皇海山(すかいさん)は2010年10月に初めて計画したのだが、登山口への林道入り口が通行止めになっていて行けなかった山である。その後も、何度か計画したがその都度、通行止めとなってしまいなかなか行けない難儀な山として記憶にとどまっていた。そして、今回で4度目か5度目の挑戦になるが、ついに山頂まで行ってくることが出来た。私にとっては、74番目の百名山である。
皇海山は、栃木県日光市と群馬県沼田市との境界にある山で、標高は2,144mである。日本百名山の一つで、古い成層火山だというが、全山樹林に覆われ火山らしい面影はない。山名の由来だが、江戸時代の正保年間の地図には『サク山』とあり、別名として『笄山』と書いて『こうがいさん』と読んでいたという。この別名『こうがいさん』が後に『皇開山』と当て字され、開が海に置き換えられ、皇の字がスメと読まれることから『すかいさん』と誤読されるようになったと云われている。
さて、今回は7名集まり、ところどころでメンバーをピックアップしながら2台の車で関越道の沼田ICまで向かった。沼田ICからすぐの「道の駅白沢」で車中泊とテント泊で仮眠する。到着も遅かったので、実際眠る事が出来たのは3時間程度だ。早朝5時に起床して食事やトイレを済ませ、栗原川林道に向かった。栗原川林道は、悪路として有名で大雨が降ったりするとしょっちゅう通行止めになる林道である。今回は、悪路対策としてオフロードタイプのレンタカーをわざわざ借りてきたのだ。
10キロほど国道を走り、栗原川林道の入り口に着く。入り口には、幸い通行止めの案内看板はなくこの日は問題なくいけると分かりホッとする。ただ、数日後から道路工事予定で1ヶ月ほど通行止めになるらしく、ギリギリセーフだったことは間違いない。入り口から登山口の皇海橋までは約17キロの林道走行である。これからどんな悪路が待ち構えているかと思い、おっかなびっくりで進んだ。しかし、実際車を走らせてみると、驚くほどの悪路ではなかった。車が結構通っているようで路面は固く踏みかたまっていたし、一部舗装してある部分もあって少し拍子抜けした。だが、拍子抜けしたとはいえ細い林道である事は間違いなく、山の反対側は断崖絶壁である。しかも、落石はいたるところにあり、一部には凸凹の路面や水溜りもあり全面的に気が抜けるわけではない。対向車が来ても、すれ違える場所は数少ない。2台のうち1台は、オフロード用ではないワンボックスだったので、尖った石を踏んでしまったのか前輪がパンクしてしまった。幸い男性陣が手際よくタイヤ交換してくれたので、ほどなく走ることが出来た。林道通行には、1時間以上もかかったが無事登山口に2台とも到着する。
登山口に着くと、駐車場には多くの車が止まっていた。マイクロバスも来ており、あんな悪路を走ってわざわざ来る人がこんなにもいるのかと驚いた。やはり百名山というネームバリューは大きいものだ。奥には、水洗式のきれいなトイレと入山届の用紙が用意されていた。
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登山道入り口で、出発前の記念写真を撮る。
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しばらくは、広い登山道を歩く。目の前には、新緑の森が広がっていた。
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やがて、不動沢の水流に沿った登山道に入る。沢沿いに進んでいくだけだと思っていたら、いきなり沢を渡るようになっていた。沢の中の平らな岩を探して慎重に進んでいく。
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沢の水は冷たく、空気がヒンヤリしていてこの時期としては、爽やかで気持ちいい登山道だ。
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沢の淵にある岩を足場にして、さらに沢を登っていく。
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涼しい沢沿いの登山道がやっと終わり、笹原の登山道に上がっていく。
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ここからは急坂となり両手両足をフル動員しなければならない道となってくる。ロープがなければ上がれない場所も数多く、下るのも難儀な道が続いた。
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登りだして1時間半ほどで、不動沢のコルに到着する。ここは、鋸山と皇海山の分岐点だ。尖った山が鋸山で、往復1時間もあれば行って来られるらしいが、今回は皇海山への往復だけとした。
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不動沢のコルで小休止したあと、笹と針葉樹林に覆われた稜線を、一歩一歩進んでいく。皇海山までの最後の登りであるが、これもなかなかきつい。
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40分ほどで、皇海山山頂2143.6mに到着する。待ちに待った皇海山の山頂である。ここへ来るまで4年近くかかったかと思うと感慨深い。
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山頂からの展望はほとんどなく、昼食休憩をしたあと下山となった。下って行く途中で、一輪のシャクナゲの花を見つけるが、周りに咲いている花はほとんどない。シャクナゲの時期には、早かったのかもしれない。
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不動沢のコルから下は、予想通りきつい下りとなった。土がえぐれ木の根がむき出しになっている場所が多く、滑りやすい。
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ガレ場では、浮き石に足を載せると滑ってしまう。
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苔むした岩の上も滑りやすい。
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少し平らな道になっても、小さな岩や丸太にも注意しなければならない。
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苔むした岩と新緑の森がいい感じで、思わずシャッターを切ってしまう。
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最後の渡渉である。最後まで気を引き締め、慎重に渡らないといけない。
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まっすぐ空に伸びた樹林。皇海山からの展望がよくないので、百名山として期待していった割には物足らないという意見もあるようだが、皇海山は、手つかずの森と不動沢沿いの登山道が、すごくいい。森の中に体をすべて包み込まれたような心地よさがある。展望ばかりではなく、ピークに至るまでの過程を楽しめる山ではないかと思った。
