ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

新車販売30年前の低水準

2007年07月03日 | 雑記
今朝のニュースが新車販売が30年前のレベルにまで落ち込んだ、と言っていた。
30年前っていうとオイルショックの頃だろうか。

この状況、単なる不景気がその原因ではない。だからこそ深刻なのだ、ともいえるだろう。

いま新車が売れないのは、以下のようなことに起因している。

1.車の品質が向上したこと
当たり前のようなことだが、単に壊れないということ以上に内装パネルがテカテカになったり、ドアのしまりが悪くなったりといった官能品質の維持がめざましい。結果、消費者は車が古くなったという実感を持たない。

2.キラーコンテンツの欠如
2000年頃の新車ならもうナビはついている。
ナビ以降、車の世界では消費者に買い替えを促すようなキラーとなるコンポはでてきていない。
ナビも進化しているが、買い替えを促すほどのブレイクスルーはない。

3.薄型テレビとの競合
いま家計が一番ほしがっているものが薄型テレビ。
もちろん価格的には車の10分の1だが、家計の心理としてはどちらも大型消費であり、なかなか同時に購入とは行かない。

4.若者の車離れ
若い人自身が買わないこともるが、家の車の買い替えにも興味を示さないので、買い替えの追い風にならない。むしろ子供たちは「まだ走るんだからこのままでいいじゃん」という感じらしい。

そして、これは全体にいえることだがやはり車という商品のコモディティ化ということがいえるだろう。
日用品であれば、壊れるまで使うのが当たり前で、よっぽどのブレイクスルーがない限り雪崩のような消費行動はおきない。

次のブレイクスルーは環境性能か安全性能だということは間違いない。
少なくとも車と通信の融合ではない。