべくなら遭遇したくはないな。