[9月11日18:00.天候:雨 東京都江東区森下 ワンスターホテル1Fロビー]
稲生:「ところでさ、どうしてワンスターホテルって名前なの?」
エレーナ:「ドヤ街の中では高級ホテルだったからだよ」
稲生:「えっ?」
稲生は隣室のマリアを誘って夕食に行こうとしたのだが、マリアの方がまだ準備ができていなかったらしく、先に行っているように言われた。
エレベーターでロビーに下りると、やはりエレーナがフロント係をやっていた。
で、暇つぶしにエレーナと喋っているわけである。
エレーナ:「ドヤ街に星がもらえるようなホテルがあるわけないじゃない?そんな中で、星が1つでももらえるようなホテルだってことでさ」
稲生:「そういう理由なの?」
エレーナ:「あとは……オーナーの名前から取ったとか……?」
稲生:「オーナーの名前?」
チーン♪(エレベーターが1階に到着)
マリア:「お待たせ!」
エレーナ:「フム。『彼氏を焦らす作戦』か」
マリア:「は?」
エレーナ:「だがしかし、私と楽しく喋った時点で失敗、と……」
マリア:「おい!」
稲生:「ぼぼぼ、僕はそんなつもりはーっ!」
変な三角関係になりつつある先輩達の様子を横目で見ながら、リリアンヌはロビーの掃除を手伝っていた。
リリアンヌ:「フヒヒヒ……。発言小町以上のドロドロ……。フフフフ……」
エレーナ:「あっ、リリィ!人目に付く所ではとんがり帽子は取って!変なキリスト教団にバレたらめんどくさいから!」
リリアンヌ:「フヒッ?は、はい……」
稲生:「あー、何かあったね、そんなこと。正証寺の皆、元気かなぁ……」
エレーナ:「おやぁ?その顔はまた日蓮正宗法華講に戻りたくなりましたかなぁ〜?」
マリア:「ユウタ、本気か!?」
稲生:「や、やだなぁ。僕は今やダンテ門流魔法の見習魔道師ですよ。謗法にならない為にも、仏法は捨てなきゃ」
マリア:「その意気だぞ」
と言いつつ、マリアは多少複雑であった。
実はダンテ門流では、別にキリスト教以外の宗教であれば掛け持ちOKだったりする。
少なくとも、門内禁止事項としては『魔女を弾圧するキリストの信仰は捨て……』くらいしか書いていない。
この門規を定めた際、仏教徒が入って来ることまでは想定していなかったらしい。
なんぼ大魔道師とはいえ、何百年も先のことまで(必ず当たるという保証付きという条件では)予知できないからだ。
実際、稲生は顕正会での日蓮仏法実践により、持ち前の霊力(≒魔力)を高めたとされる。
暴走気味に鰻上りを続ける霊力に、(現在では勝手に使い魔扱いされている)威吹は大喜びで稲生の顕正会仏法を最初は協力していた。
だが、他の悪質妖怪達も稲生に目を付け、威吹から稲生を横取りせんと夜な夜な稲生家への襲撃が繰り返されたこともある。
宗門(法華講)に行ってからは霊力の上昇もストップし、安定飛行の為にむしろ下がるという現証に威吹は複雑な思いを抱いたという。
マリア:(別に仏教徒を辞める必要は無い。でも、それだとせっかく私の所に居場所を作ってくれたユウタが……あっちに行って、戻って来なくなるかも……)
エレーナ:「大石寺にでも行ってきたら?カントクも行くんでしょ?」
多摩:「本当か!?」
雲羽:「……!……!」(←無言で『台本と違うぞ!』と言っている)
エレーナ:「いやあ、懐かしいなぁ。あん時ゃ私、アンタ達の敵だったもんね」
稲生:「そうだねぇ……」
エレーナ:「アタシの魔法力駆使して、奉安堂を崩壊させてやろうとしたもんさ」
稲生:「失敗したけどね」
エレーナ:「さすがに無謀だった」
マリア:「そん時のオマエ、ブスキャラ扱いだったしな」
エレーナ:「黒歴史だからそれは言わないでっ!」
リリアンヌ:「フヒヒヒヒ……。読者の皆様、挿絵家さんに書かせた2枚の絵があります。1枚は“東方Project”は霧雨魔理沙の絵を少しいじくったものです。もう1枚は……」
エレーナ:「リリィ、ダメっ!」
[同日18:30.天候:雨 ワンスターホテル内レストラン“マジックスター”]
ここはダンテ一門の魔道師の1人がテナントとして入居し、経営するレストランである。
店長のキャサリンは元々ポーリン組に所属していたのだが、ハイマスター(High Master.ベテラン魔道師)になってからは独立し、このホテルでレストランを経営している。
ポーリン組は魔法薬の研究・開発に勤しむ所であるからして、そこを卒業したキャサリンも魔法薬と様々な種類のハーブを駆使した薬膳をメインディッシュとしている。
表向きは『創作西洋薬膳の店』ということになっている。
稲生:「お店、なかなか繁盛してますね」
キャサリン:「おかげさまで」
マリア:「あなたの後輩、少しフザけ過ぎよ。姉弟子として、注意してやってください」
キャサリン:「うーん……。気持ちは分かるんだけど、私はもうOGだから余計な首は突っ込め無いのよね」
尚、エレーナが初めて稲生達の敵として登場した時は既にポーリン組から独立していた為、エレーナの凶行を止めることはできなかった。
ただ、さすがに師匠同士のケンカに弟子まで巻き込むのはいかがなものかと元・師匠のポーリンを諌める手紙を出したことはあったそうだ。
但し、けんもほろろに断られたもよう。
前に来た時はキャサリンが1人で切り盛りをしていたが、今では数人の魔女が接客応対などをしていた。
マリア:「キャサリン組、結成ですか?」
キャサリン:「どうだろう?お店が流行ってきて、1人でやるのが大変になったからバイトを雇っただけなんだけど……」
稲生:「魔女じゃないんですか!?」
キャサリン:「バイト募集の広告を出して、応募してきたコ達がたまたま全員魔女の資質があっただけなのよ」
マリア:「多分それ、どこからかの見えない『後押し』があったものと思われます」
稲生:「キャサリンさんの契約悪魔か、或いはポーリン先生とか?」
キャサリン:「なるほど。私の契約悪魔か。使い魔が勝手なことをするなと何度も言ってるんだけどねぇ……。あ、ワインお代わりいるでしょ?」
マリア:「ええ」
稲生とマリアはカウンター席に隣り合って座っている。
稲生:「あ、そうそう。『飴玉婆さん』」
キャサリン:「懐かしい通り名を覚えてるね」
稲生:「昔、僕が卒業した高校の前にいた魔法使いのお婆さん」
それがキャサリンだ。
もちろん当人の見た目は老婆ではなく、30歳になったばかりといった感じの女性。
もっとも、そこは魔道師だ。
見た目の年齢など、ただの見た目に過ぎない。
実際はイリーナのように、4桁も生きているのかもしれない。
それだけの者なら、魔法で自在に見た目年齢を変えることは可能だ。
