[7月23日16:50.天候:晴 宮城県柴田郡村田町菅生 東北自動車道・菅生パーキングエリア]
山形道の山間部でゲリラ豪雨の待ち伏せを受けた私達だったが、何とか切り抜けて村田ジャンクションに差し掛かった。
ここから東北自動車道の下り線に入る。
そこから仙台市を目指す途中に、菅生パーキングエリアがある。
ガソリンスタンドが併設されていることから、まるでサービスエリアを連想させるが、パーキングエリアである。
建物はリニューアルされて、正面入口のエントランスには、伊達政宗の兜の飾りをあしらったモニュメントが設置されている。
愛原:「最後の休憩だな」
高橋:「タバコ吸って来ます」
愛原:「行ってらっしゃい」
リサ:「この中で牛タン食べれる……」
愛原:「ここではジュースくらいにしときな。牛タンは後で食べるから」
リサ:「あ、食べるの!?」
愛原:「一応そのつもりだから」
リサ:「わぁい!」
本館内部はレストランの他に、土産物店がある。
車で来た客が仙台圏内の土産を買えるようになっている。
が、何故か“萩の月”は見当たらなかった。
愛原:「色々なものがあるなぁ……。ぶっちゃけ、斉藤社長へお土産をここから送りたいくらいだ」
リサ:「お中元?」
愛原:「そうそう、御中元。7月15日は過ぎたから、8月15日になるのか……」
リサ:「別にいいんじゃない?」
愛原:「別にいいかなぁ……。まあ、明日にしよう。どうせ休みは明後日までだし。仙台からなら、午前中発送すれば、次の日には届く流通システムだし」
リサ:「ねぇ、先生。あの笹かまぼこ、食べていい?」
愛原:「かまぼこ食べたいのか?」
笹かまぼこが1枚からの単品で売っていることがある。
ここもそうだった。
愛原:「しょうがないな。1枚だけだぞ」
リサ:「分かったー」
リサが選んだのは至ってシンプルな、しかし大判サイズのものだった。
リサ:「じゃあ、これ」
愛原:「案外、フツーなの選んだな」
それから飲み物を購入したり、トイレに行ったり……。
愛原:「よし、最後の休憩終わり。そろそろ次の目的地に行こう」
高橋:「はい」
菅生パーキングエリアを出て、再び東北道下り線に入る。
愛原:「夕食は牛タン定食にしよう。それからホテルへゴーだ。いいかな?」
高橋:「御意!」
リサ:「先生の仰せのままに!」
私はナビに行き先をセットした。
[同日17:30.天候:晴 宮城県仙台市宮城野区六丁の目北町 伊達の牛たん本舗]
仙台と言えば伊達政宗なのだろう。
仙台市に入る時の看板に描かれていたのは、馬に乗った伊達政宗の絵であった。
東北自動車道の仙台市内区間は、終日時速80キロ規制が敷かれている。
これは別に騒音対策ではなく、線形が悪い為に規制されているのだ。
この辺りは用地取得が困難だったのか、高速道路にしては嫌というくらいS字カーブとアップダウンが続く。
中央高速では線形が改良されて真っ直ぐ走れるようになったらしいが、東北道はこの点まだ遅れている。
そんな線形の悪い所に仙台南インターが存在する。
そこから仙台南部道路に入る。
今でこそ『E48』という山形道と通しの番号が付与されているが、かつては宮城県道路公社が管理する宮城県道としての有料道路だった。
今でも有料道路だった頃の名残で、路肩が狭かったり、暫定二車線区間が長くあったりする。
暫定二車線区間は、尾花沢新庄道路と同様、時速70キロ規制になっている。
リサ:「あっ、電車が止まってる」
愛原:「あれは地下鉄の富沢車両基地だよ」
仙台市地下鉄南北線の車両基地。
今はまだ開業当時の1000系電車しか見られないが、2024年度以降、3000系なる新型車両が順次導入されるという。
