報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサの休日」

2024-09-23 21:12:26 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月12日12時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 マクドナルド菊川駅前店]

 リサは近所のマクドナルドで、ビッグマックのLセットを購入した。
 イートインではなく、テイクアウトである。
 ここの店舗は客席が狭い為、食事時はすぐ満席になってしまう。
 その為、リサはいつもテイクアウトにして、事務所で食べていた。
 尚、リサに単独行動させて良いのかという指摘については、結局のところ、単独行動が認められている通学経路と同上にある為、黙認されている。
 店舗名の通り、通学に利用する菊川駅がすぐ近くにある為。

 店員「お待たせしました!211番でお待ちのお客様ー!」
 リサ「はーい!」
 店員「ビッグマックのLサイズになりまーす!お会計が……」
 リサ「Pasmoでお願いします」

 リサは通学定期券にも使用しているPasmoを取り出した。
 今や学校内の食堂、自販機、購買も電子マネーで済ませる時代となっている。
 校則でも、基本的に現金を持ってきてはならないことになっている。
 但し、やむを得ぬ事情で現金を持って来る場合、小銭入れに小銭を入れて持って来るまでは申告ナシでOK。
 むしろ、誘拐被害に遭った少女が、何とか監禁から逃れ、公衆電話で助けを求めたという事案が都内であった為、公衆電話が利用できるよう、むしろ100円玉を持たせることにしてはどうかという話になっている。

 店員「はい、お願いします」

 リサはPasmoで料金を支払った。
 沖縄でチャージしてもらったのだが、お土産などを購入したり、現地で食事をしたりしたせいか、残額がやや少なくなってきている。

 リサ「まあ、また足してもらおう」

 リサはそう言って、青になった横断を渡り、事務所へと戻った。

[同日12時30分 天候:晴 同地区内 愛原学探偵事務所2階]

 リサは3階のダイニングではなく、2階の探偵事務所でマックを食べた。
 食べるのは事務スペースではなく、給湯室に置いたテーブルの方。

 パール「別にここじゃなく、3階とかで食べててもいいんですよ」
 リサ「先生達がいない間、留守番をするのもいいかなと思って」
 パール「留守番は専ら私がしますから」
 リサ「忙しい時は手伝うよ?」
 パール「……今はせいぜい、事故物件の関係の電話しか掛かってこないですねぇ……」
 リサ「そっちかぁ……」

 リサが昼食を食べて片付けていると、LINEの着信があった。
 それは、太平山美樹からだった。
 美樹達、秋北学院の生徒達は今日、秋田に帰るのだった。
 美樹達は昼にはもう飛行機に乗らなくてはならないらしく、空港内で撮影したと思われる空弁の写真を送信してきた。
 リサが買った物と同じだが、リサがそれを送信したことで美樹も食べたくなり、那覇空港で購入したという。

 太平山美樹「同じ鬼だから、肉好きなのは分かるっちゃよ。リサが勧めてくれた空弁、今から楽しみだっちゃね!」

 とのこと。

 リサ「それは良かった。それは美味かったよ。ただ、辛味が足りなかったけどね」
 美樹「これは旅の道具なんだから、そんな細かいこと言っちゃダメだべよ」

 とのこと。
 リサよりもサバサバしている感じはある。

 リサ「私のお昼は、マックだよ。今日、学校休みになったから」
 美樹「おー!テレビで観たべよ!東京中央学園、立派だべね!」
 リサ「う、うん。ところで……大学はどうするの?」
 美樹「今から帰って、曽祖父ちゃん達に相談するっちゃ。リサみたいな面白いコと知り合えたから、リサと同じ大学さ行きたいって頼んでみるっちゃ!」
 リサ「え、わたしと?」
 美樹「うん!リサは頭良さそうだから、いい大学さ行くだろうけど、私も頑張って勉強すっから!」
 リサ「と、東京中央学園大学だけど……いい?」
 美樹「おおー!付属の大学に行くんだか?!今から住む所、考えなくっちゃね!」
 リサ「いや、わたしと違ってミキの場合、一般入試受けに来ないとだよ……?」
 美樹「そうだっちゃったね!」
 リサ「それと、せっかくだから聞きたいことがある」
 美樹「何だべ?」
 リサ「あんた……人間を食ったことある?」
 美樹「……話せば長くなるよ?」
 リサ「すぐに否定しないのかよ!」
 美樹「……おっと!移動の時間だべ!話はまた後で!」
 リサ「くっ……」