実際キャサリンも、世間一般的な魔女のイメージとして、しわがれた老婆だろうということで、その姿に変身して稲生の高校の前に現れていた。
キャサリンは自作の魔法薬を無償で高校生に配っていた。
但し、色々と条件はある。
例えば1度その魔法薬を渡した者の所へは、絶対2度と現れないだとか。
魔法薬を渡す相手は、基本的に今現在学校生活が楽しくない者限定だとか。
ここではレストランの女性経営者として気さくに振るまう彼女も、老魔女として活動していた頃は殺人を犯したことがある。
いや、あれは殺めたと言って良いのかどうか……。
稲生:「僕の学校の退学者の中に、『両目を著しく損傷し、失明となった為、学業の続行困難と判断した為』という人がいました。そんなことをしたのがキャサリンさんだと聞いて、ここに来たのが初めてでしたね」
キャサリンの魔法薬の材料の中には、何と人間の目玉を使用するものがあった。
ある時、とある男子高校生に魔法薬を渡したところ、それから2つも奪い取られてしまった。
しかしそこはハイマスターたる大魔道師。
そのような不遜な者の家を突き止め、追い詰めることなど造作も無いこと。
だが駆け付けた時には既に時遅く、奪われた大事な薬は食べられてしまった後だった。
激昂したキャサリンは、その男子生徒の目玉を素手で繰り抜いて持って行ったという。
稲生:「今でもそんな危ないものを調達しているんですか?」
キャサリン:「……日本で集めるのはやめることにしたわ。それに、今は研究も進んで、何も無理して人間の目玉でなくても良いことが分かったの。だから今では、ほとんどやってないわ」
稲生:「そうですか」
マリア:(多分、ウソだな。日本ではやっていないのは本当だと思うけど、おおかた魔界ではやってるってことか……)
キャサリン:「あ、そうそう。東京中央学園の怪談話を作った1人として、OBのあなたに情報提供してあげるわ」
稲生:「えっ?」
キャサリン:「どうもね、私以外にもあなたの学校に怪談話を提供した魔道師がいるみたいなのよ」
稲生:「ええーっ!?」
マリア:「世間は狭いなぁ……」
マリアは呆れてワイングラスに口を付けた。
稲生:「ところでさ、どうしてワンスターホテルって名前なの?」
エレーナ:「ドヤ街の中では高級ホテルだったからだよ」
稲生:「えっ?」
稲生は隣室のマリアを誘って夕食に行こうとしたのだが、マリアの方がまだ準備ができていなかったらしく、先に行っているように言われた。
エレベーターでロビーに下りると、やはりエレーナがフロント係をやっていた。
で、暇つぶしにエレーナと喋っているわけである。
エレーナ:「ドヤ街に星がもらえるようなホテルがあるわけないじゃない?そんな中で、星が1つでももらえるようなホテルだってことでさ」
稲生:「そういう理由なの?」
エレーナ:「あとは……オーナーの名前から取ったとか……?」
稲生:「オーナーの名前?」
チーン♪(エレベーターが1階に到着)
マリア:「お待たせ!」
エレーナ:「フム。『彼氏を焦らす作戦』か」
マリア:「は?」
エレーナ:「だがしかし、私と楽しく喋った時点で失敗、と……」
マリア:「おい!」
稲生:「ぼぼぼ、僕はそんなつもりはーっ!」
変な三角関係になりつつある先輩達の様子を横目で見ながら、リリアンヌはロビーの掃除を手伝っていた。
リリアンヌ:「フヒヒヒ……。発言小町以上のドロドロ……。フフフフ……」
エレーナ:「あっ、リリィ!人目に付く所ではとんがり帽子は取って!変なキリスト教団にバレたらめんどくさいから!」
リリアンヌ:「フヒッ?は、はい……」
稲生:「あー、何かあったね、そんなこと。正証寺の皆、元気かなぁ……」
エレーナ:「おやぁ?その顔はまた日蓮正宗法華講に戻りたくなりましたかなぁ〜?」
マリア:「ユウタ、本気か!?」
稲生:「や、やだなぁ。僕は今やダンテ門流魔法の見習魔道師ですよ。謗法にならない為にも、仏法は捨てなきゃ」
マリア:「その意気だぞ」
と言いつつ、マリアは多少複雑であった。
実はダンテ門流では、別にキリスト教以外の宗教であれば掛け持ちOKだったりする。
少なくとも、門内禁止事項としては『魔女を弾圧するキリストの信仰は捨て……』くらいしか書いていない。
この門規を定めた際、仏教徒が入って来ることまでは想定していなかったらしい。
なんぼ大魔道師とはいえ、何百年も先のことまで(必ず当たるという保証付きという条件では)予知できないからだ。
実際、稲生は顕正会での日蓮仏法実践により、持ち前の霊力(≒魔力)を高めたとされる。
暴走気味に鰻上りを続ける霊力に、(現在では勝手に使い魔扱いされている)威吹は大喜びで稲生の顕正会仏法を最初は協力していた。
だが、他の悪質妖怪達も稲生に目を付け、威吹から稲生を横取りせんと夜な夜な稲生家への襲撃が繰り返されたこともある。
宗門(法華講)に行ってからは霊力の上昇もストップし、安定飛行の為にむしろ下がるという現証に威吹は複雑な思いを抱いたという。
マリア:(別に仏教徒を辞める必要は無い。でも、それだとせっかく私の所に居場所を作ってくれたユウタが……あっちに行って、戻って来なくなるかも……)
エレーナ:「大石寺にでも行ってきたら?カントクも行くんでしょ?」
多摩:「本当か!?」
雲羽:「……!……!」(←無言で『台本と違うぞ!』と言っている)
エレーナ:「いやあ、懐かしいなぁ。あん時ゃ私、アンタ達の敵だったもんね」
稲生:「そうだねぇ……」
エレーナ:「アタシの魔法力駆使して、奉安堂を崩壊させてやろうとしたもんさ」
稲生:「失敗したけどね」
エレーナ:「さすがに無謀だった」
マリア:「そん時のオマエ、ブスキャラ扱いだったしな」
エレーナ:「黒歴史だからそれは言わないでっ!」
リリアンヌ:「フヒヒヒヒ……。読者の皆様、挿絵家さんに書かせた2枚の絵があります。1枚は“東方Project”は霧雨魔理沙の絵を少しいじくったものです。もう1枚は……」
エレーナ:「リリィ、ダメっ!」
[同日18:30.天候:雨 ワンスターホテル内レストラン“マジックスター”]
ここはダンテ一門の魔道師の1人がテナントとして入居し、経営するレストランである。
店長のキャサリンは元々ポーリン組に所属していたのだが、ハイマスター(High Master.ベテラン魔道師)になってからは独立し、このホテルでレストランを経営している。
ポーリン組は魔法薬の研究・開発に勤しむ所であるからして、そこを卒業したキャサリンも魔法薬と様々な種類のハーブを駆使した薬膳をメインディッシュとしている。
表向きは『創作西洋薬膳の店』ということになっている。
稲生:「お店、なかなか繁盛してますね」
キャサリン:「おかげさまで」
