忘れられない旅の思い出

　「忘れられない旅の思い出」として、北海道旅行があります。一度
目は大学三年生の時。課外研修先からアルバイト代金がでましたので、
それを使って二週間かけて道内一回りしました。宿泊先の北大恵迪寮
では“寮歌・都ぞ弥生”を教わりました。

　二度目は「北大で学会があるので、見学してみないか？交通費だけ
は科学研究費から出す。」と担当教官・平嶋氏から言われ、二つ返事
でした。

　皆と別れて帰りに一人、日本海に浮かぶ天売島に渡りました。十月
でしたので、観光客は私一人です。宿泊先のユースホステルが只者の
家ではない。「ここはニシン漁業の網元の家ではありませんか？」と
尋ねると、イエスとの返事です。

　石狩挽歌ではありませんが、漁業不振でユースホステルで生計を繋
いでいました。「昆布が取れるではありませんか？」と言うと、「た
かが知れている。」との返事。

　後日、テレビで主人・池田操さんを見ましたので、手紙を送ると絵
葉書が返って来ました。「七十三歳にもなり、大変疲れましたが、や
りかけたことでもあり…生きがいを感じます。…あなたの様に手紙等
をいただくとなほね。」 小田原梅干し