・これまで取り組んできたプロジェクト
【guest house MARUYA】
2015年、それまで10年以上空き店舗となっていた元パチンコ屋をリ
ノベーションし、宿泊施設 guest house MARUYA (ゲストハウス
マルヤ)をオープン。泊まった方が宿泊施設内で留まらず、街にど
んどん出ていき、熱海の街のファンになってもらえる宿をつくった。
朝食は、3軒並ぶ目の前の干者屋 から好きな干物を買って、宿の
テラスで焼いて食べる。歴史ある温泉施設に入りに行く、夜は飲み
屋さんに飲みに行くといった具合。
暮らすことと旅すること、熱海に二拠点住居や中長期滞在の拠点を
もったり、熱海に移住したりする人が出てくることが希望。
実際、移住者も出始め、MARUYA に外国人も訪れている。
【naedoko】
2016年、椿油屋2階のスペースをリノベーションし、コワーキング
スペース naedoko (ナエドコ)をオープンする。未来をつくる起
業家が育つ苗床となるねらいで。現在、起業家や熱海・東京の二
拠点で暮らす方の仕事、交流の場としても使われている。
・リノベーション・プロダクトによって起きてきた街の変化
10数店あった空き店舗が、現在4店舗に減少、人通りも以前より多
くなった。「何もなくても銀座通りを通っていこうかな」といった
イメージの変化も見られる。
・リノベーションまちづくりに必要な要素
リノベーションまちづくりに必要な4つの要素。
①志ある不動産オーナーの存在。②家守(やもり)会社と呼ばれる
まちづくり会社の存在。③戦略的都市政策。④人財育成の仕組み。
①物件を活用するには、街に愛着を持ち、自己のみならず、エリア
再生の志を持つ不動産オーナーの存在が不可欠。既存の常識にとら
われず、共にリスクをとってくれるオーナーさんあってこそ、プロ
ジェクトがスタートできる。
②不動産オーナーと共に不動産を活用して事業開発する家守会社も
必要。不動産オーナーだけでは活用できない物件を共に変え、テナ
ントを集めたり、事業を運営したりする。
③民間主導のまちづくりであっても、行政の役割も重要。民間が融
資を受けやすくしたり、民間が動きやすいように法改正したり、リ
ノベーションスクールや人材育成を行うことも大事。
・リノベーションまちづくりの最終目標
エリア価値の向上=不動産価値の向上にあり。この街を選び住んだ
り、お店を始めたりする人が増えることで、家賃や地価の上昇に。
5. 例え国が滅んだとしても生き残る地域をつくる
目指すは「100年後も豊かな暮らしができるまちをつくる」。いかに
持続可能な地域社会を形成していくかがテーマ。そのため都市経済
のみならず、地域コミュニティ、自然環境、住民の暮らし、これら
が再生されていくことが重要です。そのため住民個人も地域自体も
自立していくことが重要で、目標は国が滅んでも生き残る地域をつ
くること。
6. 未来をつくるためには不可欠な起業家の存在
現在、熱海市と共に、創業支援プログラムを開催したり、リノベー
ションスクールや家守塾開催するなかで、起業家や家守会社を生み
出そうとしている。まもなく、3つの家守会社と10近い起業家が誕
生しようとしている。テーマは介護や林業や農業など多岐にわたる。
7. 地域の内も外もない、境い目のないまちの姿
昨今の「熱海こがし祭り」では、熱海市内の30数町内が山車を出し、
中心のエリアが全て車止め、出て行った地元の若者も祭りの日には
戻って来ました。ゲストハウスに宿泊した外国人が約30名、起業家
や街づくり取り組み者数10名も参加しました。
多くの人の多様な町への関わり方を生み出し、ファンをつくり、多
様な担い手をつくっていくことが、地域の生き残り、発展のために
は重要と考えている。
プランナーとして優れた資質を持たれた方とお見受けしました。
将来、アジア地域にもノウハウが生かされると見据えられている。
画像は、熱海市観光協会様より借用しています。小田原梅干し:梅丸