マリア:「あなたの後輩、少しフザけ過ぎよ。姉弟子として、注意してやってください」
キャサリン:「うーん……。気持ちは分かるんだけど、私はもうOGだから余計な首は突っ込め無いのよね」
尚、エレーナが初めて稲生達の敵として登場した時は既にポーリン組から独立していた為、エレーナの凶行を止めることはできなかった。
ただ、さすがに師匠同士のケンカに弟子まで巻き込むのはいかがなものかと元・師匠のポーリンを諌める手紙を出したことはあったそうだ。
但し、けんもほろろに断られたもよう。
前に来た時はキャサリンが1人で切り盛りをしていたが、今では数人の魔女が接客応対などをしていた。
マリア:「キャサリン組、結成ですか?」
キャサリン:「どうだろう?お店が流行ってきて、1人でやるのが大変になったからバイトを雇っただけなんだけど……」
稲生:「魔女じゃないんですか!?」
キャサリン:「バイト募集の広告を出して、応募してきたコ達がたまたま全員魔女の資質があっただけなのよ」
マリア:「多分それ、どこからかの見えない『後押し』があったものと思われます」
稲生:「キャサリンさんの契約悪魔か、或いはポーリン先生とか?」
キャサリン:「なるほど。私の契約悪魔か。使い魔が勝手なことをするなと何度も言ってるんだけどねぇ……。あ、ワインお代わりいるでしょ?」
マリア:「ええ」
稲生とマリアはカウンター席に隣り合って座っている。
稲生:「あ、そうそう。『飴玉婆さん』」
キャサリン:「懐かしい通り名を覚えてるね」
稲生:「昔、僕が卒業した高校の前にいた魔法使いのお婆さん」
それがキャサリンだ。
もちろん当人の見た目は老婆ではなく、30歳になったばかりといった感じの女性。
もっとも、そこは魔道師だ。
見た目の年齢など、ただの見た目に過ぎない。
実際はイリーナのように、4桁も生きているのかもしれない。
それだけの者なら、魔法で自在に見た目年齢を変えることは可能だ。
実際キャサリンも、世間一般的な魔女のイメージとして、しわがれた老婆だろうということで、その姿に変身して稲生の高校の前に現れていた。
キャサリンは自作の魔法薬を無償で高校生に配っていた。
但し、色々と条件はある。
例えば1度その魔法薬を渡した者の所へは、絶対2度と現れないだとか。
魔法薬を渡す相手は、基本的に今現在学校生活が楽しくない者限定だとか。
ここではレストランの女性経営者として気さくに振るまう彼女も、老魔女として活動していた頃は殺人を犯したことがある。
いや、あれは殺めたと言って良いのかどうか……。
稲生:「僕の学校の退学者の中に、『両目を著しく損傷し、失明となった為、学業の続行困難と判断した為』という人がいました。そんなことをしたのがキャサリンさんだと聞いて、ここに来たのが初めてでしたね」
キャサリンの魔法薬の材料の中には、何と人間の目玉を使用するものがあった。
ある時、とある男子高校生に魔法薬を渡したところ、それから2つも奪い取られてしまった。
しかしそこはハイマスターたる大魔道師。
そのような不遜な者の家を突き止め、追い詰めることなど造作も無いこと。
だが駆け付けた時には既に時遅く、奪われた大事な薬は食べられてしまった後だった。
激昂したキャサリンは、その男子生徒の目玉を素手で繰り抜いて持って行ったという。
稲生:「今でもそんな危ないものを調達しているんですか?」
キャサリン:「……日本で集めるのはやめることにしたわ。それに、今は研究も進んで、何も無理して人間の目玉でなくても良いことが分かったの。だから今では、ほとんどやってないわ」
稲生:「そうですか」
マリア:(多分、ウソだな。日本ではやっていないのは本当だと思うけど、おおかた魔界ではやってるってことか……)
キャサリン:「あ、そうそう。東京中央学園の怪談話を作った1人として、OBのあなたに情報提供してあげるわ」
稲生:「えっ?」
キャサリン:「どうもね、私以外にもあなたの学校に怪談話を提供した魔道師がいるみたいなのよ」
稲生:「ええーっ!?」
マリア:「世間は狭いなぁ……」
マリアは呆れてワイングラスに口を付けた。
[9月11日10:30.天候:晴 アルカディア王国王都アルカディアシティ アルカディア埠頭]
冥鉄汽船スターオーシャン号が港に着岸する。
船も飛行機もほぼ全て、『お出口は左側です』状態になっているが、これは大航海時代からの慣習なのだという。
冥鉄の幽霊船とて、これは例外ではない。
安倍:「それじゃ、稲生君。また会おう」
稲生:「は、はい!総理もお元気で!」
安倍は稲生と握手を交わすと、迎えの馬車に乗り込んだ。
魔界では自動車交通が発達していない為、それに代わる乗り物は馬車になる。
よく見ると、他にも幌の上に『TAXI』と書かれた表示を乗せた辻馬車が止まっている。
もちろん迎車などではなく、明らかに船の乗客を見込んだ客待ちである。
稲生:「じゃあ、僕達も帰りましょうか」
マリア:「うん。私もとっとと帰りたい」
イリーナ:「2人は先に帰ってていいよ」
稲生:「先生!」
イリーナ:「アタシら『先生組』は、このまま魔王城に行ってルーシー陛下に挨拶に行かなきゃ」
稲生:「僕達は一緒に行かなくてもいいんですか?」
イリーナ:「うん。弟子達と一緒だと、仲悪いとすぐケンカしちゃうもの」
マリア:「ぐ……!」
稲生:「ケンカするほど仲が良くてもダメなんですね」
イリーナ:「だから、あなた達は先に人間界に帰ってなさい」
マリア:「はーい」
稲生:「分かりました」
エレーナ:「おーい、稲生氏!人間界に帰るんなら、一緒に行くぞー!」
リリアンヌ:「フヒッ!ま、マリアンナ先輩も……もし良かったら……フフフフフ……」
稲生:「そっかぁ。ワンスターホテルに荷物に置いたままだもんね。早いとこ戻って、荷物を引き取ろう」
エレーナ:「荷物の預かり代は、いくらにしようかなぁ〜」
マリア:「カネのことばっか!」
稲生:「さすがは契約悪魔が“金銭欲の悪魔”マモンだ」
稲生は苦笑いした。
稲生:「カジノの勝ち分返すから、これで何とかしてよ」
エレーナ:「これは私のオーバーパンツ!?何で持ってんの!?」
マリア:「オマエの後輩が快く持って来てくれたよ」
エレーナ:「リリィ!」
リリアンヌ:「フヒッ!?約束や契約は必ず守れって言ったじゃないですかぁ!」
稲生:「まあまあ、エレーナ。危うく横田理事に取られる所だったんだけど、何とかリリィが死守してくれたんだよ」
エレーナ:「リリィが?」
リリアンヌ:「はい……」
稲生:「初めてデスバシルーラって魔法、見せてもらった」
エレーナ:「ほほぉ。横田理事にデス・ヴァシィ・ルゥ・ラをねぇ……。こりゃ、なかなか大したものだわ」