 しかし、リサの方も……。

 リサ「ん?……あっ、先生からだ!」

 今度は愛原からLINEが来た。
 確認してみると、どうやら明日は、通常通り、授業が行われることになったという。
 元々土曜日だから、昼までの授業であるが、もちろん、まだケガが治っていなかったり、精神的ダメージが癒えていない生徒は無理しなくて良いという条件付きである。
 また、明日もスクールカウンセラーを増員して対応するので、希望者はそちらを優先して構わないとのこと。
 しかし、愛原が送信してきた内容は、それだけではなかった。

 愛原「高橋がダウンした。いつもなら電車で帰るところだが、今日はタクシーで帰る。一応、浜町のクリニックに立ち寄ってから帰る」

 とのことだった。

 リサ「ダウンしたってどういうこと?」
 高橋「急に熱が出て倒れた。特異菌関係ではないと思うが、一応、クリニックに寄って診てもらうことにするよ。昨夜も、疲れた感じを出していたからなぁ……」
 リサ「そう、なんだ。先生は大丈夫なの?」
 愛原「俺は今のところ大丈夫だな。とにかく、パールにもそう伝えておいてくれ。それじゃ」

 リサはパールにすぐに伝えた。
 特異菌関係については、既に愛原も高橋も治療薬を投与されているから、今更再感染はしないはずだ。
 だから、もっと別の病気かもしれない。

 パール「そうですか……。特異菌とかではないとすると、コロナとかかもしれませんね」
 リサ「コロナかぁ……」

 もちろん新型コロナとて、リサのGウィルスの前では、餌同然である。

 リサ「パールさんは大丈夫なの?」
 パール「ええ。私は今のところ大丈夫です。ちょっとドラッグストアに行って、検査キットでも買って来ましょうか」
 リサ「あー……そうだねぇ……」
 パール「ちょっと買って来ますので、留守番お願いして宜しいですか?」
 リサ「あー、もう全然オッケー!」
 パール「電話とか掛かってきましたら、宜しくお願いします」
 リサ「はいはーい!」

 リサは大きく頷くと、空いている机に座った。
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“愛原リサの日常” 「寝坊のリサ」

2024-09-23 12:13:24 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月12日11時32分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階・リサの部屋]

 リサ「うーん……はっ!」

 リサは変な夢を見て、目が覚めた。
 それはもう、色々な夢。
 山奥の洞窟で男の鬼達にマワされたり、化け物になった我那覇絵恋と戦う夢だったりと、色々……。

 リサ「はー……寝過ぎた……。寝過ぎた!?」

 リサは枕元のスマホを見た。
 時計が11時半を過ぎている。

 リサ「ち、遅刻!?……って、今日は臨時休校だった……。危ねー!」

 体操服にブルマという姿で寝ていたリサは、ようやくそこから起き上がった。

 リサ「寝過ぎたから、頭が……」

 しかも変な夢を見たからか、人間形態から鬼形態へと変化している。
 どうしても、鬼の男達には力づくで負けてしまう。
 電撃や火炎攻撃を使えばいいのだが、何故か夢の中では使えない。

 リサ「うーん……」

 部屋から出て、4階の洗面所やトイレに行く。

 リサ「お腹空いた……」

 顔を洗ったり、歯を磨いたり、トイレに行ったりしているうちに、空腹を覚える。
 3階に下りると、誰もいなかった。
 しかし、テーブルにはパールが書いたメモ書きが置かれており、『朝食は冷蔵庫の中です』とあった。
 書いてある通りに冷蔵庫を開けると、中にはおにぎりと玉子焼きが入っていた。
 これを取り出して、電子レンジで温める。

 
(電子レンジの前で待機するリサ。画像は「こんいろ保存会」様より拝借。https://bsky.app/profile/konirohozonkai.bsky.social)

