報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「愛原の実家に到着」

2022-10-10 20:09:51 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月10日08:30.天候:晴 宮城県仙台市若林区某所 愛原家1F玄関→ダイニング]

 母親:「珍しいわねぇ……。予定を前倒しして帰って来るなんて」
 愛原:「急な仕事が入ってね。じゃーん。お土産の東京名菓“ひよこ”。これ食べて、今日はゆっくりしてよ」
 母親:「ありがとう。後で頂くわ」
 高橋:「お久しぶりです!愛原先生の不肖の弟子、高橋正義っス!永遠の助手を務めさせて頂いております!」
 リサ:「お久しぶりです!愛原先生の愛妻候補ナンバー1!愛原リサです!既に名字と心は愛原家です!」
 愛原:「高橋!後半の言葉要らない!リサ、オマエは挨拶だけでいい!」
 父親:「相変わらず、面白い従業員さん達で……」
 愛原:「色んな意味で、楽しい毎日だよ。あー、それはもう……」
 母親:「とにかく、中へどうぞ。朝食を用意してありますから」
 愛原:「ありがとう。2人とも、上がってくれ」
 高橋:「お邪魔させて頂きます!」
 リサ:「ただいま帰りました!」
 愛原&高橋:「オメェんちじゃねぇ!」
 リサ:「将来、わたしの(義)実家にもなる家だよ?」
 父親:「そういうセリフは、もっと大人になってから言おうね?」

 注意はするが、真っ向から否定しないうちの父親。

 高橋:「先生。狡賢いBOWは、あの手この手で獲物を狙いますから気をつけてください」
 愛原:「特異菌BOWエブリンも、そうやってアメリカのベイカー家を乗っ取ったんだろうなぁ……」
 リサ:「先生!大人になったらOKだって!」
 高橋:「Gウィルスまみれの体じゃ、大人になれねーの、親父殿は御存知で?」
 愛原:「いや、知らないと思うよ」

 こんなリサにも、一応生理はあるから、妊娠・出産は可能なんだろうがな。
 とにかく上がらせてもらうと、荷物を先に置いて、私達はダイニングに向かった。

 母親:「いっぱい食べてくださいね」
 リサ:「はーい!」(^O^)/
 愛原:「そんなこと言うと……」
 高橋:「そいつはガチでガッツリ食いますよ?」

 ベーコンエッグにウィンナー、サラダ、御飯と味噌汁という和洋折衷の朝食である。

 愛原:「お父さん、食べ終わってからでいいんだけど、例の金庫を見せてもらいたいんだ」
 父親:「分かってる。物置にあるから、食べたら行ってみるといい。これが鍵だ」

 私は『物置の鍵』を入手した。
 これはアイテム欄に表示される。
 ……ゲームの“バイオハザード”シリーズ風に言ってみました。
 これが本当にゲームなら、きっと朝食に勤しんでいる皆を放って先に席を立ち、物置に向かうのだろうな。
 しかし、これはノベル。
 そんな野暮なことはしない。

[同日09:00.天候:晴 愛原家裏庭・物置小屋]

 朝食を食べた後は、早速物置に向かうことにした。

 愛原:「お父さん、地下にあった秘密の施設みたいなのはどうなった?」
 父親:「市が空洞状態だと危険だからと、埋める工事を始めたよ。地下鉄側からな」
 愛原:「やっぱり」

 その為か、裏庭に行くと、植栽部分が完全に仮囲いで覆われていた。
 工事の時は、工事関係者が入って来るらしい。
 もっとも、ちょうど今日から工事業者もお盆休みとのことだ。
 仮囲いの向こうは大きな穴が開いている状態だから、それで休工中でも仮囲いが外せないらしい。
 もちろん、物置までの通路は確保されている。

