[6月16日11時30分 天候:晴 東京都港区新橋 NPO法人デイライト東京事務所・地下→JR新橋駅→喫茶室ルノアール]
善場係長はまだ固定電話でどこへ電話した。
それが終わると……。
善場「それでは、参りましょう」
愛原「あ、はい」
私達は善場係長について、地下通路の奥へと進んだ。
奥の方は照明が少なく、とても薄暗い所がある。
しかし、時折聞こえてくる電車の音が段々と大きくなった。
愛原「これは地下鉄?」
善場「いえ、横須賀線です」
地下鉄に限らず、この辺りはJR横須賀線も地下トンネルを走行している。
途中には鉄扉が何枚があったが、そのうち係長は、『J』と書かれたドア開けた。
その先には通路が続いていたが、先ほどの通路よりも明るい。
愛原「ここは……?」
すると、天井のスピーカーから……。
〔ピーン♪ポーン♪パーン♪ポーン♪ いつもJR東日本、新橋駅をご利用くださいまして、ありがとうございます。JR東日本より、お知らせ致します。……〕
愛原「ここはもしかして、JRの職員用通路!?」
善場「そんな所です。その壁の向こうはホームですよ」
愛原「こんな所に隠し通路があったなんて……」
善場「もちろん、他言無用ですよ」
愛原「も、もちろんです!お前達も分かってるな!?」
リサ「え?」(←タイムライン送信直前)
パール「え?」(←インスタ投稿直前)
愛原「コラ、お前ら!」
善場「いけませんねぇ……」
愛原「す、すいません!よく言って聞かせますんで!」
パール「善場係長。もしかして、首都高速に出られる扉なんてのもあったりしますか?」
善場「ご想像にお任せします」
パール「かしこまりました」
通路の先へ行くともう1つ鉄扉があり、それを開けると改札外コンコースに出た。
ドアの外側には、『関係者以外立入禁止』の表示がしてあった。
一瞬だが、日常に戻ったような気がする。
愛原「ここから電車で移動するのですか?」
善場「いいえ。すぐそこです」
駅の外に出る。
リサ「うわっ!BSAAのヘリコプターだ!」
またもや、デイライトの事務所のビルがある辺り上空にホバリングし、そこからBSAAの隊員がロープを使って降下しているのが見えた。
愛原「他の職員さん達は大丈夫なのですか?」
善場「大丈夫です。BSAAも抵抗さえしなければ、普通に拘束するだけですし、今、政府も動くところです。政治的圧力により、まもなくBSAAは動きを止めることになるでしょう。それまでの間、我々は打ち合わせを進めましょう」
そして移動したのは、駅前の喫茶店。
貸会議室も併設された店舗で、係長は首尾よくその部屋を押さえていた。
それとも、これも政治の力なのだろうか?」
善場「まもなくお昼ですし、昼食を取りながらでもお話ししましょう」
リサ「やったー!」
愛原「そんな、いいんですか?」
善場「構いませんよ。所長とは報酬の話もしたいですし」
愛原「宜しくお願い致します!」
貸会議室に入ると、まず係長は窓のブラインドを下ろした。
それで、外から見えないようにしたわけである。
善場「先に注文しちゃいましょう」
フードメニューは主にサンドイッチが多い。
リサは1番肉の多そうなチキン系を希望し、パールはトーストと玉子、私と善場係長はミックスサンドイッチを希望した。
ドリンクはリサ以外、コーヒー。
リサだけオレンジジュース。
何だか、サンドイッチも久しぶりだ。
パール「その前に、一服行ってきて宜しいですか?」
愛原「いいよ。私も、ちょっとお手洗いに行ってきます」
善場「どうぞどうぞ」
なのでミーティング開始は、注文した物が来てからということになった。
[同日12時30分 天候:晴 喫茶室ルノアール新橋汐留口駅前店・貸会議室]
あれから1時間ほど経ったが、BSAAがこちらに気づいて乗り込んでくる様子は無い。
善場係長の話を聞けば聞くほど、真偽不明の情報が多々出ていたことが分かった。
まず、私達が探索した斉藤家の隠し別荘は、静岡県だけではないということだ。
善場係長は熱海の隠し別荘に行ったし、別の探偵業者は千葉県南房総の隠し別荘に行ったそうだ。
しかし、そこは罠が仕掛けられており、探索者に死傷者が出たという。
BSAAはBSAAで、独自に何がしかの施設を探索しており、そこで偽情報を掴んで踊らされているのだろうとのことだった。
それがどういった内容なのか確認したくても、『悪魔に魂を売った組織に見せる情報は無い!』の一点張りだそう。
埒が明かないので、公安調査庁や上部組織の法務省にも動いてもらって、対策をしているところとのこと。
愛原「本当にBSAAは大丈夫なんですか?」
善場「大丈夫ですよ」
リサ「“青いアンブレラ”の方がマシだなんて?」
善場「そんなことはありません!」
