[4月7日10:00.天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校・体育館]
司会:「(えー、文字制限の都合で、幾分前略しまして)次は雲羽三部作を手掛けた作者、雲羽百三先生より御挨拶を賜ります。雲羽先生、お願い致します」
何故、作者?!
しかも本業の警備隊からそのまま抜けて来たのか、警備会社の制服のままだし!
雲羽:「あー、コホン。……皆ぁっ!ニューヨークへ行きたいかぁぁぁぁぁっ!?」
パーン!ビシッ!(雲羽の頭に、狙撃弾が命中する音)
雲羽:「ぐほっ?!」
作者、被っていた制帽を落としながら、その場にバタッと倒れる。
司会:「えー、作中の流れを妨げる行為は、甚だ重罪です。その場合、BSAA極東支部日本地区本部の狙撃兵が狙撃致しますので、十分ご注意ください」
作者、保健委員によって担架に乗せられ、あえなく退場。
司会:「次はPTA会長による挨拶です。ですがPTA会長は諸般の事情により、退任しました。後任はまだ決まっておりませんので、引き続き愛原学会長代行が代理を務めております。よって、PTA会長挨拶を愛原学会長代行より賜りたいと思います」
やっぱりやるのか……。
いや、学園側からはオファーされてはいたのだが……。
しょうがない。
こんなこともあろうかと、原稿は用意してきたのだ。
あまりフザけると狙撃されるので、程々にしないと……。
愛原:「えー、只今ご紹介に預かりましたPTA会長代行の愛原です。まだ後任が決まらないということで、引き続き会長代行を務めさせて頂くことになりました。新入生の皆さん、よろしくお願い致します。さて、今日はとても素晴らしい1日です。……」
多少のユーモアを混ぜてみたが、どうやらちゃんとしたユーモアだと理解されたのか、狙撃されることはなかった。
愛原:「……以上を持ちまして、私の御挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました」
何とか噛まずに挨拶することができた。
これでもまあ、警備員時代、防災センターで館内放送とかやっていたからなぁ……。
司会:「ありがとうございました。それでは続きまして、生徒会長より挨拶がございます」
私は来賓席に戻った。
因みに高橋は、ここに連れて来てはいない。
今回は事務所でリサ共々、留守番だ。
新入生席には上野凛がいたし、保護者席には母親の上野利恵がいた。
但し、両側を善場主任とその男性部下がガッチリ挟んでいる。
これで制服と制帽を被れば、被告席にいる刑事被告人と刑務官2人である。
[同日11:00.天候:晴 同学園1年5組教室→校門]
愛原:「リサと同じクラスだ。何か縁でもあるのかな?」
善場:「そうかもしれませんね」
教室では新入生がそれぞれ自分の席に着き、教室の後ろではその保護者達が立ち並ぶ。
担任:「担任の吉田です。担当教科は日本史です」
副担任:「副担任の鷺沼です。担当教科は体育です」
どちらも男性教員だ。
年齢は私よりも年下の30代だな。
吉田:「明日から頑張ってください」
鷺沼:「初日から遅刻しないように!」
教室でのオリエンテーションが終わると、新入生はこれで終わり。
この後で保護者達は、PTA役員選びがあるのだが、まあ誰もやりたがらない。
また、収監中の上野利恵は対象外となる。
愛原:「はい、撮りまーす!」
最後は校門前で母娘の記念撮影。
これは昨日、中等部でも行われたという。
その場合、善場主任が撮影したとか。
凛:「写真、できたら送るね」
利恵:「うん、ありがとう」
善場:「それでは、藤野に戻りましょう」
愛原:「早っ!」
善場:「当たり前です。今回の目的は、あくまで特別に娘2人の入学式に臨席させるだけです。それが終われば、即時撤収します」
別の部下が車で待機していたのか、すぐに黒いハイエースがやってくる。
利恵:「それじゃ、頑張るのよ?」
凛:「うん。また、時間ができたら面会に行くよ」
利恵:「理子にもよろしくね」
凛:「うん……」