 高橋:「この下でハンターと格闘したなんて、夢みたいっスね」
 愛原:「まあな」

 さすがに今は工事関係者が出入りしているのだから、ハンターなどいないに決まっている。
 もしいようものなら、とっくにBSAAが出動しているだろう。

 愛原:「おいおい、邪魔だなー」

 物置小屋に向かう通路上に、警戒色の蜘蛛が大きな網を張っていた。

 高橋:「先生の進路を邪魔する奴ァ、これで吹っ飛ばしてやりますぜ!」

 高橋はマグナムを取り出した。

 愛原:「この蜘蛛がTウィルスに感染して、巨大化していたら使っていいんだがね。これはどう見ても、未感染の普通の蜘蛛だからね?」
 リサ:「てやっ!」

 私がそんなことをしている間、第1形態に戻ったリサがその蜘蛛を網ごと捕まえると……。

 リサ:「はーむっ!」

 バリボリと食べてしまった。
 特級BOW鬼娘リサにとっては、虫もおやつの1つなのだ。
 通りで霧生市のアンブレラ研究所には、ゴキブリ一匹いなかったわけだ。

 愛原:「お、お味は?」
 リサ:「エビに似た食感」
 愛原:「あ、そう……」

 とにかく、蜘蛛を網ごと排除してくれたこともあり、私達は先に進むことができた。

 愛原:「よし、ここだ」

 物置小屋は100人乗っても大丈夫な会社が造ったものだ。
 私は父親からもらった鍵で、扉を開錠した。
 そして、扉を開けると……。

 愛原:「えーと……どこだ?……あっ、あった」

 そんなに大きくない物置なので、ちょっと探せばすぐに見つかった。
 しかし、そこに至るまでも、何匹かの蜘蛛が巣を作っていた。

 リサ:「しっとりサクサクしてそう!」

 リサが瞳を金色に光らせ、牙を剥けると、本来なら獲物が掛からない限りは網から動かないはずのジョロウグモやコガネグモ達は慌てて逃げ出した。
 尚、どちらも似たような見た目の種類だが、足をだらしなく投げ出すようにして待機しているのがジョロウグモ。
 足をキチンと揃えてX字に待機しているのがコガネグモだという。
 私は棒切れを拾って、蜘蛛達が放棄した網を掃った。

 愛原:「これだな」

 私は早速、ダイヤルを回した。
 回す度にカチカチカチとノッチを刻む音が聞こえてくる。
 そして、カチンと音がして、まずは外側の扉が開いた。
 扉はまだあって、そこにもダイヤルが付いている。
 2番目の扉も、伯父さんの言う通りの番号を回す。
 果たして、それも解錠できた。
 開けてみると、その中には……。

 A:何も無かった。
 B:銃弾と手榴弾が入っていた。
 C:アンプルが入っていた。
 D:鍵とメモが入っていた。
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“私立探偵 愛原学” 「仙台駅から愛原の実家へ」

2022-10-10 12:57:43 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月10日07:58.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 JR仙台駅]

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、仙台です。仙石線、仙山線、常磐線、仙石東北ライン、仙台空港アクセス線、仙台市地下鉄南北線と仙台市地下鉄東西線はお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。仙台の次は、古川に止まります〕

 うとうとしている間に、列車は仙台駅に近づいた。
 コーヒーを飲んで目を覚ましたつもりだったが、やはり眠気には勝てなかったようだ。

〔「まもなく、仙台です。11番線に入ります。お出口は、右側です。仙台から先の、お乗り換えをご案内致します。新幹線、盛岡から先へおいでのお客様、今度の“はやぶさ”1号、新函館北斗行きと“こまち”1号、秋田行きは、降りましたホームの向かい側12番線から、8時5分の発車です。尚、全車両指定席です。自由席特急券では、ご乗車になれませんので、ご注意ください。……」〕

