ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSの明日はどっちだ?

2005年05月09日 | ITS
レスポンスにITSの将来を懸念する特集「ITSの明日はどっちだ」が掲載された。


期待して読んだのだが、はっきり言って今ひとつ核心をついているとは思えない。
いまだに「DSRC自体は将来性の高いサービスだ」とまでいっている。

なぜITSが離陸できないのか、なぜDSRCサービスが目論見通り発展していないのか、なぜ民間主導で進められているテレマティクスが何回も失敗するのかという根元的理由は、「それに見合う消費者ベネフィットが見あたらない」ことにつきると思う。

それを見つけられない、もしくはプロフィットモデルにまで昇華することができない民間を責めるのはたやすいが、それを言うなら自らその可能性を示すのが責任ある態度であろう。

私は、車が通信機能を持つことに対するビジネスモデルは成立しない、と主張している。
ビジネスモデルが成立せず、かつ社会的に必要なことであるなら、それは公共投資でやればいい。社会的に必要ないなら、税金投入は即刻中止すべきだ。単純な話である。

たとえばETCは、渋滞解消が目的なら公共事業であるべきだ。DSRCサービスという、将来のビジネスの可能性をちらつかせて民間を巻き込むという図式に大きな無理があったのだ。

官民共同というのは、第3セクターで十分証明されているとおり、この事業で本当に消費者が満足するのか、本当に儲かるのか?という一番肝心の議論が置き去りにされるものなのだ。

ノンストップ料金所通過装置に対する税金投入は、目的が達成するまでやればいい。
DSRCサービスへの税金投入は凍結し、経済原則に委ね、駄目ならそのまま終息させればいい。
DSRCサービスを視野に入れたが為のETCのオーベースペック問題は、今更議論してもしょうがないので忘れることだ。