愛原「リサ」
リサ「はぁーい……」
善場「それより、今度は愛原所長方の動きについて教えて頂けないでしょうか?」
愛原「はい」
私は報告書を善場係長のノートPCに送信していた。
それを見ながら話を進めた。
やはり係長の関心事は、埼玉の斉藤家での探索だった。
愛原「リサ、例のカードを」
リサ「はい」
リサは『アンブレラのプラチナカード』を取り出した。
愛原「斉藤家の書斎にて、それまでのゴールドカードがアップデートされたものです。映像の斉藤元社長曰く、『今後はゴールドカードでは開かない扉が出てくる』とのこと」
リサ「ゴールドカードは金庫に食べられちゃった」
善場「……かしこまりました。それでは、このカードは一時お預かりします。中に、どんなデータが入っているか解析したいので」
愛原「分かりました」
ゴールドカードの時もそうだ。
本物のカードはリサに返されたので、恐らくゴールドカードは複製に成功したのだろう。
リサ「ゴールドカードとは色違いだよ」
善場「そうですね。白金に輝いています」
愛原「すると、どこかにブラックカードがあるのかもしれませんね?アメックスみたいに」
善場「そうかもしれません。確かに、アメリカン・エキスプレスをイメージしたものなのでしょうね。実際、アメリカのアンブレラ本体では、このカードキーにクレジットの機能を併せた物もあったそうですから」
愛原「へえ……」
ただ、アメックスのプラチナカードがメタル製なのに対し、リサが手に入れたのは、そのままプラスチックのカードであった。
また、表記を見るに、クレカの機能は無さそうだった。
それから、斉藤元社長の映像についての話になった。
斉藤社長はどこかの部屋のソファに座って話をしていたのだが、違和感があった。
愛原「窓には光が差し込んでいたんですが、光が揺れていたんですよ」
善場「それはどういうことですか?」
愛原「微かに、列車が通過する音がしたんです。それに合わせて、窓から入って来る光が動いたので、斉藤社長は鉄道の線路の近くの部屋で撮影したのかもしれません」
そして、撮影を終えた後ですぐに移動したのだろう。
残念ながら、映像を録画していたわけではないので、全て記憶に頼っている状態だ。
それから今回の件での報酬や、交通費や宿泊費などの掛かった費用などの精算法、それから今後の事について話を進めた。
善場係長はまだ固定電話でどこへ電話した。
それが終わると……。
善場「それでは、参りましょう」
愛原「あ、はい」
私達は善場係長について、地下通路の奥へと進んだ。
奥の方は照明が少なく、とても薄暗い所がある。
しかし、時折聞こえてくる電車の音が段々と大きくなった。
愛原「これは地下鉄?」
善場「いえ、横須賀線です」
地下鉄に限らず、この辺りはJR横須賀線も地下トンネルを走行している。
途中には鉄扉が何枚があったが、そのうち係長は、『J』と書かれたドア開けた。
その先には通路が続いていたが、先ほどの通路よりも明るい。
愛原「ここは……?」
すると、天井のスピーカーから……。
〔ピーン♪ポーン♪パーン♪ポーン♪ いつもJR東日本、新橋駅をご利用くださいまして、ありがとうございます。JR東日本より、お知らせ致します。……〕
愛原「ここはもしかして、JRの職員用通路!?」
善場「そんな所です。その壁の向こうはホームですよ」
愛原「こんな所に隠し通路があったなんて……」
善場「もちろん、他言無用ですよ」
愛原「も、もちろんです!お前達も分かってるな!?」
リサ「え?」(←タイムライン送信直前)
パール「え?」(←インスタ投稿直前)
愛原「コラ、お前ら!」
善場「いけませんねぇ……」
愛原「す、すいません!よく言って聞かせますんで!」
パール「善場係長。もしかして、首都高速に出られる扉なんてのもあったりしますか?」
善場「ご想像にお任せします」
パール「かしこまりました」
通路の先へ行くともう1つ鉄扉があり、それを開けると改札外コンコースに出た。
ドアの外側には、『関係者以外立入禁止』の表示がしてあった。
一瞬だが、日常に戻ったような気がする。
愛原「ここから電車で移動するのですか?」
善場「いいえ。すぐそこです」
駅の外に出る。
リサ「うわっ!BSAAのヘリコプターだ!」
またもや、デイライトの事務所のビルがある辺り上空にホバリングし、そこからBSAAの隊員がロープを使って降下しているのが見えた。
愛原「他の職員さん達は大丈夫なのですか?」
善場「大丈夫です。BSAAも抵抗さえしなければ、普通に拘束するだけですし、今、政府も動くところです。政治的圧力により、まもなくBSAAは動きを止めることになるでしょう。それまでの間、我々は打ち合わせを進めましょう」
