最近、崩壊しつつある中流階級の利点について、カール・ヒルティは次の様に述べています。
幸運にも中流階級に生まれた人は、人生において次の二つのことをあまりにも知らない。先ず、なにか方法と助けを求めて「他人の家の階段をあがらねばならないことが、どんなにつらいか」ということや、次に、いわゆるお上品な生活がどんなにわずかな満足しか人に与えないか、ということである。下層階級の人たちは前のことをよく知っており、おのずから後のことを尊重しない。したがって、この階級には、外にあらわれた姿はいくぶん粗野であっても、自制力にとんだ心の気高い人が、上層階級よりも多い。上層階級のお上品さは、しばしば、まさしく冷酷なエゴイズムを蔽いかくす、よく磨かれた殻であるにすぎない。最上層の社会にも、いわゆる「上流生活」全体の空しさを十分自覚している人も時には見受けるが、しかしそこから抜け出すことはできない。
あなたは如何思われますか?
カール・ヒルティ著:「眠られぬ夜のために」第一部11月9日
幸運にも中流階級に生まれた人は、人生において次の二つのことをあまりにも知らない。先ず、なにか方法と助けを求めて「他人の家の階段をあがらねばならないことが、どんなにつらいか」ということや、次に、いわゆるお上品な生活がどんなにわずかな満足しか人に与えないか、ということである。下層階級の人たちは前のことをよく知っており、おのずから後のことを尊重しない。したがって、この階級には、外にあらわれた姿はいくぶん粗野であっても、自制力にとんだ心の気高い人が、上層階級よりも多い。上層階級のお上品さは、しばしば、まさしく冷酷なエゴイズムを蔽いかくす、よく磨かれた殻であるにすぎない。最上層の社会にも、いわゆる「上流生活」全体の空しさを十分自覚している人も時には見受けるが、しかしそこから抜け出すことはできない。
あなたは如何思われますか?
カール・ヒルティ著:「眠られぬ夜のために」第一部11月9日