エレーナは感心した。
[同日同時刻 天候:晴 アルカディア王国郊外上空 スタンダードドラゴン、リシーツァ]
アルカディア王国の王都から外れた片田舎の上空を、1頭のドラゴンが不機嫌そうに滑空していた。
それもそのはず。
リシーツァ:「下等で愚かな人間よ!気持ち良く眠る我の眠りを妨げたばかりか、その際に尻尾を踏みつけるとは良い度胸だ!その罪、死を持って償うが良い!」
横田:「あ〜れ〜!」
イリーナの使い魔である雌ドラゴン(翼竜)のリシーツァ。
雌とはいえその力は強く、横田を掴んで急上昇と急降下、更には宙返りや背面飛行まで行った。
横田:「メガネが!私のケータイが!顕正新聞がーっ!」
リシーツァ:「黙れ!不遜な人間よ!地面に叩き落すぞ!」
しばらく王国内において、横田の姿を見た者は誰もいないとのことだ。
顕正会においては、【お察しください】。
[日本時間9月11日15:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル]
稲生:「やっと戻ってきた」
マリア:「何だか、1週間は向こうに行ってた感じだな」
稲生:「いや、全くです。どうします?ここで先生を待ちますか?」
マリア:「そうだな……。さっさと屋敷に帰った方がいい気もするが……」
エレーナ:「今日みたいな中途半端な日は部屋も空いてるだろうから、泊まって行ったら?」
稲生:「そうだなぁ……」
マリア:「どうせカジノの負け分を取り返す為に、宿泊代取ろうって魂胆だろうが」
稲生:「あっ、そういうこと」
エレーナ:「こっちも商売なんでね」
稲生:「エレーナ、きっとAPAホテルの社長さんみたいになれるよ。分かった分かった。先生からカードも預かったことだし、ここで待たせてもらうよ」
エレーナ:「毎度ありぃ!」
リリアンヌ:「フヒッ、エレーナ先輩。私は……?」
エレーナ:「リリィは私の部屋で寝ればいい。どうせ今日はオーナーから、夜勤やれって言われそうだし」
稲生:「何だか大変だね」
エレーナ:「商売だから」
地下1階からエレベーターで1階に上がる。
オーナー:「おっ、これはこれは稲生様とマリアンナ様」
稲生:「今しがた戻りました」
オーナー:「お疲れさまです。お荷物、お返ししますね。預かり料が……」
エレーナ:「オーナー、この人達、今日泊まりたいって。部屋空いてる?ツイン1つ」
稲生&マリア:「シングル2つだ!」
エレーナ:「2人とも顔赤らめて、もう……」
オーナー:「かしこまりました。それでは5階の501号室と502号室へご案内致します」
スターオーシャン号ではカードキーだったが、こっちは普通の鍵である。
オーナー:「それでは、ごゆっくりどうぞ」
稲生:「よろしくお願いします」
エレベーターで上に上がろうとした時、ふと稲生はロビーの向こうの通路に目をやった。
稲生:「そういえば“マジックスター”があるんでしたね。あそこで食事ができそうだ」
マリア:「ほんと、こういう所では魔道師と縁が深くなる」
稲生:「当たり前じゃないですか」
エレベーターに乗り込む。
元々はドヤ街だった町にある格安ホテルなので、建物自体も大きくはない。
利用者もバックパッカーなどが多いくらいだ。
稲生:「そりゃま、僕ももう普通の人間じゃないことを思い知らされたりもしますが……」
チーン♪(エレベーターが5階に到着する)
稲生:「ホテルの佇まいは、どこにでもある普通のホテルなんですけどね」
マリア:「夕食まで少し休んでよう。何か、船の揺れでまだ体が揺れてる感じ」
稲生:「あ、それ僕もずっと思ってました」
マリア:「夕食は“マジックスター”でいいな?」
稲生:「そうしましょう」
2人はそれぞれシングルルームに入った。
冥鉄汽船スターオーシャン号が港に着岸する。
船も飛行機もほぼ全て、『お出口は左側です』状態になっているが、これは大航海時代からの慣習なのだという。
冥鉄の幽霊船とて、これは例外ではない。
安倍:「それじゃ、稲生君。また会おう」
稲生:「は、はい!総理もお元気で!」
安倍は稲生と握手を交わすと、迎えの馬車に乗り込んだ。
魔界では自動車交通が発達していない為、それに代わる乗り物は馬車になる。
よく見ると、他にも幌の上に『TAXI』と書かれた表示を乗せた辻馬車が止まっている。
もちろん迎車などではなく、明らかに船の乗客を見込んだ客待ちである。
稲生:「じゃあ、僕達も帰りましょうか」
マリア:「うん。私もとっとと帰りたい」
イリーナ:「2人は先に帰ってていいよ」
稲生:「先生!」
イリーナ:「アタシら『先生組』は、このまま魔王城に行ってルーシー陛下に挨拶に行かなきゃ」
稲生:「僕達は一緒に行かなくてもいいんですか?」
イリーナ:「うん。弟子達と一緒だと、仲悪いとすぐケンカしちゃうもの」
マリア:「ぐ……!」
稲生:「ケンカするほど仲が良くてもダメなんですね」
イリーナ:「だから、あなた達は先に人間界に帰ってなさい」
マリア:「はーい」
稲生:「分かりました」
エレーナ:「おーい、稲生氏!人間界に帰るんなら、一緒に行くぞー!」
リリアンヌ:「フヒッ!ま、マリアンナ先輩も……もし良かったら……フフフフフ……」
稲生:「そっかぁ。ワンスターホテルに荷物に置いたままだもんね。早いとこ戻って、荷物を引き取ろう」
エレーナ:「荷物の預かり代は、いくらにしようかなぁ〜」
マリア:「カネのことばっか!」
稲生:「さすがは契約悪魔が“金銭欲の悪魔”マモンだ」
稲生は苦笑いした。
稲生:「カジノの勝ち分返すから、これで何とかしてよ」
エレーナ:「これは私のオーバーパンツ!?何で持ってんの!?」
マリア:「オマエの後輩が快く持って来てくれたよ」
エレーナ:「リリィ!」
リリアンヌ:「フヒッ!?約束や契約は必ず守れって言ったじゃないですかぁ!」
稲生:「まあまあ、エレーナ。危うく横田理事に取られる所だったんだけど、何とかリリィが死守してくれたんだよ」
エレーナ:「リリィが?」
リリアンヌ:「はい……」
稲生:「初めてデスバシルーラって魔法、見せてもらった」
エレーナ:「ほほぉ。横田理事にデス・ヴァシィ・ルゥ・ラをねぇ……。こりゃ、なかなか大したものだわ」
エレーナは感心した。
[同日同時刻 天候:晴 アルカディア王国郊外上空 スタンダードドラゴン、リシーツァ]
アルカディア王国の王都から外れた片田舎の上空を、1頭のドラゴンが不機嫌そうに滑空していた。
それもそのはず。
リシーツァ:「下等で愚かな人間よ!気持ち良く眠る我の眠りを妨げたばかりか、その際に尻尾を踏みつけるとは良い度胸だ!その罪、死を持って償うが良い!」