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12時45分頃、登山道入り口に無事下山だ。午後から雨が降るという予想もあったが、薄曇りで時折日差しもあり、まずまずの天気で楽しめた登山だった。
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その後、再び悪路の栗原川林道経由で沼田方面に戻る。「栗原川林道と吹割の滝」に続く。
参考:今回のコースマップ
皇海山は、栃木県日光市と群馬県沼田市との境界にある山で、標高は2,144mである。日本百名山の一つで、古い成層火山だというが、全山樹林に覆われ火山らしい面影はない。山名の由来だが、江戸時代の正保年間の地図には『サク山』とあり、別名として『笄山』と書いて『こうがいさん』と読んでいたという。この別名『こうがいさん』が後に『皇開山』と当て字され、開が海に置き換えられ、皇の字がスメと読まれることから『すかいさん』と誤読されるようになったと云われている。
さて、今回は7名集まり、ところどころでメンバーをピックアップしながら2台の車で関越道の沼田ICまで向かった。沼田ICからすぐの「道の駅白沢」で車中泊とテント泊で仮眠する。到着も遅かったので、実際眠る事が出来たのは3時間程度だ。早朝5時に起床して食事やトイレを済ませ、栗原川林道に向かった。栗原川林道は、悪路として有名で大雨が降ったりするとしょっちゅう通行止めになる林道である。今回は、悪路対策としてオフロードタイプのレンタカーをわざわざ借りてきたのだ。
10キロほど国道を走り、栗原川林道の入り口に着く。入り口には、幸い通行止めの案内看板はなくこの日は問題なくいけると分かりホッとする。ただ、数日後から道路工事予定で1ヶ月ほど通行止めになるらしく、ギリギリセーフだったことは間違いない。入り口から登山口の皇海橋までは約17キロの林道走行である。これからどんな悪路が待ち構えているかと思い、おっかなびっくりで進んだ。しかし、実際車を走らせてみると、驚くほどの悪路ではなかった。車が結構通っているようで路面は固く踏みかたまっていたし、一部舗装してある部分もあって少し拍子抜けした。だが、拍子抜けしたとはいえ細い林道である事は間違いなく、山の反対側は断崖絶壁である。しかも、落石はいたるところにあり、一部には凸凹の路面や水溜りもあり全面的に気が抜けるわけではない。対向車が来ても、すれ違える場所は数少ない。2台のうち1台は、オフロード用ではないワンボックスだったので、尖った石を踏んでしまったのか前輪がパンクしてしまった。幸い男性陣が手際よくタイヤ交換してくれたので、ほどなく走ることが出来た。林道通行には、1時間以上もかかったが無事登山口に2台とも到着する。
登山口に着くと、駐車場には多くの車が止まっていた。マイクロバスも来ており、あんな悪路を走ってわざわざ来る人がこんなにもいるのかと驚いた。やはり百名山というネームバリューは大きいものだ。奥には、水洗式のきれいなトイレと入山届の用紙が用意されていた。
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登山道入り口で、出発前の記念写真を撮る。
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しばらくは、広い登山道を歩く。目の前には、新緑の森が広がっていた。
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やがて、不動沢の水流に沿った登山道に入る。沢沿いに進んでいくだけだと思っていたら、いきなり沢を渡るようになっていた。沢の中の平らな岩を探して慎重に進んでいく。
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沢の水は冷たく、空気がヒンヤリしていてこの時期としては、爽やかで気持ちいい登山道だ。
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沢の淵にある岩を足場にして、さらに沢を登っていく。
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涼しい沢沿いの登山道がやっと終わり、笹原の登山道に上がっていく。
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ここからは急坂となり両手両足をフル動員しなければならない道となってくる。ロープがなければ上がれない場所も数多く、下るのも難儀な道が続いた。
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登りだして1時間半ほどで、不動沢のコルに到着する。ここは、鋸山と皇海山の分岐点だ。尖った山が鋸山で、往復1時間もあれば行って来られるらしいが、今回は皇海山への往復だけとした。
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不動沢のコルで小休止したあと、笹と針葉樹林に覆われた稜線を、一歩一歩進んでいく。皇海山までの最後の登りであるが、これもなかなかきつい。
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40分ほどで、皇海山山頂2143.6mに到着する。待ちに待った皇海山の山頂である。ここへ来るまで4年近くかかったかと思うと感慨深い。
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山頂からの展望はほとんどなく、昼食休憩をしたあと下山となった。下って行く途中で、一輪のシャクナゲの花を見つけるが、周りに咲いている花はほとんどない。シャクナゲの時期には、早かったのかもしれない。
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不動沢のコルから下は、予想通りきつい下りとなった。土がえぐれ木の根がむき出しになっている場所が多く、滑りやすい。
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ガレ場では、浮き石に足を載せると滑ってしまう。
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苔むした岩の上も滑りやすい。
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少し平らな道になっても、小さな岩や丸太にも注意しなければならない。
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苔むした岩と新緑の森がいい感じで、思わずシャッターを切ってしまう。
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最後の渡渉である。最後まで気を引き締め、慎重に渡らないといけない。
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12時45分頃、登山道入り口に無事下山だ。午後から雨が降るという予想もあったが、薄曇りで時折日差しもあり、まずまずの天気で楽しめた登山だった。
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その後、再び悪路の栗原川林道経由で沼田方面に戻る。「栗原川林道と吹割の滝」に続く。
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