そこを過ぎて東進すると、今度はJRのガード下を潜る。
更に東へ進むと、仙台東部道路との若林ジャンクションに差し掛かる。
その下り線へと入る。
仙台東部道路は『E6』の番号が付与されており、常磐道の一部という認識でいてもおかしくはない。
盛り土構造であることから、東日本大震災では大津波を食い止めたことで有名であり、津波から逃れてきた被災者がこの盛り土をよじ登って高速道路上に避難し、無事に津波をやり過ごせたというエピソードもある。
その一方で、名取川に架かる橋では地震による大きな揺れで走行中の車が弾き飛ばされ、怪我人を出すということもあった。
今回はその橋は渡らないが、しかし津波を食い止めた盛り土区間は走行している。
そして、最初のインターである仙台東インターで高速を降りた。
インターを降りると、県道23号線の交差点に差し掛かる。
これは通称『産業道路』と呼ばれ、片側3車線の道路である。
なので仙台市民が埼玉県に行き、そこの『産業道路』を紹介されると、大抵そのショボさに驚く。
同じ県道なのだか……。
〔この交差点を直進した後、次の交差点を左です〕
愛原:「反対側にあるから、グルッと回れということだな」
高橋:「なるほど……」
大きな交差点を直進する。
〔ここを左です〕
高橋:「はい、左」
2車線も無いような路地を入る。
〔目的地周辺です。ルート案内を終了します〕
リサ:「……落ちれば良かったのに」
愛原:「山道を走っているわけじゃないからな、リサ」
リサ:「ちぇっ……」
高橋:「あ、ありました、駐車場」
愛原:「あった?」
高橋はハンドルを左に切って、駐車場に乗り入れた。
愛原:「はい、到着ぅ~!」
リサ:「わぁ!やっと食べれる!」
リサ、思わず第一形態に戻ってしまう。
高橋:「くぉらっ!角と牙と爪と耳を隠せ!」
愛原:「適格な指摘」
高橋:「あざっす!!」
こうして私達は、ようやく夕食にありついた。
山形道の山間部でゲリラ豪雨の待ち伏せを受けた私達だったが、何とか切り抜けて村田ジャンクションに差し掛かった。
ここから東北自動車道の下り線に入る。
そこから仙台市を目指す途中に、菅生パーキングエリアがある。
ガソリンスタンドが併設されていることから、まるでサービスエリアを連想させるが、パーキングエリアである。
建物はリニューアルされて、正面入口のエントランスには、伊達政宗の兜の飾りをあしらったモニュメントが設置されている。
愛原:「最後の休憩だな」
高橋:「タバコ吸って来ます」
愛原:「行ってらっしゃい」
リサ:「この中で牛タン食べれる……」
愛原:「ここではジュースくらいにしときな。牛タンは後で食べるから」
リサ:「あ、食べるの!?」
愛原:「一応そのつもりだから」
リサ:「わぁい!」
本館内部はレストランの他に、土産物店がある。
車で来た客が仙台圏内の土産を買えるようになっている。
が、何故か“萩の月”は見当たらなかった。
愛原:「色々なものがあるなぁ……。ぶっちゃけ、斉藤社長へお土産をここから送りたいくらいだ」
リサ:「お中元?」
愛原:「そうそう、御中元。7月15日は過ぎたから、8月15日になるのか……」
リサ:「別にいいんじゃない?」
愛原:「別にいいかなぁ……。まあ、明日にしよう。どうせ休みは明後日までだし。仙台からなら、午前中発送すれば、次の日には届く流通システムだし」
リサ:「ねぇ、先生。あの笹かまぼこ、食べていい?」
愛原:「かまぼこ食べたいのか?」
笹かまぼこが1枚からの単品で売っていることがある。
ここもそうだった。
愛原:「しょうがないな。1枚だけだぞ」
リサ:「分かったー」