利恵は善場主任に促され、真ん中の席に座った。
両側を主任と部下が挟むようにして座る。
また、運転席だけではなく、助手席にも黒服が座っていた。
善場:「それでは愛原所長、お疲れさまでした。失礼します」
愛原:「あ、はい。お疲れさまです。失礼します」
スライドドアが閉まると、ハイエースは走り去って行った。
愛原:「キミはどうするんだい?」
凛:「私は寮に戻ります」
愛原:「稲荷町の寮か。これまた随分と便利な所にあるねぇ……」
凛:「元々は天長会の東京女子研修場だった建物ですから」
愛原:「え?」
凛:「移転に伴い、土地や建物を学園に寄付したんですよ。で、学園が女子寮に改築したそうですよ」
愛原:「そうだったのか……」
凛:「愛原先生、私からも……今日からよろしくお願いします」
愛原:「ああ、よろしく」
私は凛を見送ってから、再び学校の中へと戻った。
一応、帰る前に先生達に挨拶しておこうと思ったのだ。
[同日12:30.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
お昼の最中に事務所に帰って来た。
高橋:「あ、先生。お帰りなさい」
リサ:「お帰りなさー」
愛原:「ただいま。今、お昼食べてるところか」
高橋:「今日は、ほっともっとにしたんスよ」
愛原:「そうか」
高橋:「先生は……」
愛原:「いや、途中の吉野家で牛丼買って来た」
高橋:「おっ、いいっスね」
リサ:「リン達どうだった?」
愛原:「まあ、凛さんのお母さんは、入学式に出られただけでも良しってところじゃない?一応、校門の前で娘と一緒に写真撮れたし」
リサ:「なるほど」
愛原:「今頃、中央道でも走ってるんだろ。それよりリサ、明日から本格的に2年生としての生活が始まるんだ。頑張れよ」
リサ:「分かってるよ」
2年生になったのだから、そろそろ進路を決めておいた方がいいかもしれない。
リサはどうしたいのだろう?
いや、NPO法人デイライトはどうするつもりなのだろう?
善場主任が大卒なのだから、リサもどこかの大学に通わせるのだろうか?
司会:「(えー、文字制限の都合で、幾分前略しまして)次は雲羽三部作を手掛けた作者、雲羽百三先生より御挨拶を賜ります。雲羽先生、お願い致します」
何故、作者?!
しかも本業の警備隊からそのまま抜けて来たのか、警備会社の制服のままだし!
雲羽:「あー、コホン。……皆ぁっ!ニューヨークへ行きたいかぁぁぁぁぁっ!?」
パーン!ビシッ!(雲羽の頭に、狙撃弾が命中する音)
雲羽:「ぐほっ?!」
作者、被っていた制帽を落としながら、その場にバタッと倒れる。
司会:「えー、作中の流れを妨げる行為は、甚だ重罪です。その場合、BSAA極東支部日本地区本部の狙撃兵が狙撃致しますので、十分ご注意ください」
作者、保健委員によって担架に乗せられ、あえなく退場。
司会:「次はPTA会長による挨拶です。ですがPTA会長は諸般の事情により、退任しました。後任はまだ決まっておりませんので、引き続き愛原学会長代行が代理を務めております。よって、PTA会長挨拶を愛原学会長代行より賜りたいと思います」
やっぱりやるのか……。
いや、学園側からはオファーされてはいたのだが……。
しょうがない。
こんなこともあろうかと、原稿は用意してきたのだ。
あまりフザけると狙撃されるので、程々にしないと……。
愛原:「えー、只今ご紹介に預かりましたPTA会長代行の愛原です。まだ後任が決まらないということで、引き続き会長代行を務めさせて頂くことになりました。新入生の皆さん、よろしくお願い致します。さて、今日はとても素晴らしい1日です。……」
多少のユーモアを混ぜてみたが、どうやらちゃんとしたユーモアだと理解されたのか、狙撃されることはなかった。
愛原:「……以上を持ちまして、私の御挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました」
何とか噛まずに挨拶することができた。