 ピッ♪ピッ♪ピッ♪ピッ♪

 リサ「温まった」

 あとは冷蔵庫からお茶を出したり、リビングのテレビを点けてそれを観る。
 金曜日のこの時間ということもあって、民放では情報番組をやっていた。
 当然ながら今、沖縄の事件のことについて取り上げられている。

〔「……東京中央学園上野高校に来ています。本来ですと、今日は午前中だけ授業が行われる予定でしたが、臨時休校となっています。また、こちらの体育館では、緊急保護者会が行われており、事件の経緯についての説明や被害報告、生徒のケアなど、今後のことについて話し合いが行われていると思われます。以上、東京中央学園上野高校前からお伝えしました」〕

 リサ「マジか。学校にマスコミ来てるんだ……」

 リサは正直、修学旅行に行ってない1年生と2年生は別に良いのではないかと思ったが、スマホで『魔王軍』のグループLINEを見る限り、1年生や2年生のメンバーの中には3年生の兄姉がいる者もいるようだ。
 それは『魔王軍』に限らないだろう。
 そういった家族にも影響が出ていると考え、今日は休校にしたそうだ。
 チャンネルを変えると、今度は沖縄の方を映していた。

〔「……現在、那覇中央ホテル周辺は全面立ち入り禁止となっております。御覧頂けますでしょうか?ホテルの外壁に、黒いカビのような物が付着しています。あれが特異菌とのことです。現在、BSAAが滅菌作業に当たっています。……」〕

 リサ「特異菌はマジヤバいかならなぁ……」

 尚、東京中央学園生はリサ以外、既に特異菌の治療薬を投与している為、これといった症状は今のところ出ていない。

〔「ここで速報が入って来ました。沖縄県那覇市○○の住宅で、身元不明の遺体が見つかりました。尚、こちらは那覇中央ホテルで事件を起こした少女の自宅の可能性があり、また、その遺体は特異菌にまみれているという情報が入っております。現在、こちもまた現場周辺が封鎖されるもようです。詳しいことは、入り次第、お伝え致します。……」〕

 リサ「え……?」

 リサはまたチャンネルを変えた。

〔「……それでは、これはバイオテロということで宜しいのでしょうか?」「はい、私共はそのように考えております」〕

 リサ「善場さん!?」

 沖縄の事件現場周辺で、マスコミのインタビューを受ける善場の姿があった。

〔「誰かが故意にこの事件を起こしたと、お考えということでしょうか?」「はい、そういうことです。この事件を起こしたBOWは、地元に住む1人の女子高生でした。彼女が何者かに特異菌を投与され、BOWと化し、この事件を起こしたと我々は考えております」「その犯人に心当たりはありますか?」「目星はありますが、今現在は具体的にお答えはできません」〕

 リサ「犯人は……斉藤早苗……!!」

 リサはおにぎりを一気食いした。

 リサ「うーん……足りない。ていうか、もうすぐお昼じゃん!」

 リサは『朝食』を片付けると、食器は自分で洗った。
 それから、2階の事務所に内線電話を掛ける。
 キッチンの所に壁掛け電話があるのだが、そこに各階のボタンがあって、それを押すとブザーが鳴る仕組み。
 そのブザーの音が、電車の車掌が運転士に鳴らす発車合図のブザーに似ていると愛原が言っていた。

 パール「はい、2階事務所です」
 リサ「あ……パールさん。リサです。もう起きて、朝食食べました」
 パール「そうですか。食器は流しにでも入れといてください」
 リサ「はい。もう洗っておきました」」
 パール「あ、そうですか」
 リサ「あのー……先生は?」
 パール「愛原先生はマサと一緒に、学校に行ってますよ」
 リサ「そうですよね。うーん……」
 パール「どうしました?」
 リサ「お昼はどうするんですか?」
 パール「お昼?私は自分でお弁当作りましたけど?」
 リサ「私の分は……?」
 パール「まさか、この時間に起きるとは思わなかったので……」
 リサ「……だよね。ちょっと……自分で買ってきます」
 パール「かしこまりました」

 リサは電話を切ると、4階に向かった。
 そして自分の部屋に入ると、体操服とブルマから私服のTシャツとショートパンツに着替えたのだった。

 リサ「マックでも買いに行こう」
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