 列車が減速していく中、私は降りる準備を開始した。

 リサ:「リンやリコの実家の駅は、凄いスピードで通過したよ」
 愛原:「那須塩原か。そうだろうな」

 この列車は、那須塩原駅には停車しない。
 ついに周辺は、列車は市街地の喧噪に包まれた。
 因みに那須塩原駅通過中、私はトイレに行っていた。

 愛原:「おっ……」

 列車の到着を待っていると、善場主任から返信が来た。
 これで、東京駅出発の定時連絡は伝わったことになる。
 せっかくなので、仙台駅に到着したことも併せて伝えておいた。

〔「ご乗車ありがとうございました。仙台、仙台です。……」〕

 列車は下り副線ホームに到着した。
 早速、他の乗客に続いて列車を降りる。

 高橋:「先生、ここからは?」
 愛原:「地下鉄に乗り換えよう。朝のラッシュの最中だが、首都圏ほどは混んでないから」
 高橋:「はい」

 平日である為に普通の出勤者と、早めにお盆休みに入った企業関係者、そして夏休みの学生達や、いずれにも当てはまらないお年寄りの旅行団などで、仙台駅は混雑していた。
 これだけ見れば、何だかコロナ前に戻ったかのようである。
 しかし、お年寄りの旅行団以外の旅行団の姿が少ないところは、まだコロナ禍だというのが分かる。
 平日の春秋だと、修学旅行生の姿も見かけるようにはなったのだが。

[同日08:12.天候:晴 同区 仙台市地下鉄仙台駅→東西線(列番不明)電車先頭車内]

 JR仙台駅から地下鉄仙台駅に移動する。
 ルート的にはなるべく最短を選択したつもりだが、それでも乗換に10分以上は掛かる距離にある。
 特に、最後に開通した東西線ホームに至っては遠い。
 何せ最短ルートの正解が、『南北線ホームを通る』だで?
 こんなの余所者はもちろん、地元民でも知らんよ。
 これは作者が、南北線から東西線への乗り換え『だけ』はやたら便利なことに気づいて、『あれ?もしかして、南北線ホームを通ったら近いんじゃね?』という結論に至ったもの。
 尚、あくまでこの結論は『JR⇔地下鉄』の乗り換えのことである。

 
(地下鉄仙台駅・東西線ホーム。お気づきだろうか?ここから『南改札』に行くには、『南北線ホームを通って』向かうような形であることが示唆されている)

〔3番線に、荒井行き電車が、到着します〕

 ホームに降りると、平日朝ならではの賑わいがあった。
 そして、トンネルの向こうから、都営地下鉄大江戸線(大阪なら長堀鶴見緑地線)のような小型の電車がやってくる。
 都営大江戸線が8両編成なのだが、新宿線や三田線のようにフル規格であれば、実質的に6両編成くらいであろう。
 仙台市の東西線は、その半分の4両編成。
 南北線のようなフル規格なら、3両編成分くらいか?
 当然、こちらもワンマン運転である。

〔せんだい、仙台。南北線、JR線、仙台空港アクセス線はお乗り換えです〕

 この駅でぞろぞろ降りてくる乗客は多い。
 一方、乗車客もそれなりに多い。
 これから郊外に向かうのに客が多いのは、次の宮城野通駅までは市街地区間になるので、そこへの通勤客に需要があり、卸町駅は名前の通り、問屋街となっている為、そこへの通勤客への需要があり、六丁の目駅は工場団地がある為、そこへの通勤輸送があるからだ。
 尚、連坊駅や薬師堂駅には最寄りに高校がある為、本来なら通学生にも需要があるのだが、今は夏休みである為、学生の姿は少ない。
 いないわけではないが、通勤客が大多数を占める電車内では浮いている。