横田:「あ〜れ〜!」
イリーナの使い魔である雌ドラゴン(翼竜)のリシーツァ。
雌とはいえその力は強く、横田を掴んで急上昇と急降下、更には宙返りや背面飛行まで行った。
横田:「メガネが!私のケータイが!顕正新聞がーっ!」
リシーツァ:「黙れ!不遜な人間よ!地面に叩き落すぞ!」
しばらく王国内において、横田の姿を見た者は誰もいないとのことだ。
顕正会においては、【お察しください】。
[日本時間9月11日15:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル]
稲生:「やっと戻ってきた」
マリア:「何だか、1週間は向こうに行ってた感じだな」
稲生:「いや、全くです。どうします?ここで先生を待ちますか?」
マリア:「そうだな……。さっさと屋敷に帰った方がいい気もするが……」
エレーナ:「今日みたいな中途半端な日は部屋も空いてるだろうから、泊まって行ったら?」
稲生:「そうだなぁ……」
マリア:「どうせカジノの負け分を取り返す為に、宿泊代取ろうって魂胆だろうが」
稲生:「あっ、そういうこと」
エレーナ:「こっちも商売なんでね」
稲生:「エレーナ、きっとAPAホテルの社長さんみたいになれるよ。分かった分かった。先生からカードも預かったことだし、ここで待たせてもらうよ」
エレーナ:「毎度ありぃ!」
リリアンヌ:「フヒッ、エレーナ先輩。私は……?」
エレーナ:「リリィは私の部屋で寝ればいい。どうせ今日はオーナーから、夜勤やれって言われそうだし」
稲生:「何だか大変だね」
エレーナ:「商売だから」
地下1階からエレベーターで1階に上がる。
オーナー:「おっ、これはこれは稲生様とマリアンナ様」
稲生:「今しがた戻りました」
オーナー:「お疲れさまです。お荷物、お返ししますね。預かり料が……」
エレーナ:「オーナー、この人達、今日泊まりたいって。部屋空いてる?ツイン1つ」
稲生&マリア:「シングル2つだ!」
エレーナ:「2人とも顔赤らめて、もう……」
オーナー:「かしこまりました。それでは5階の501号室と502号室へご案内致します」
スターオーシャン号ではカードキーだったが、こっちは普通の鍵である。
オーナー:「それでは、ごゆっくりどうぞ」
稲生:「よろしくお願いします」
エレベーターで上に上がろうとした時、ふと稲生はロビーの向こうの通路に目をやった。
稲生:「そういえば“マジックスター”があるんでしたね。あそこで食事ができそうだ」
マリア:「ほんと、こういう所では魔道師と縁が深くなる」
稲生:「当たり前じゃないですか」
エレベーターに乗り込む。
元々はドヤ街だった町にある格安ホテルなので、建物自体も大きくはない。
利用者もバックパッカーなどが多いくらいだ。
稲生:「そりゃま、僕ももう普通の人間じゃないことを思い知らされたりもしますが……」
チーン♪(エレベーターが5階に到着する)
稲生:「ホテルの佇まいは、どこにでもある普通のホテルなんですけどね」
マリア:「夕食まで少し休んでよう。何か、船の揺れでまだ体が揺れてる感じ」
稲生:「あ、それ僕もずっと思ってました」
マリア:「夕食は“マジックスター”でいいな?」
稲生:「そうしましょう」
2人はそれぞれシングルルームに入った。
“fool,yeah!”さんの最新記事を見たが、ありゃダメだ。
全然、答えになってない。
恐らく、また香月車楽さんがネタに使うぞ。
そりゃ法華講員は折伏してるさ。
盲信100パーながら、“fool,yeah!”さんもやってる感出てるしね。
ただ、同じ盲信系ながら、坂井久美子さんと違って成果が出ているようには見受けられないがね。
坂井さんはまだいい。
それなりの成果は出ているようだし、最後の食べログ部分が微笑ましい。
同じ盲信系でも男性と女性では違うという典型的な例なのかもしれないが、まだ坂井さんの方は余裕を感じられるから、無宗派の私もある程度は安心して読めるというものだ。
下種さえしていれば良いというものではない、ということは元顕なら誰でも分かっているはずだ。
“fool,yeah!”さん、坊さんが率先して折伏していないのは本当だよ。
あなたこそ何を見てるんだ。
山内折伏は本来、坊さんの仕事だと思う。
それを信徒が勝手に取ったから坊さんのやることが無くなり、結果的に顕正会や創価学会にバカにされてるんじゃないか。
だいたい、「御住職」なんだからお寺にいるのは当たり前。
でも大石寺はいくつもの宿坊に分かれているとはいえ、全体が1つの大石寺というお寺だ。
その境内においては、お坊さんの権限が強いのは当たり前。
ならば本来、大石寺の境内で折伏を行うのは坊さんの仕事である。
宿坊の盲信信徒がヒマ潰しにやるようなものじゃないんだよ。
トチロ〜さんだって、大石寺のお坊さんに直接折伏されたのが御受誡のきっかけだった。
もしあれが盲信信徒だったら、そもそも相手にもしなかっただろう。
そういうことなんだ。
信徒が布教活動やっても、あんまり有難みが無い。
そりゃ在家しかいない顕正会なら致し方ないだろう。
でも、折伏やらなきゃいかんのは宗規のどこかにでも書いてあったかな?
やっぱり、功徳だろうな。
功徳溢れる信徒が折伏してきたら、そりゃされる方は圧倒されるだろう。
その勢いで、そのまま御受誡しちゃうかもしれんね。
でも何故か、功徳溢れて富豪にまでなった信徒は折伏をしなくなるんだな。
幸せのおすそ分けなどしたくないってことかね。
顕正会と法華講員の体験発表を聴き比べてもらいたい。
但し、盲信信徒は恐らく気づかないだろう。
顕正会員の体験発表に対して、穿った見方しかできないから。
誰の為に今後も活動するか?だ。
顕正会員は簡単。
無二の師匠、浅井先生の為だね。
法華講員はどうか?
締めの言葉に一貫性は無い。
だが、大抵は自分の為に幸せになるような書き方になっている。
無論、それが間違っているわけではない。
まず、自分が幸せにならないで、他人を幸せにできるわけがないからだ。
これは香月車楽さんも主張されているところ。
でも、そこで体験発表は終わっていることが多い。
あとはせいぜい、広宣流布にまい進致しますってところか。
具体的な目標が無いんだよね。
広宣流布が目標なのは結構だが、大風呂敷過ぎてピンと来ないのが私のような不良信徒だった。
私の場合、恥ずかしながら告白すると、当時お世話になっていた男子部第6隊全員をバス数台分で大石寺へ送り込むのが目標だった。
近所のバス会社に、バスの値段を聞きに行ったくらいだ。
これだって結局は大風呂敷だったが、でも目標として十分だろう?