そして移動したのは、駅前の喫茶店。
貸会議室も併設された店舗で、係長は首尾よくその部屋を押さえていた。
それとも、これも政治の力なのだろうか?」
善場「まもなくお昼ですし、昼食を取りながらでもお話ししましょう」
リサ「やったー!」
愛原「そんな、いいんですか?」
善場「構いませんよ。所長とは報酬の話もしたいですし」
愛原「宜しくお願い致します!」
貸会議室に入ると、まず係長は窓のブラインドを下ろした。
それで、外から見えないようにしたわけである。
善場「先に注文しちゃいましょう」
フードメニューは主にサンドイッチが多い。
リサは1番肉の多そうなチキン系を希望し、パールはトーストと玉子、私と善場係長はミックスサンドイッチを希望した。
ドリンクはリサ以外、コーヒー。
リサだけオレンジジュース。
何だか、サンドイッチも久しぶりだ。
パール「その前に、一服行ってきて宜しいですか?」
愛原「いいよ。私も、ちょっとお手洗いに行ってきます」
善場「どうぞどうぞ」
なのでミーティング開始は、注文した物が来てからということになった。
[同日12時30分 天候:晴 喫茶室ルノアール新橋汐留口駅前店・貸会議室]
あれから1時間ほど経ったが、BSAAがこちらに気づいて乗り込んでくる様子は無い。
善場係長の話を聞けば聞くほど、真偽不明の情報が多々出ていたことが分かった。
まず、私達が探索した斉藤家の隠し別荘は、静岡県だけではないということだ。
善場係長は熱海の隠し別荘に行ったし、別の探偵業者は千葉県南房総の隠し別荘に行ったそうだ。
しかし、そこは罠が仕掛けられており、探索者に死傷者が出たという。
BSAAはBSAAで、独自に何がしかの施設を探索しており、そこで偽情報を掴んで踊らされているのだろうとのことだった。
それがどういった内容なのか確認したくても、『悪魔に魂を売った組織に見せる情報は無い!』の一点張りだそう。
埒が明かないので、公安調査庁や上部組織の法務省にも動いてもらって、対策をしているところとのこと。
愛原「本当にBSAAは大丈夫なんですか?」
善場「大丈夫ですよ」
リサ「“青いアンブレラ”の方がマシだなんて?」
善場「そんなことはありません!」
愛原「リサ」
リサ「はぁーい……」
善場「それより、今度は愛原所長方の動きについて教えて頂けないでしょうか?」
愛原「はい」
私は報告書を善場係長のノートPCに送信していた。
それを見ながら話を進めた。
やはり係長の関心事は、埼玉の斉藤家での探索だった。
愛原「リサ、例のカードを」
リサ「はい」
リサは『アンブレラのプラチナカード』を取り出した。
愛原「斉藤家の書斎にて、それまでのゴールドカードがアップデートされたものです。映像の斉藤元社長曰く、『今後はゴールドカードでは開かない扉が出てくる』とのこと」
リサ「ゴールドカードは金庫に食べられちゃった」
善場「……かしこまりました。それでは、このカードは一時お預かりします。中に、どんなデータが入っているか解析したいので」
愛原「分かりました」
ゴールドカードの時もそうだ。
本物のカードはリサに返されたので、恐らくゴールドカードは複製に成功したのだろう。
リサ「ゴールドカードとは色違いだよ」
善場「そうですね。白金に輝いています」
愛原「すると、どこかにブラックカードがあるのかもしれませんね?アメックスみたいに」
善場「そうかもしれません。確かに、アメリカン・エキスプレスをイメージしたものなのでしょうね。実際、アメリカのアンブレラ本体では、このカードキーにクレジットの機能を併せた物もあったそうですから」
愛原「へえ……」
ただ、アメックスのプラチナカードがメタル製なのに対し、リサが手に入れたのは、そのままプラスチックのカードであった。
また、表記を見るに、クレカの機能は無さそうだった。
それから、斉藤元社長の映像についての話になった。
斉藤社長はどこかの部屋のソファに座って話をしていたのだが、違和感があった。
愛原「窓には光が差し込んでいたんですが、光が揺れていたんですよ」
善場「それはどういうことですか?」
愛原「微かに、列車が通過する音がしたんです。それに合わせて、窓から入って来る光が動いたので、斉藤社長は鉄道の線路の近くの部屋で撮影したのかもしれません」
そして、撮影を終えた後ですぐに移動したのだろう。
残念ながら、映像を録画していたわけではないので、全て記憶に頼っている状態だ。
それから今回の件での報酬や、交通費や宿泊費などの掛かった費用などの精算法、それから今後の事について話を進めた。
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