[8月13日15:30.天候:晴 宮城県仙台市若林区木ノ下 ファミリーマート]
高橋は愛原家近所のコンビニで、紙の資料をコピーした。
案外枚数があったのだが、幸いにも先客も待ち客もいなかった。
そして、原本は送ることになるのだが、あいにくとレターパックはここでは売っていなかった。
また、土曜日なので、近所の郵便局も閉まっている。
リサ:「どうするの?」
愛原:「しょうがねぇから、宅急便で送るしかねーだろ。先生にもLINEしておく」
リサ:「そうかぁ……」
レターパックは売っていないものの、ヤマト運輸の宅急便の取り扱いはしている。
また、小さな梱包材(宅急便コンパクト)も販売していた。
高橋:「『というわけで、料金高いですけど、宅急便でもいいですか?』っと」
すぐに、愛原から既読が付いて返信が来る。
高橋:「『いいよ。領収証はもらっておいてくれ』か。さすが先生」
高橋はまず店内で、宅急便コンパクトの梱包材を購入した。
薄型の段ボール型の他、まるでレターパックのような梱包材もある。
で、後者の物で良かった。
それに資料を詰めて、最後にSDメモリーカードを入れる。
リサ:「このプチプチ、潰したいねぇ……」
高橋:「気持ちは分かるが、今はやるなよ」
緩衝材のあれ。
伝票に記入する高橋。
高橋:「ん?送り主の住所、事務所の住所でいいよな?」
リサ:「いいんじゃない?デイライトの事務所は?」
高橋:「姉ちゃんの名刺に書いてある」
高橋は善場の名刺を取り出した。
リサ:「ファミチキとファミコロください」
高橋が伝票に記入している間、リサがホットスナックを購入する。
高橋:「なにオメェ、さりげなく食い物買ってんだ?」
リサ:「3時のおやつだよ~。……あ、支払いはPasmoでお願いします」
リサ、イートインコーナーに行って、揚げ物をバリボリ食べる。
高橋:「これでよしっと。サーセン」
伝票を書き終わった高橋、レジに荷物を出した。
高橋:「……あ、はい。なるべく早く届くようにオナシャス」
高橋は料金を払うと、控えの伝票とレシートを受け取った。
この伝票は領収証代わりになる。
高橋:「レシートとセットで取っておきゃいいだろ。……おい、行くぞ」
リサ:「ふぁい……」
リサ、残ったファミチキとファミコロを一気食いした。
高橋:「一気食いしたら太るぞ?」
リサ:「この体を見て、そんなこと言える?」
高橋:「……悪い。ちんちくりんのままだったな」
リサ:「そこまで言っていいとは言ってない!」
高橋:「ンだよ、メンドくせぇ」
2人は兄妹のようなやり取りをしながら、コンビニを出た。
再び夏の暑い太陽が照り付ける。
高橋:「暑ぃ、暑ぃ。さっさとホテルに戻るぞ」
リサ:「夕飯はどうする?」
高橋:「あぁ?ネカフェのあるビルに、色々と食う所があっただろ?サイゼもペッパーランチもあったぞ」
リサ:「おー!」
テンションの上がるリサだった。
高橋:「オメーも『サイゼで喜ぶ彼女』かよ」
リサ:「肉があればOK!」
高橋:「あー、そーかよ」
2人の兄妹……もとい、愛原の事務所のバイト2人は地下鉄の駅に向かった。
[同日15:52.天候:晴 同区内 仙台市地下鉄薬師堂駅→東西線電車(列番不明)最後尾車内]
地下ホームで電車を待っていると……。
高橋:「おっと、いけねぇ!」
リサ:「なに?」
高橋:「先生に宅急便送ったっつーこと、報告してなかった。ヤベェヤベェ」
リサ:「もー……」
高橋がスマホを取り出し、LINEを送っていると……。
〔1番線、2番線に、電車が到着します〕
電車の接近放送が響いた。
リサ:「お兄ちゃん、電車来るよ?」
高橋:「分かってるって」
そして、4両編成の電車がやってくる。
ワンマン運転なので、後部乗務員室を見ても、そこから顔を出す車掌の姿は無い。
ホームドアと電車のドアが開き、2人は電車に乗り込んだ。
青いシートに腰かける。
〔1番線、2番線の電車が発車します〕
短い発車サイン音が鳴り響くと、電車のドアとホームドアが閉まる。
それから電車は発車した。
〔次は連坊、連坊。仙台一高前です〕
高橋:「あー、そうか」
リサ:「ん?」
高橋:「いや、姉ちゃんが急いでるだろうから、『なるべく早く』って言ったんだけど、姉ちゃんとこの事務所もお盆休みだから、そんなに急がなくてもいいんだったな」
リサ:「あー……」
[同日16:15.天候:晴 仙台市宮城野区榴岡 東横イン仙台駅東口2号館]
地下鉄で仙台駅まで行った2人は、そこから歩いて宿泊先のホテルに向かった。
ロビーで夕刊が無料で配られていたので、リサはそれを手に取った。