〔3番線から、荒井行き電車が発車します。ドアが閉まります。ご注意ください〕

 先頭車に乗り込むと、私だけ空いている座席に座らせてもらい、高橋とリサはその横に立った。
 停車時間、およそ1分で乗降客の為の時間を確保している。
 南北線しか無かった頃、発車の合図は電子電鈴だったが、今ではどちらも短い発車サイン音になっている。
 で、ホームドアもある。
 朝のラッシュとはいうものの、お盆休みに入っている企業もあれば、夏休みに入っている学生達もあってか、そんなに混んでいない。
 あとは、コロナ禍がきっかけでテレワークなどが推進されたというのもあるだろう。
 電車は座席を満席にし、ドア付近やその近くの吊り革に立客を乗せた状態で発車した。

〔次は宮城野通、宮城野通。ユアテック本社前です〕

 高橋:「先生、どのタイミングで金庫を開けます?」
 愛原:「まずは朝食を食べてからにしよう。一応、両親にも説明する必要があるし」
 高橋:「確かに、いきなり金庫破りするわけにはいきませんよね?」
 愛原:「そういうことだよ。一応、先に連絡はしてるんだがな……」
 高橋:「そうなんですか?」
 愛原:「『伯父さんがダイヤルの番号を知っていて、教えてもらった』と、正直に伝えたよ」
 高橋:「そしたら?」
 愛原:「父親は伯父さんがあの金庫を使っていることを知っていたから、『やっぱりな』って感じだった」
 高橋:「そうでしたか」

 尚、父親にとっては不思議なことらしい。
 誰にも開ける所を見せなかった公一伯父さんが、今は素直に甥っ子である私に開錠番号を教えたというのだから……。
 ……これで、開けても何も無かったらどうしよう?
 せめて、祖父が隠したかもしれない旧日本軍の銃弾や手榴弾くらいは見つかってほしいものだw
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“私立探偵 愛原学” 「子午東北」

2022-10-10 10:51:27 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月10日05:30.天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅・八重洲中央口]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日はこれから、私の実家に帰省するところだ。
 もちろんそれは表向きで、裏ではNPO法人デイライトから依頼された仕事があるのだが。
 早朝の東京駅に、私と高橋、リサを乗せたタクシーが到着する。

 運転手:「到着しました」
 愛原:「ありがとう」

 私はタクシーチケットで、料金を払った。
 この辺は公私混同的な部分もあるかもしれないが、仕事に関する交通費として請求できるかもしれない。
 私が料金を払っている間、高橋とリサが先に降りてタクシーのハッチを開け、そこから荷物を降ろしている。

 運転手:「ありがとうございましたー」
 愛原:「はい、どうもー」

 私が最後に降りる。

 愛原:「悪いな。荷物持ってもらっちゃって」
 高橋:「いいえ。弟子として当然です」
 リサ:「助手でしょ?」
 高橋:「うるせーな」
 愛原:「ハハハ。まあ、いい。早いとこ、新幹線乗り場に行こう」

 私は苦笑いした。
 東京駅八重洲中央口から、駅構内に入る。
 既にキップは持っているのだが、自由席である。

 愛原:「早朝のうちは、まだそんなに混んでないんだ。それでも、最繁忙期であることに変わりは無いから、早めに行く必要がある」
 高橋:「さすがです。先生」
 リサ:「でも眠い……」
 愛原:「新幹線に乗ったら、着くまで寝てていいから」

 リサは大きな欠伸をした。
 今はマスクをしているから分からないが、きっと大きく開いた口からは牙が覗いていただろう。
 『変化』している部分を隠す第0形態も、今は万能では無くなりつつあり、特に口の中の牙は隠せなくなりつつある。

 リサ:「朝食は?」
 愛原:「実家に着いたら、朝食が出るよ」
 高橋:「マジっスか!?いいんですか!?」
 愛原:「最初の朝だからな。それくらい、サービスしてくれるってよ」
 高橋:「ありがたいっスねー!」
 愛原:「まあな」

 もっとも、リサには駅弁を買ってやる必要がある。
 そうでないと、実家まで持つかどうか分からないし、何より実家の食料を食い尽くす恐れがある。

[同日06:04.天候:晴 JR東京駅・東日本新幹線ホーム→東北新幹線51B列車1号車内]

