ITSを疑う

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スマートプレートはICチップに落ち着く?

2006年06月16日 | ITS
いままでずっと批判してきたスマートプレートだが、どうやら電池を内蔵しないICチップで実施する方向で調整に入っているようだ。

電池を内蔵しないということは、FELICAのように数センチまで近づかなければ読み取れない。
路側に設置した読み取り機で通行する車両の情報を読み取るという、「ハイテクNシステム」構想はあきらめた、ということらしい。

この流れの背後には、やはり電池内蔵のスマートプレートは実現のハードルが高すぎた、ということがあると思う。
ナンバープレート自体が数千円し、その上車検ごとに電池を交換しなければならず、それらは車両所有者負担となる。
さらに、プライバシー問題や国家管理強化に対する反感などがからむと、どう考えても世論の説得は不可能だ。

しかし、それでは一体何に使うのだろう。
車検などの業務の効率化、というが、プライバシー問題から収納するデータは車両の情報だけのようだ。さほど行政手続が楽になるとは思えない。しかも車検時だけ、ということは使うのはクルマの一生で4-5回だ。その為にICチップを埋め込む必要なんてあるのか?

また、偽造防止効果もあるというが、受信機を近づけない限り真偽がわからないとしたら、ほとんどその意味はないだろう。

いろいろハードルが高いので妥協策が出てきた、という感じだが、結果何のためにやるのかさっぱりわからなくなってしまっているのではないか。はっきりいって、やめたほうがいい。