報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「1月15日の昼」

2023-09-17 13:05:09 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月15日09時00分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階]

 今日は久しぶりの休みだ。
 夕食会は夕方からだし、昼間はのんびりしよう……。
 そう思っていたのだが……。

 リサ「先生、おはよう!朝だよ!」

 体操服にブルマ姿のリサが鍵をこじ開けて入って来た。
 さすがに、前のマンションみたいに鍵を3つも付けているわけじゃないからなぁ……。

 愛原「あと5分……」
 リサ「ダーメ!早く、朝ごはんにしようよ!お腹空いたよ!」

 ベッドに丸まる私の上に、リサが跨って来た。

 リサ「んもう……」

 リサは私の耳元で、そっと囁く……。

 リサ「ダーリン……
 愛原「へへ……」
 リサ「早く起きてーっ!!」
 愛原「だっはぁーっ!!」

 こうして私は、リサに無理やり起こされた。

 リサ「わーい!おっはよー!」

 リサは私に抱き着いた。

 愛原「分かったら、朝から抱き着くな!」
 リサ「2度寝したら、電撃だよ?」
 愛原「分かった分かった。とにかく、部屋から出てくれ」
 リサ「はーい」

 私は起き上がると、大きく伸びをして、ベッドから出た。
 さすがに電撃はカンベンである。

[同日09時30分 天候:曇 愛原家3階ダイニング]

 洗面所で顔を洗ってからエレベーターで3階に下りると、カレーの匂いがした。

 愛原「昨日のカレーの残りか……」
 高橋「あっ、先生。おはようございます」
 愛原「おーう」
 リサ「一晩寝かせたカレーは、更に美味しいんだよ!」
 愛原「都市伝説かと思ってたよ」

 尚、夏場は保存方法に注意。
 カレーの中に潜んでいる菌が繁殖して、食中毒の元になる。
 さすがにパールはそのことを知っていたか、冬場の今であったとしても、タッパに移したカレーを冷凍庫に入れて保管していたが。
 この菌、加熱しても死ぬことはないというのが厄介なところだ。
 その代わり、低温には弱い為、冬場のクソ寒い台所に置いていてもいいのだが、1番良いのは小分けにして冷凍庫に保管することである。
 それでも死滅しないのだが、代わりに繁殖もしない。

 パール「どうぞ、先生」
 愛原「ありがとう」

 パールは電子レンジで冷凍していたカレーを解凍し、さらに温めた。
 リサは鬼形態ながら、カレーをパクパク食べていた。

 愛原「何か、外が暗いな……」
 高橋「今日1日曇りで、夜から雪らしいっス」
 愛原「マジか。ついに、東京でも雪か」

 地球温暖化のおかげで、最近の東京都は雪が積もらないのだが。

 高橋「そうです」
 愛原「通りで今日は、いつもより寒いと思った」
 パール「霙かもしれないって話ですけどね」
 愛原「だが、気象庁的には霙でも雪扱いだからな。積もらないといいが……」
 高橋「やっぱそう思います?」
 愛原「どういうことだ?そりゃ、東京まで来て雪かきなんかしたくないよ」
 高橋「あ、いや、そうじゃなく……」
 愛原「ん?」
 高橋「道路は渋滞、電車も止まります」
 愛原「それな」

 まあ、地下鉄はギリ大丈夫だろうが。
 全区間地下の都営大江戸線は、余裕余裕。
 浦和美園駅だけ地上の埼玉高速鉄道や、線区内だけなら全区間地下の東京メトロ南北線も大丈夫だろう。
 都営新宿線はどうかというと、大島辺りの地上部分はどんな影響があるのか気になる。
 少なくとも、地下区間の続く京王新線までは乗り淹れるだろう。

 パール「ややもすると、雪の降り始める時間が早まるかもしれないって言ってましたよ」
 愛原「そうか。都営新宿線は、積もっても大丈夫だと思うがな……。レイチェルの日比谷線も何とかといったところか?」

 中目黒駅と南千住、北千住駅は地上だ。
 この辺、ネックか?
 因みに今、日比谷線は東急東横線との相互乗り入れはしていない。

 愛原「まあ、大丈夫か。地下鉄なら何とか……」
 高橋「そうですね」
 リサ「何時ごろ行くの?」
 愛原「予約は18時にした。17時35分発の電車で行くぞ」
 リサ「分かったー」
 愛原「昼間は出掛けたりするのか?」
 リサ「今日は特に予定は無いねー」
 愛原「そうか」
 リサ「実力テストが近いから……」
 愛原「そうなのか」
 リサ「なんで、今日は宿題と勉強やってる」
 愛原「おー、頑張れー」

 なかなかリサも、勉強熱心のようだ。

[同日13時00分 天候:曇 愛原家3階ダイニング]

 パール「お昼は軽めにサンドイッチです」
 愛原「これはいいな。夜は焼き鳥食べ放題だし」
 パール「そういうことです」
 愛原「リサは……上にいるのか。ちょっと呼んで来るか」

 私はスマホを取り出した。
 それで、リサのスマホに音声通話する。
 ……なかなか出ない。

 リサ「も、もしもし!?」
 愛原「おー、リサか。お昼だから、早く下に下りてこい」
 リサ「わっ、分かった!……も、もう少ししたら……い、イクから……!」
 愛原「……そうしてくれよ?」

 私は電話を切った。

 高橋「何ですって?」
 愛原「……もうしばらく、時間が掛かるかもしれんな。まあ、いい。ちゃんと伝えたから」
 高橋「はあ……」

 10代鬼娘の性欲は、留まることを知らない。
 案の定、リサは30分くらい経ってから下りて来たのだった。
 その頃、私は既に食後のコーヒー。

 リサ「ふう……」
 愛原「……少し『女の匂い』が強いぞ?出掛ける前に、シャワーでも浴びた方がいいかもな?」
 リサ「わ、分かってるよ。せ、先生が相手してくれないのが悪いんだよ?」
 愛原「人のせいにするなよ」
 パール「はい。リサさんのは、厚切りハムカツサンド」
 リサ「ありがとう!」
 パール「さすがに、出掛ける時はその恰好じゃないですよね?」
 愛原「さすがに体操服のままではないだろう。私服に着替えさせるさ。なあ?」
 リサ「先生の命令は絶対」

 リサはハムカツサンドを頬張りながら、大きく頷いた。
 尚、パールはここではメイド服を着ることはない。

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