〔23番線に停車中の電車は、6時4分発、“やまびこ”51号、盛岡行きです。この電車は、上野、大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台、仙台から先の各駅に止まります。グランクラスは、10号車。グリーン車は、9号車。自由席は、1号車から6号車です。尚、全車両禁煙です。……〕

 私達は最後尾の1号車、自由席に乗り込んだ。
 10号車同様、車体の構造上、座席数が少ないのが特徴である。
 指定席で乗るならまだしも、本来、自由席で並んで座るには不利な車両と言える。
 だが、リサを連れている以上、BSAAとの取り決めには従わなくてはならない。
 リサは座席に座ると、早速駅弁を開いて空腹のガス抜きをしているし、高橋は喫煙所に向かった。
 私も東京駅という始発駅から乗ろうとしなければ、この車両に乗ろうとは思わなかっただろう。

 リサ:「先生、上のお菓子はー?」

 リサは荷棚の“ひよこ”を指さした。

 愛原:「あれは実家のお土産だ。食うなよ」
 リサ:「えー……残念」
 愛原:「確か東京駅に、『自分用』の奴も売ってたと思うから、それでも買って食べるといいよ」
 リサ:「じゃあ、ちょっと買って来る」
 愛原:「そんな時間無ェよ」

〔「お待たせ致しました。6時4分発、“やまびこ”51号、盛岡行き、まもなく発車致します。次は、上野に止まります」〕

 高橋:「戻りましたー」

 その時、高橋が喫煙所から戻って来た。

 愛原:「いつもギリギリだなー」
 高橋:「サーセン。吸い溜めしてました」

 ホームから発車ベルの音が響いて来た。
 東海道新幹線ホームと違い、電子電鈴と呼ばれるベルが流れる。

〔23番線から、“やまびこ”51号、盛岡行きが発車致します。次は、上野に止まります。黄色い線まで、お下がりください〕
〔「23番線、ドアが閉まります。ご注意ください」〕

 編成が短い(10両編成)からか、はたまた本数が少ないからか、東海道新幹線ホームよりは静かな東北新幹線ホームである。
 けたたましい客扱い終了ブザーが鳴ってから、車両のドアが閉まるのは、旧国鉄時代からの伝統だろうが、JR東日本側の新幹線ホームにはホームドア(可動式安全柵)が無い為、やっぱり静かなのである。
 そして、列車はダイヤ通りに東京駅を北に向かって走り出した。

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、東北新幹線“やまびこ”号、盛岡行きです。次は、上野に止まります。……〕

 愛原:「どれ、定時連絡と行くか」

 私はスマホを取り出して、善場主任に定時連絡のLINEを入れた。
 今日は平日だが、デイライトさんの仕事の依頼の件もあり、予定より1日前倒しで出発することにした。
 明日は祝日なので、その日に仕事をするよりは、前日に仕事をした方が良いと思ったのである。
 早朝だからか、すぐに返信は無かったが、これで私からの定時連絡は済んだということになる。

 愛原:「これで良し」

 私はスマホをしまうと、ホームのキオスクで買ったレギュラーコーヒーを飲んだ。
 車内販売で手に入らなくなった以上、ホームで買うしかない。

 高橋:「先生は寝ないんですか?」
 愛原:「この列車が仙台止まりだったらそうしてもいいんだが、引率者の俺が『寝過ごしました』なんてシャレにならないからな」
 高橋:「でも別に、寝過ごした場合は追加料金は取られないって聞きましたけど?」
 愛原:「そういうことじゃねーよ。一応、仕事でもあるんだから、にも関わらず、『寝過ごしました』は無ェだろって話だよ」
 高橋:「あっ、サーセン!」
 リサ:「お兄ちゃん、アウトー」
 高橋:「うっせ!」

 この2人のおかげで、色んな意味で楽しい旅になりそうだ。
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