地元の新聞社の夕刊だった。
高橋:「何だ?オマエも新聞読むのか?」
リサ:「もちろん普段は読まないけど、これが気になって……」
リサは一面記事で掲載されている、日本アンブレラの秘密施設についての記事を指さした。
高橋:「なるほどな。そういえば今朝の朝刊でも、トップだったな」
リサ:「あー、それ見てなかった」
高橋:「ネットニュースとかではあっただろ?」
リサ:「うん。それは見た」
昼間までいたネットカフェ。
リサはマンガを読み漁ったが、ネットサーフィンもした。
リサ:「一応、これもらっておく。続報が書いてるはずだから」
高橋:「まあ、勝手にしな」
リサ:「で、ついでにジュースも買っておく」
高橋:「全く……」
リサ:「ホテルの自販機の割には安いからね」
高橋:「……なるほどな」
リサはロビーの自販機で飲み物を購入してから、エレベーターに乗り込んだ。
そして、宿泊しているフロアで降りる。
高橋:「いいか?18時になったら、夕飯食いに行くからな?それまで出歩くんじゃねーぞ?」
リサ:「分かってるよ」
リサは頷いて、自分の部屋に入った。
室内は清掃されていて、ベッドメイクがきれいにされている。
また、バスルームに入ると、タオルやアメニティが交換されていた。
リサ:「むふー!」
リサは飲み物を冷蔵庫の中に入れると、バスルームに入って、そこのトイレで用を足した。
それから、ベッドに寝転がると、スマホでWi-Fiに接続した。
リサのスマホのプランだとギガ数が少なく、あまりパケット通信ができない。
そこで、こういうWi-Fiに接続できる所は有り難かった。
そして、ロビーでもらった夕刊を広げた。
カプセルの中に入っていた少女達がどこの誰だったのか、気になったからである。
まだ身元は判明していないが、何十年も昔に行方不明となった少女とかもその中にいる可能性が高いと記事に書かれていた。
リサ:「わたしは……どうなんだろう?」
今のところ、リサの存在に関しては公式には秘密である。
リサに与えられている戸籍は、仮の戸籍に過ぎない。
リサ:「……ん?サイ……違う。エレンからのLINE」
リサは深く考えるのはやめて、このタイミングでLINEしてきた我那覇絵恋とのやり取りをすることにした。
※冒頭の日付に誤りがありましたので、修正しました。失礼しました。
高橋は愛原家近所のコンビニで、紙の資料をコピーした。
案外枚数があったのだが、幸いにも先客も待ち客もいなかった。
そして、原本は送ることになるのだが、あいにくとレターパックはここでは売っていなかった。
また、土曜日なので、近所の郵便局も閉まっている。
リサ:「どうするの?」
愛原:「しょうがねぇから、宅急便で送るしかねーだろ。先生にもLINEしておく」
リサ:「そうかぁ……」
レターパックは売っていないものの、ヤマト運輸の宅急便の取り扱いはしている。
また、小さな梱包材(宅急便コンパクト)も販売していた。
高橋:「『というわけで、料金高いですけど、宅急便でもいいですか?』っと」
すぐに、愛原から既読が付いて返信が来る。
高橋:「『いいよ。領収証はもらっておいてくれ』か。さすが先生」
高橋はまず店内で、宅急便コンパクトの梱包材を購入した。
薄型の段ボール型の他、まるでレターパックのような梱包材もある。
で、後者の物で良かった。
それに資料を詰めて、最後にSDメモリーカードを入れる。
リサ:「このプチプチ、潰したいねぇ……」
高橋:「気持ちは分かるが、今はやるなよ」
緩衝材のあれ。
伝票に記入する高橋。
高橋:「ん?送り主の住所、事務所の住所でいいよな?」
リサ:「いいんじゃない?デイライトの事務所は?」
高橋:「姉ちゃんの名刺に書いてある」
高橋は善場の名刺を取り出した。
リサ:「ファミチキとファミコロください」
高橋が伝票に記入している間、リサがホットスナックを購入する。
高橋:「なにオメェ、さりげなく食い物買ってんだ?」
リサ:「3時のおやつだよ~。……あ、支払いはPasmoでお願いします」
リサ、イートインコーナーに行って、揚げ物をバリボリ食べる。
高橋:「これでよしっと。サーセン」
伝票を書き終わった高橋、レジに荷物を出した。
高橋:「……あ、はい。なるべく早く届くようにオナシャス」
高橋は料金を払うと、控えの伝票とレシートを受け取った。
この伝票は領収証代わりになる。
高橋:「レシートとセットで取っておきゃいいだろ。……おい、行くぞ」
リサ:「ふぁい……」
リサ、残ったファミチキとファミコロを一気食いした。
高橋:「一気食いしたら太るぞ?」