少なくとも、広宣流布という四字熟語よりはピンと来るものだと思う。
ダラダラと少し長くなったが、あれでも幸せな方なのかな。
盲信者になれば、他の些末なことなど気にせずに過ごせるという意味では幸せなのかもしれない。
私はそういう形の幸せは嫌だがね。
もっと多角的な見方ができる幸せを掴みたい。
二兎を追う者は一兎をも得ず、とはいうが、では三兎なら捕まえられるだろう。
男に二言は無いのだが、三言はある。
屁理屈だって?でも、そういう見方ができるようにはなれたね。
これも実は顕正会だけでなく、日蓮正宗で見出したものだ。
それについては感謝してる。
全然、答えになってない。
恐らく、また香月車楽さんがネタに使うぞ。
そりゃ法華講員は折伏してるさ。
盲信100パーながら、“fool,yeah!”さんもやってる感出てるしね。
ただ、同じ盲信系ながら、坂井久美子さんと違って成果が出ているようには見受けられないがね。
坂井さんはまだいい。
それなりの成果は出ているようだし、最後の食べログ部分が微笑ましい。
同じ盲信系でも男性と女性では違うという典型的な例なのかもしれないが、まだ坂井さんの方は余裕を感じられるから、無宗派の私もある程度は安心して読めるというものだ。
下種さえしていれば良いというものではない、ということは元顕なら誰でも分かっているはずだ。
“fool,yeah!”さん、坊さんが率先して折伏していないのは本当だよ。
あなたこそ何を見てるんだ。
山内折伏は本来、坊さんの仕事だと思う。
それを信徒が勝手に取ったから坊さんのやることが無くなり、結果的に顕正会や創価学会にバカにされてるんじゃないか。
だいたい、「御住職」なんだからお寺にいるのは当たり前。
でも大石寺はいくつもの宿坊に分かれているとはいえ、全体が1つの大石寺というお寺だ。
その境内においては、お坊さんの権限が強いのは当たり前。
ならば本来、大石寺の境内で折伏を行うのは坊さんの仕事である。
宿坊の盲信信徒がヒマ潰しにやるようなものじゃないんだよ。
トチロ〜さんだって、大石寺のお坊さんに直接折伏されたのが御受誡のきっかけだった。
もしあれが盲信信徒だったら、そもそも相手にもしなかっただろう。
そういうことなんだ。
信徒が布教活動やっても、あんまり有難みが無い。
そりゃ在家しかいない顕正会なら致し方ないだろう。
でも、折伏やらなきゃいかんのは宗規のどこかにでも書いてあったかな?
やっぱり、功徳だろうな。
功徳溢れる信徒が折伏してきたら、そりゃされる方は圧倒されるだろう。
その勢いで、そのまま御受誡しちゃうかもしれんね。
でも何故か、功徳溢れて富豪にまでなった信徒は折伏をしなくなるんだな。
幸せのおすそ分けなどしたくないってことかね。
顕正会と法華講員の体験発表を聴き比べてもらいたい。
但し、盲信信徒は恐らく気づかないだろう。
顕正会員の体験発表に対して、穿った見方しかできないから。
誰の為に今後も活動するか?だ。
顕正会員は簡単。
無二の師匠、浅井先生の為だね。
法華講員はどうか?
締めの言葉に一貫性は無い。
だが、大抵は自分の為に幸せになるような書き方になっている。
無論、それが間違っているわけではない。
まず、自分が幸せにならないで、他人を幸せにできるわけがないからだ。
これは香月車楽さんも主張されているところ。
でも、そこで体験発表は終わっていることが多い。
あとはせいぜい、広宣流布にまい進致しますってところか。
具体的な目標が無いんだよね。
広宣流布が目標なのは結構だが、大風呂敷過ぎてピンと来ないのが私のような不良信徒だった。
私の場合、恥ずかしながら告白すると、当時お世話になっていた男子部第6隊全員をバス数台分で大石寺へ送り込むのが目標だった。
近所のバス会社に、バスの値段を聞きに行ったくらいだ。
これだって結局は大風呂敷だったが、でも目標として十分だろう?
少なくとも、広宣流布という四字熟語よりはピンと来るものだと思う。
ダラダラと少し長くなったが、あれでも幸せな方なのかな。
盲信者になれば、他の些末なことなど気にせずに過ごせるという意味では幸せなのかもしれない。
私はそういう形の幸せは嫌だがね。
もっと多角的な見方ができる幸せを掴みたい。
二兎を追う者は一兎をも得ず、とはいうが、では三兎なら捕まえられるだろう。
男に二言は無いのだが、三言はある。
屁理屈だって?でも、そういう見方ができるようにはなれたね。
これも実は顕正会だけでなく、日蓮正宗で見出したものだ。
それについては感謝してる。
[9月11日07:00.天候:曇 冥鉄汽船スターオーシャン号 イリーナ組の部屋]
和室部分の部屋に布団を敷いて寝ている稲生。
枕元に置いてあるスマホのアラームが鳴った。
明らかにこれはJR大宮駅、宇都宮線ホームの発車メロディである。
稲生:「う……ううーん……」
ピッとアラームを止めると、ご丁寧にも客終合図のベルがジリリリと鳴るシステム。
二度寝防止?
稲生:「うん……」
起き上がって洗面所に行こうとした稲生。
稲生:(昨夜は大変だったなぁ……)
さしものイリーナも、エレーナと取っ組み合いのケンカをしたマリアには大説教を施した。
稲生は先に寝ていいということで半ば強制的に就寝させられたが、襖1枚隔てただけではイリーナの説教が聞こえないわけではなく、これでは眠れなかった。
挙げ句の果てには、口答えしたマリアにビンタを食らわせる音まで……!
ムニッ……!