これでもまあ、警備員時代、防災センターで館内放送とかやっていたからなぁ……。
司会:「ありがとうございました。それでは続きまして、生徒会長より挨拶がございます」
私は来賓席に戻った。
因みに高橋は、ここに連れて来てはいない。
今回は事務所でリサ共々、留守番だ。
新入生席には上野凛がいたし、保護者席には母親の上野利恵がいた。
但し、両側を善場主任とその男性部下がガッチリ挟んでいる。
これで制服と制帽を被れば、被告席にいる刑事被告人と刑務官2人である。
[同日11:00.天候:晴 同学園1年5組教室→校門]
愛原:「リサと同じクラスだ。何か縁でもあるのかな?」
善場:「そうかもしれませんね」
教室では新入生がそれぞれ自分の席に着き、教室の後ろではその保護者達が立ち並ぶ。
担任:「担任の吉田です。担当教科は日本史です」
副担任:「副担任の鷺沼です。担当教科は体育です」
どちらも男性教員だ。
年齢は私よりも年下の30代だな。
吉田:「明日から頑張ってください」
鷺沼:「初日から遅刻しないように!」
教室でのオリエンテーションが終わると、新入生はこれで終わり。
この後で保護者達は、PTA役員選びがあるのだが、まあ誰もやりたがらない。
また、収監中の上野利恵は対象外となる。
愛原:「はい、撮りまーす!」
最後は校門前で母娘の記念撮影。
これは昨日、中等部でも行われたという。
その場合、善場主任が撮影したとか。
凛:「写真、できたら送るね」
利恵:「うん、ありがとう」
善場:「それでは、藤野に戻りましょう」
愛原:「早っ!」
善場:「当たり前です。今回の目的は、あくまで特別に娘2人の入学式に臨席させるだけです。それが終われば、即時撤収します」
別の部下が車で待機していたのか、すぐに黒いハイエースがやってくる。
利恵:「それじゃ、頑張るのよ?」
凛:「うん。また、時間ができたら面会に行くよ」
利恵:「理子にもよろしくね」
凛:「うん……」
利恵は善場主任に促され、真ん中の席に座った。
両側を主任と部下が挟むようにして座る。
また、運転席だけではなく、助手席にも黒服が座っていた。
善場:「それでは愛原所長、お疲れさまでした。失礼します」
愛原:「あ、はい。お疲れさまです。失礼します」
スライドドアが閉まると、ハイエースは走り去って行った。
愛原:「キミはどうするんだい?」
凛:「私は寮に戻ります」
愛原:「稲荷町の寮か。これまた随分と便利な所にあるねぇ……」
凛:「元々は天長会の東京女子研修場だった建物ですから」
愛原:「え?」
凛:「移転に伴い、土地や建物を学園に寄付したんですよ。で、学園が女子寮に改築したそうですよ」
愛原:「そうだったのか……」
凛:「愛原先生、私からも……今日からよろしくお願いします」
愛原:「ああ、よろしく」
私は凛を見送ってから、再び学校の中へと戻った。
一応、帰る前に先生達に挨拶しておこうと思ったのだ。
[同日12:30.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
お昼の最中に事務所に帰って来た。
高橋:「あ、先生。お帰りなさい」
リサ:「お帰りなさー」
愛原:「ただいま。今、お昼食べてるところか」
高橋:「今日は、ほっともっとにしたんスよ」
愛原:「そうか」
高橋:「先生は……」
愛原:「いや、途中の吉野家で牛丼買って来た」
高橋:「おっ、いいっスね」
リサ:「リン達どうだった?」
愛原:「まあ、凛さんのお母さんは、入学式に出られただけでも良しってところじゃない?一応、校門の前で娘と一緒に写真撮れたし」
リサ:「なるほど」
愛原:「今頃、中央道でも走ってるんだろ。それよりリサ、明日から本格的に2年生としての生活が始まるんだ。頑張れよ」
リサ:「分かってるよ」
2年生になったのだから、そろそろ進路を決めておいた方がいいかもしれない。
リサはどうしたいのだろう?
いや、NPO法人デイライトはどうするつもりなのだろう?
善場主任が大卒なのだから、リサもどこかの大学に通わせるのだろうか?