リサ:「この体を見て、そんなこと言える?」
高橋:「……悪い。ちんちくりんのままだったな」
リサ:「そこまで言っていいとは言ってない!」
高橋:「ンだよ、メンドくせぇ」
2人は兄妹のようなやり取りをしながら、コンビニを出た。
再び夏の暑い太陽が照り付ける。
高橋:「暑ぃ、暑ぃ。さっさとホテルに戻るぞ」
リサ:「夕飯はどうする?」
高橋:「あぁ?ネカフェのあるビルに、色々と食う所があっただろ?サイゼもペッパーランチもあったぞ」
リサ:「おー!」
テンションの上がるリサだった。
高橋:「オメーも『サイゼで喜ぶ彼女』かよ」
リサ:「肉があればOK!」
高橋:「あー、そーかよ」
2人の兄妹……もとい、愛原の事務所のバイト2人は地下鉄の駅に向かった。
[同日15:52.天候:晴 同区内 仙台市地下鉄薬師堂駅→東西線電車(列番不明)最後尾車内]
地下ホームで電車を待っていると……。
高橋:「おっと、いけねぇ!」
リサ:「なに?」
高橋:「先生に宅急便送ったっつーこと、報告してなかった。ヤベェヤベェ」
リサ:「もー……」
高橋がスマホを取り出し、LINEを送っていると……。
〔1番線、2番線に、電車が到着します〕
電車の接近放送が響いた。
リサ:「お兄ちゃん、電車来るよ?」
高橋:「分かってるって」
そして、4両編成の電車がやってくる。
ワンマン運転なので、後部乗務員室を見ても、そこから顔を出す車掌の姿は無い。
ホームドアと電車のドアが開き、2人は電車に乗り込んだ。
青いシートに腰かける。
〔1番線、2番線の電車が発車します〕
短い発車サイン音が鳴り響くと、電車のドアとホームドアが閉まる。
それから電車は発車した。
〔次は連坊、連坊。仙台一高前です〕
高橋:「あー、そうか」
リサ:「ん?」
高橋:「いや、姉ちゃんが急いでるだろうから、『なるべく早く』って言ったんだけど、姉ちゃんとこの事務所もお盆休みだから、そんなに急がなくてもいいんだったな」
リサ:「あー……」
[同日16:15.天候:晴 仙台市宮城野区榴岡 東横イン仙台駅東口2号館]
地下鉄で仙台駅まで行った2人は、そこから歩いて宿泊先のホテルに向かった。
ロビーで夕刊が無料で配られていたので、リサはそれを手に取った。
地元の新聞社の夕刊だった。
高橋:「何だ?オマエも新聞読むのか?」
リサ:「もちろん普段は読まないけど、これが気になって……」
リサは一面記事で掲載されている、日本アンブレラの秘密施設についての記事を指さした。
高橋:「なるほどな。そういえば今朝の朝刊でも、トップだったな」
リサ:「あー、それ見てなかった」
高橋:「ネットニュースとかではあっただろ?」
リサ:「うん。それは見た」
昼間までいたネットカフェ。
リサはマンガを読み漁ったが、ネットサーフィンもした。
リサ:「一応、これもらっておく。続報が書いてるはずだから」
高橋:「まあ、勝手にしな」
リサ:「で、ついでにジュースも買っておく」
高橋:「全く……」
リサ:「ホテルの自販機の割には安いからね」
高橋:「……なるほどな」
リサはロビーの自販機で飲み物を購入してから、エレベーターに乗り込んだ。
そして、宿泊しているフロアで降りる。
高橋:「いいか?18時になったら、夕飯食いに行くからな?それまで出歩くんじゃねーぞ?」
リサ:「分かってるよ」
リサは頷いて、自分の部屋に入った。
室内は清掃されていて、ベッドメイクがきれいにされている。
また、バスルームに入ると、タオルやアメニティが交換されていた。
リサ:「むふー!」
リサは飲み物を冷蔵庫の中に入れると、バスルームに入って、そこのトイレで用を足した。
それから、ベッドに寝転がると、スマホでWi-Fiに接続した。
リサのスマホのプランだとギガ数が少なく、あまりパケット通信ができない。
そこで、こういうWi-Fiに接続できる所は有り難かった。
そして、ロビーでもらった夕刊を広げた。
カプセルの中に入っていた少女達がどこの誰だったのか、気になったからである。
まだ身元は判明していないが、何十年も昔に行方不明となった少女とかもその中にいる可能性が高いと記事に書かれていた。
リサ:「わたしは……どうなんだろう?」
今のところ、リサの存在に関しては公式には秘密である。
リサに与えられている戸籍は、仮の戸籍に過ぎない。
リサ:「……ん?サイ……違う。エレンからのLINE」
リサは深く考えるのはやめて、このタイミングでLINEしてきた我那覇絵恋とのやり取りをすることにした。
※冒頭の日付に誤りがありましたので、修正しました。失礼しました。