マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

TRUE WEST

2013年10月10日 | 舞台・映画
竹内栖鳳展を観た後、世田谷パブリックシアターで「TRUE WEST」観劇のため三軒茶屋へ。

内野聖陽さんと音尾さん、ほとんど二人だけの息詰まるような密室劇。

どうしようもない兄に対して最初はインテリらしく紳士的に振舞っていた弟の音尾さんが、段々変容していく様子が興味深かったです。音尾さんのセリフはとても聞き取りやすかった。内野さんは緩急自在な台詞回しなんですが、ところどころ囁くように言うところが聞き取りにくかった。私の耳が悪いせい?

途中でこの兄弟に絡むプロデューサーが胡散臭さ満載で、この人が出てくると緊迫感が解けてほっと場が和む感じがしました。

ラスト、弟が兄の首を締めたりまるで殺し合いのような大げんかをしてるのにもかかわらず、母親が「こんな家には居たくないわ。」とさっさと家を出て行ってしまうのには唖然。

でもその後の二人を見て、もしやこれ(喧嘩)は確信犯?と。

なかなか深いです。

竹内栖鳳展

2013年10月10日 | 美術館・展覧会
国立近代美術館で開催中の「竹内栖鳳展」を見に行ってきました。


入口近くはまるでラッシュアワー時の駅のホームのような混雑ぶり、前に陣取った人がジーっと観ていて微動ともしないので後ろのほうからちらっと覗き見しか出来ません。

それくらい素晴らしい作品の数々が展示されています。

特に目を引くのが動物をモチーフにした作品。



獅子(ライオン)などは、それまでの日本画に描かれた猫の親玉とか龍と麒麟が混ざったような(絶対この人本物見たことないよね~と思えるような)へんてこりんな獅子ではなく、まさに獲物に飛びかからんばかりの大迫力で迫ってきます。

それもそのはず栖鳳はパリ万博視察のために渡欧した際、数々の美術に触れ実物をよく観察することの重要性を実感したのだそうです。

彼の代表作「斑猫」などは毛の一本一本がフワフワとまるでそこにいる様な愛らしさに描かれていますが、実際の猫はあんなポーズを取ることは不可能なようです。丹念な実物観察を行うこと=物の本質をつかむということに栖鳳は重点を置いていたからだということです。



淡い茶色で描かれたローマやオランダ、ベニスの風景画は、まるでターナーの絵のようでした。

日本画の概念を覆すような素晴らしい作品に触れられて本当に面白かったです。

このあと10月22日~12月1日迄京都市美術館でも巡回するそうですよ。