稲生:「!?」
薄暗い部屋で起き上がろうとした稲生の左手に、何か柔らかいものが当たった。
マリア:「ふぁ……」
稲生:「!!!」
いつの間にか稲生の隣には、もう一組布団が敷かれていて、そこにマリアが寝ていた。
どこに触ったのかは【お察しください】。
稲生:「ま、マリアさん!?何でここに!?」
マリア:「う……んん………」
稲生の驚愕声にマリアも目を覚ました。
マリア:「あんなに怒られて、すぐ師匠の隣で寝られるわけがない。ユウタならよく寝てるから、ここなら眠れると思った」
稲生:「ええ〜……?(マリアさん、変わったなぁ……)」
段々本来の性格に戻りつつあるのかもしれない。
ダンテ一門では『魔女』を卒業できると『魔道師』へと昇格できるらしいが……。
もちろん、入門の経緯によっては最初から『魔道師』への課程を始める者もいる。
稲生やエレーナなどがそうだ。
マリアも人間時代の業によって成った『魔女』を卒業しつつあるのかもしれない。
[同日08:00.天候:曇 冥鉄汽船スターオーシャン号 大食堂]
船内最後の食事は、パーティーが行われた大食堂で行われた。
立食形式ではなく、ちゃんと円型のテーブルが置かれている。
そしてバイキング方式だった。
稲生:「船の旅も終わりかぁ……。一生に一度の豪華客船の旅……」
マリア:「魔道師に『一生』なんて無いぞ。ということはこの先、また何度も乗れる機会があるはずだ」
稲生:「銀河鉄道999号に乗れるまで頑張りますよ」
稲生は主に和食中心の料理を皿に盛った。
人間界に帰ったら、和食を口にする機会がほぼ無くなるからである。
住み込み弟子として修行する稲生だが、もちろん下っ端の食事の好みは後回しにされる。
従って、ロシア人のイリーナやイギリス人のマリアの好みが優先されるのだ。
こういう所にも、魔道師の世界における上下関係が出る。
稲生:「エレーナはどうしたんでしょう?あいつも相当説教食らったんですよね?」
マリア:「知らない。だいたい、あいつが絡んできたせいなんだぞ。あいつが絡むと、ほんとロクなことが無い」
稲生:「まあまあ」
因みにイリーナはまだ部屋で寝ている。
『説教疲れ』とのことだ。
2度、3度口答えしたマリアに2度、3度ビンタを食らわしたイリーナだったが、ビンタした際に肩と腰がグキッとなったらしい。
稲生:「いただきまーす」
マリア:「イタダキマス……」
稲生:「エレーナの場合は『説教され疲れ』かな」
マリア:「知らないな。ま、これを日本語では『御愁傷様』と言うのか?」
稲生:「別の意味でね」
リリィアンヌ:「フヒヒ……マリアンナ先輩、稲生先輩、おはようございます……」
稲生:「リリィ!?」
マリア:「リリィがここにいるということは……!?」
リリィ:「フヒッ!……私1人です」
酔っ払うと呂律が回らなくなり、『私』が『わらひ』となる。
そうなると、魔女としての本領が発揮されるので要注意だ。
リリィ:「エレーナ先輩はお尻が腫れちゃって、うつ伏せでウンウン唸っております……」
マリア:「何をされたんだ?」
稲生:「お尻ペンペン……?」
リリィ:「ポーリン先生はそれで腕を痛めておられたので、同じく部屋で休まれております……」
稲生:「お尻ペンペンし過ぎたか……」
マリア:「婆さん達がイキがると、こうだからな。世話無いよ」
稲生:「マリアさん、それはちょっと言い過ぎです。またビンタされますよ」
マリア:「う……」
リリィ:「それはもう、壮絶なお説教でした……。エレーナ先輩、スカートから下着から全部引き剥がされて……後はもう……何も言えません……」
稲生:「そんなに!?」
マリア:「まだビンタだけで済んだ私の方がマシだったか……」
するとリリィ、魔女がよく被っているとんがり帽子を取ると、そこからボクサーパンツのようなものを取り出した。
リリィ:「これ……昨夜のカジノでの……稲生先輩の勝ち分です……。エレーナ先輩、それどころじゃないので……私が持って来ました……フフフ……。本当は生下着がいいのでしょうが……私が持って来れたのはこれが精一杯です……ごめんなさい……」
稲生:「何これ?」
マリア:「多分、エレーナがショーツの上に穿いてるオーバーだな」
稲生:「いや、僕は要らないよ。先に持ち出したのはエレーナなんだし。横田理事にでもあげたら?」
横田:「クフフフフフ……。おはようございます」
何と横田、稲生達のテーブルの下から現れた。
何というストーカー術!
稲生:「出た!横田理事!」
マリア:「オマエ、もう出番ナシってカントクに言われたよな!?」
横田:「クフフフフフフ……。カントクは先ほどスロットで大勝されたもので、機嫌が良い所に直談判したところ、再登場OKとの許可を賜りました。功徳です」
稲生:「何がだ!」
横田:「クフフフフフ……。ところで、そのオーバーパンツの件ですが……」
マリア:「譲ってやるから、好きなように使え。そして私達の前から消えろ」
横田:「あいにくと興味はございません」
稲生:「なにっ?!」
マリア:「ぬねの!?」
リリィ:「フヒッ!?」
横田:「私は女性の肌に直接身に付ける下着や水着が好きなのです。このように、その下着の上から着けるものには興味がございません。もっとも、これがブルマーでしたら喜んで頂くところですがね。クフフフフフフ……」
稲生:「基準が分からん……」
横田:「それよりも……」
キラーンと横田の眼鏡が光る。
横田:「リリアンヌさん。あなたが今穿いてるのは、ジュニアサニタリーショーツですね?先ほど女子トイレにナプキンの入ったポーチを手に入っておられたでしょう?」
リリィ:「フヒッ!?」
横田:「あなたの今穿いているジュニアサニタリーショーツと使用中のナプキンでしたら、喜んで受け取りましょう。クフフフフフ……」
リリィ:「フヒヒヒヒヒ……!」
リリィ、テーブルの上にあったワインの瓶をラッパ飲み。
稲生:「り、リリィ!?」
マリア:「マズい!ユウタ、離脱するぞ!」
稲生とマリアが離脱した瞬間!
リリィ:「ゴートゥヘーーールッ!!!フヒヒヒヒフハハッアッハッハッ!!!デス・ヴァシィ・ルゥ・ラァァァァーーーッ!!!」
横田:「あ〜れ〜!」
普段はコミュ障まっしぐらの中学生魔女だが、酒が沢山入れば入るほど強い魔法が使えるというトンデモ危険な魔女なのだ。
稲生:「で、デスバシルーラ!?」
マリア:「普通のヴァシィ・ルゥ・ラが、取りあえず安全な場所には着地させてやるのに対して、その頭にデス(Deth)が着くと、より危険な場所まで飛ばしてやるというものだ」
稲生:「怖い怖い!」
マリア:「取りあえず、朝食は向こうで食べよう」
稲生:「は、はい!」
最後まで楽しい旅(色んな意味で)を繰り広げたダンテ一門の魔女達であった。
和室部分の部屋に布団を敷いて寝ている稲生。
枕元に置いてあるスマホのアラームが鳴った。
明らかにこれはJR大宮駅、宇都宮線ホームの発車メロディである。
稲生:「う……ううーん……」
ピッとアラームを止めると、ご丁寧にも客終合図のベルがジリリリと鳴るシステム。
二度寝防止?
稲生:「うん……」
起き上がって洗面所に行こうとした稲生。
稲生:(昨夜は大変だったなぁ……)
さしものイリーナも、エレーナと取っ組み合いのケンカをしたマリアには大説教を施した。
稲生は先に寝ていいということで半ば強制的に就寝させられたが、襖1枚隔てただけではイリーナの説教が聞こえないわけではなく、これでは眠れなかった。
挙げ句の果てには、口答えしたマリアにビンタを食らわせる音まで……!
ムニッ……!
