ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

DCMXについて

2006年06月24日 | モバイル・ウエアラブル
最近また忙しくなり、頻繁に更新できないので、週末にまとめて書こう。

前回、電子マネーの話をしたついでに、ドコモのDCMXについて。

DCMXのシンボルマークって、なんであんなバブル期のゴルフ場を思わせるアナクロな奴にしちゃったんだろう?
ブランドイメージには相当こだわったというが、(「かっこいいカードがほしかった」デザインにこだわるDCMX:ITメディア記事)ロゴとシンボルマークのイメージがあまりに乖離している。

それと、TVCM。KAT-TUN赤西が「デザートくいたくね?」とかいうといきなりお店が現れるが、一体なにが言いたいのだろう?ケータイのようにどこでも使える、というようなイメージを視聴者にあたえるが、使えるお店は全国にたったの3万軒しかない。

利用者が増えなければ、対応レジの設置も進まないだろうから、ある程度は普及優先で仕掛けをしていくのはわかるが、それにしてもミスリーディングなCMだと思う。

電子マネーは本当に離陸するのか?

2006年06月24日 | ITS
新聞記事などでは、Edyやスイカ、idといった電子マネーの普及は疑う余地のない事柄のように扱われている。
実はこれが気に入らない。生活者の自然な感覚として、そんなに大騒ぎするマーケットのように思えないのだ。

実際、日経にこんな表現があった。
「小銭を持たなくてもすむ、ということで、電子マネーは急速に利用を拡大している」

これって本当なのか?いま、Edyやスイカがあれば小銭をもたなくてすむのか?
絶対にそんなことはない。
単純に、電子マネーの方が圧倒的に便利、もしくは電子マネーしか使えないケースで利用が拡大されているだけだろう。

今、スイカの改札利用率は50%程度まで来ているらしい。
山手線の通勤時間で見れば、70-80%の利用客はスイカ型定期だと思う。
つまり、朝夕の時間帯の利用客は大多数、スイカを持っている。

しかし、キオスクでスイカが頻繁に使われている、という状況はまったく見ることができない。発表によれば、キオスクでの利用率は10%という。私はキオスクを通りかかったり、利用するたびに周囲を見ているが、とても10%には達していないように感じる。
あれだけTVCMを繰り返し、かつ過半数の利用者が使おうと思えば使える状況でもこの程度の利用率ということは、実はさほどニーズがない、と見たほうが正しいのではないだろうか。

5月5日の当ブログのエントリーで、貨幣(コイン)流通量が減少したのは電子マネーの普及によるものだ、という日経記事を疑ったが、日銀発表の2006年5月の貨幣流通量は案の定3月に比べて増加している。

モバイルスイカは今年の契約目標100万件に対してまだ10万に届いていないと思われる。また、DOCOMOのクレジット型お財布ケータイDCMXは契約がいきなり15万件というが、実態は新規契約時に「無料なので入会しておきましょう」という勧誘の成果だろう。DCMXの知名度や、利用可能店舗(全国で3万軒)からみて、消費者の積極的な反応とは思えない。

ノンストップで通過できるという、圧倒的な利便性をもつETCですら、あれだけ普及に苦労したのだ。

いずれにしても、消費者はマスメディアがいうほど電子マネーに関心をもっているように感じられないのだ。