リサが選んだのは至ってシンプルな、しかし大判サイズのものだった。
リサ:「じゃあ、これ」
愛原:「案外、フツーなの選んだな」
それから飲み物を購入したり、トイレに行ったり……。
愛原:「よし、最後の休憩終わり。そろそろ次の目的地に行こう」
高橋:「はい」
菅生パーキングエリアを出て、再び東北道下り線に入る。
愛原:「夕食は牛タン定食にしよう。それからホテルへゴーだ。いいかな?」
高橋:「御意!」
リサ:「先生の仰せのままに!」
私はナビに行き先をセットした。
[同日17:30.天候:晴 宮城県仙台市宮城野区六丁の目北町 伊達の牛たん本舗]
仙台と言えば伊達政宗なのだろう。
仙台市に入る時の看板に描かれていたのは、馬に乗った伊達政宗の絵であった。
東北自動車道の仙台市内区間は、終日時速80キロ規制が敷かれている。
これは別に騒音対策ではなく、線形が悪い為に規制されているのだ。
この辺りは用地取得が困難だったのか、高速道路にしては嫌というくらいS字カーブとアップダウンが続く。
中央高速では線形が改良されて真っ直ぐ走れるようになったらしいが、東北道はこの点まだ遅れている。
そんな線形の悪い所に仙台南インターが存在する。
そこから仙台南部道路に入る。
今でこそ『E48』という山形道と通しの番号が付与されているが、かつては宮城県道路公社が管理する宮城県道としての有料道路だった。
今でも有料道路だった頃の名残で、路肩が狭かったり、暫定二車線区間が長くあったりする。
暫定二車線区間は、尾花沢新庄道路と同様、時速70キロ規制になっている。
リサ:「あっ、電車が止まってる」
愛原:「あれは地下鉄の富沢車両基地だよ」
仙台市地下鉄南北線の車両基地。
今はまだ開業当時の1000系電車しか見られないが、2024年度以降、3000系なる新型車両が順次導入されるという。
そこを過ぎて東進すると、今度はJRのガード下を潜る。
更に東へ進むと、仙台東部道路との若林ジャンクションに差し掛かる。
その下り線へと入る。
仙台東部道路は『E6』の番号が付与されており、常磐道の一部という認識でいてもおかしくはない。
盛り土構造であることから、東日本大震災では大津波を食い止めたことで有名であり、津波から逃れてきた被災者がこの盛り土をよじ登って高速道路上に避難し、無事に津波をやり過ごせたというエピソードもある。
その一方で、名取川に架かる橋では地震による大きな揺れで走行中の車が弾き飛ばされ、怪我人を出すということもあった。
今回はその橋は渡らないが、しかし津波を食い止めた盛り土区間は走行している。
そして、最初のインターである仙台東インターで高速を降りた。
インターを降りると、県道23号線の交差点に差し掛かる。
これは通称『産業道路』と呼ばれ、片側3車線の道路である。
同じ県道なのだか……。
〔この交差点を直進した後、次の交差点を左です〕
愛原:「反対側にあるから、グルッと回れということだな」
高橋:「なるほど……」
大きな交差点を直進する。
〔ここを左です〕
高橋:「はい、左」
2車線も無いような路地を入る。
〔目的地周辺です。ルート案内を終了します〕
リサ:「……落ちれば良かったのに」
愛原:「山道を走っているわけじゃないからな、リサ」
リサ:「ちぇっ……」
高橋:「あ、ありました、駐車場」
愛原:「あった?」
高橋はハンドルを左に切って、駐車場に乗り入れた。
愛原:「はい、到着ぅ~!」
リサ:「わぁ!やっと食べれる!」
リサ、思わず第一形態に戻ってしまう。
高橋:「くぉらっ!角と牙と爪と耳を隠せ!」
愛原:「適格な指摘」
高橋:「あざっす!!」
こうして私達は、ようやく夕食にありついた。