稲生:「!?」
薄暗い部屋で起き上がろうとした稲生の左手に、何か柔らかいものが当たった。
マリア:「ふぁ……」
稲生:「!!!」
いつの間にか稲生の隣には、もう一組布団が敷かれていて、そこにマリアが寝ていた。
どこに触ったのかは【お察しください】。
稲生:「ま、マリアさん!?何でここに!?」
マリア:「う……んん………」
稲生の驚愕声にマリアも目を覚ました。
マリア:「あんなに怒られて、すぐ師匠の隣で寝られるわけがない。ユウタならよく寝てるから、ここなら眠れると思った」
稲生:「ええ〜……?(マリアさん、変わったなぁ……)」
段々本来の性格に戻りつつあるのかもしれない。
ダンテ一門では『魔女』を卒業できると『魔道師』へと昇格できるらしいが……。
もちろん、入門の経緯によっては最初から『魔道師』への課程を始める者もいる。
稲生やエレーナなどがそうだ。
マリアも人間時代の業によって成った『魔女』を卒業しつつあるのかもしれない。
[同日08:00.天候:曇 冥鉄汽船スターオーシャン号 大食堂]
船内最後の食事は、パーティーが行われた大食堂で行われた。
立食形式ではなく、ちゃんと円型のテーブルが置かれている。
そしてバイキング方式だった。
稲生:「船の旅も終わりかぁ……。一生に一度の豪華客船の旅……」
マリア:「魔道師に『一生』なんて無いぞ。ということはこの先、また何度も乗れる機会があるはずだ」
稲生:「銀河鉄道999号に乗れるまで頑張りますよ」
稲生は主に和食中心の料理を皿に盛った。
人間界に帰ったら、和食を口にする機会がほぼ無くなるからである。
住み込み弟子として修行する稲生だが、もちろん下っ端の食事の好みは後回しにされる。
従って、ロシア人のイリーナやイギリス人のマリアの好みが優先されるのだ。
こういう所にも、魔道師の世界における上下関係が出る。
稲生:「エレーナはどうしたんでしょう?あいつも相当説教食らったんですよね?」
マリア:「知らない。だいたい、あいつが絡んできたせいなんだぞ。あいつが絡むと、ほんとロクなことが無い」
稲生:「まあまあ」
因みにイリーナはまだ部屋で寝ている。
『説教疲れ』とのことだ。
2度、3度口答えしたマリアに2度、3度ビンタを食らわしたイリーナだったが、ビンタした際に肩と腰がグキッとなったらしい。
稲生:「いただきまーす」
マリア:「イタダキマス……」
稲生:「エレーナの場合は『説教され疲れ』かな」
マリア:「知らないな。ま、これを日本語では『御愁傷様』と言うのか?」
稲生:「別の意味でね」
リリィアンヌ:「フヒヒ……マリアンナ先輩、稲生先輩、おはようございます……」
稲生:「リリィ!?」
マリア:「リリィがここにいるということは……!?」
リリィ:「フヒッ!……私1人です」
酔っ払うと呂律が回らなくなり、『私』が『わらひ』となる。
そうなると、魔女としての本領が発揮されるので要注意だ。
リリィ:「エレーナ先輩はお尻が腫れちゃって、うつ伏せでウンウン唸っております……」
マリア:「何をされたんだ?」
稲生:「お尻ペンペン……?」
リリィ:「ポーリン先生はそれで腕を痛めておられたので、同じく部屋で休まれております……」
稲生:「お尻ペンペンし過ぎたか……」
マリア:「婆さん達がイキがると、こうだからな。世話無いよ」
稲生:「マリアさん、それはちょっと言い過ぎです。またビンタされますよ」
マリア:「う……」
リリィ:「それはもう、壮絶なお説教でした……。エレーナ先輩、スカートから下着から全部引き剥がされて……後はもう……何も言えません……」
稲生:「そんなに!?」
マリア:「まだビンタだけで済んだ私の方がマシだったか……」
するとリリィ、魔女がよく被っているとんがり帽子を取ると、そこからボクサーパンツのようなものを取り出した。
リリィ:「これ……昨夜のカジノでの……稲生先輩の勝ち分です……。エレーナ先輩、それどころじゃないので……私が持って来ました……フフフ……。本当は生下着がいいのでしょうが……私が持って来れたのはこれが精一杯です……ごめんなさい……」
稲生:「何これ?」
マリア:「多分、エレーナがショーツの上に穿いてるオーバーだな」
稲生:「いや、僕は要らないよ。先に持ち出したのはエレーナなんだし。横田理事にでもあげたら?」
横田:「クフフフフフ……。おはようございます」
何と横田、稲生達のテーブルの下から現れた。
何というストーカー術!
稲生:「出た!横田理事!」
マリア:「オマエ、もう出番ナシってカントクに言われたよな!?」
横田:「クフフフフフフ……。カントクは先ほどスロットで大勝されたもので、機嫌が良い所に直談判したところ、再登場OKとの許可を賜りました。功徳です」
稲生:「何がだ!」
横田:「クフフフフフ……。ところで、そのオーバーパンツの件ですが……」
マリア:「譲ってやるから、好きなように使え。そして私達の前から消えろ」
横田:「あいにくと興味はございません」
稲生:「なにっ?!」
マリア:「ぬねの!?」
リリィ:「フヒッ!?」
横田:「私は女性の肌に直接身に付ける下着や水着が好きなのです。このように、その下着の上から着けるものには興味がございません。もっとも、これがブルマーでしたら喜んで頂くところですがね。クフフフフフフ……」
稲生:「基準が分からん……」
横田:「それよりも……」
キラーンと横田の眼鏡が光る。
横田:「リリアンヌさん。あなたが今穿いてるのは、ジュニアサニタリーショーツですね?先ほど女子トイレにナプキンの入ったポーチを手に入っておられたでしょう?」
リリィ:「フヒッ!?」
横田:「あなたの今穿いているジュニアサニタリーショーツと使用中のナプキンでしたら、喜んで受け取りましょう。クフフフフフ……」
リリィ:「フヒヒヒヒヒ……!」
リリィ、テーブルの上にあったワインの瓶をラッパ飲み。
稲生:「り、リリィ!?」
マリア:「マズい!ユウタ、離脱するぞ!」
稲生とマリアが離脱した瞬間!
リリィ:「ゴートゥヘーーールッ!!!フヒヒヒヒフハハッアッハッハッ!!!デス・ヴァシィ・ルゥ・ラァァァァーーーッ!!!」
横田:「あ〜れ〜!」
普段はコミュ障まっしぐらの中学生魔女だが、酒が沢山入れば入るほど強い魔法が使えるというトンデモ危険な魔女なのだ。
稲生:「で、デスバシルーラ!?」
マリア:「普通のヴァシィ・ルゥ・ラが、取りあえず安全な場所には着地させてやるのに対して、その頭にデス(Deth)が着くと、より危険な場所まで飛ばしてやるというものだ」
稲生:「怖い怖い!」
マリア:「取りあえず、朝食は向こうで食べよう」
稲生:「は、はい!」
最後まで楽しい旅(色んな意味で)を繰り広げたダンテ一門の魔女達であった。