とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2013日本最西端・最南端エンジョイマラニック「5日目後半」

2013-05-09 22:14:24 | マラソン
サトウキビ畑を抜け、再び浜のほうに入っていく。珊瑚で囲まれた小さな浜は、プライベートビーチと言っていい。ほとんど人が来そうもなく、知られたくない場所だ。




毛崎と南浜(ぺーはま)の中ほどの海岸に、浜シタンの群落がある。樹齢数百年に及ぶ大木もあり、竹富町指定天然記念物になっている。海岸の隆起サンゴ礁に根を張り巡らせ、小ぶりの白い花を咲かせるそうだ。今では自生する浜シタンは少なく、これほどの群落や古木が生育している場所は珍しいという。




林の中では、アサギマダラが飛び交っていた。


“ぺーはま”から浜崎に向かって海岸を走る。




浜崎を過ぎると北浜である。北浜の読み方だが、実は“にしはま”と読むそうだ。北の浜なのに“にしはま”と読むなんて訳が分からない。沖縄の言葉は難しいものだ。読み方はともかく、この浜は海の色がとても美しく、砂が細かくて白い。サンゴ礁の海で素足で海水浴を楽しめる“にしはま”は波照間では最高のレジャースポットだ。


“にしはま”のビーチに着くと、靴を脱いで海の中に入る。暑くなって火照った下半身が気持ちいい。ランを中止して海水浴に切り替えた人もいた。




浜から上がり、内陸部のコースに入っていく。何かの貯蔵場所なのか、遺跡なのかよくわからないが、不思議な場所である。


下田原城跡の看板を見つけ、その先に入っていく。ぶりぶち公園の石碑があり、小さな溜め池と鬱蒼とした森があった。この「公園」は沖縄の日本復帰直後、島の老人会によりと整備されたそうだが、現在は荒れ放題となり、亜熱帯の自然の侵食にさらされたままになっている。「ぶりぶち」とは「城跡」を指す方言であり、実はこのぶりぶち公園は、「下田原グスク」と呼ばれた城跡だったのだ。




ため池の先に進むと、シムスケーという古井戸があった。ここは、旧シムス村があった場所だ。その昔、7ヵ月にも及ぶ大干ばつの際、1頭の牛がこの地を前足で掘り水を飲んでいた。それを見た人々はここに井戸を掘り、水を得て、命を救われたと伝えられている。




波照間空港近くには、可倒式風力発電設備がある。台風時に90度近く倒すことで、強風による被害を避けることができるという珍しい風力発電だ。可倒式の風力発電設備は、台風時の対応の他にも、建設に大型クレーンが必要ない、地上高でのメンテナンス作業が可能、といったメリットもある。2基設置されているが、1号機は波照間の方言で「波照間の力」という意味の「ベスマスィカラ」、2号機は同じく「もったいない」という意味の「あったらさやー」という愛称がついている。風力発電施設の完成で、島全体の電力を通常時約5割、最大約8割をまかなえるそうだ。




内陸部の高い場所に来ると、コート盛という高い石積の場所があった。これは、「先島諸島火番盛(さきしましょとうひばんむい)」の一つで、海上の監視や船の通報を行う番人の詰め所だったという。


日本最南端にある駐在所を過ぎると、もうすぐゴールだ。内陸部に入ると風がなく、かなり暑くなっていた。


午後3時、朝スタートした波照間中学校前に無事ゴールする。全部で約30キロだった。


参考:今回走ったコース(赤、黄、緑の線が走ったコース)


夕食後、地元のNさんと一緒に“ゆんたく”。「ゆんたく」とは沖縄の言葉で何人かで集まっておしゃべりする井戸端会議のようなもの。


その後、南十字星を見るために星空観測タワーまで行くが、あいにくの曇り空で南十字星は全く見えなかった。しかし、わずかな雲の切れ間から見える星座や恒星の名前を観測員から教えてもらう。星を見るなら、新月の時に来たほうがいいことを覚えた。その後、プラネタリウム見物などもでき朝から晩まで充実した一日となった。

2013日本最西端・最南端エンジョイマラニック「6日目」に続く。