ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

硬貨の減少は電子マネー普及によるものなのか?

2007年07月18日 | 雑記
日経は今日の夕刊トップ記事で「硬貨流通の減少は電子マネーの普及によるものだ」と断定している。

これについては前にも散々疑ったのだが、どうしても理解できないのは「なぜ5円玉が一番減少しているのか」ということに何も疑問をもたない日経記事のお粗末さだ。

日経記事には「硬貨を頻繁に使う鉄道で小銭需要が減った」と書いてあるが、鉄道では5円玉はそもそも使わない。
スイカのメイン市場であるキヨスクでも、私が買う商品の範囲には5円の端数が付く商品はない。
コンビニなどでは5円玉が使われるが、コンビニでの電子マネー決済が統計上に影響を及ぼすほどの量になっているとはとても思えない。
(セブンイレブンのNANACOは利用が急増しているが、まだ始まったばかり)

記事には硬貨の減少をあらわすグラフが添えられているが、通貨流通は1989年の消費税導入で大幅に上昇している。その後増加を続けるが増加率は減り続け、1998年頃からは急に横ばいへと転じている。
1998年に横ばいとなった理由は、1997年に消費税が3%から5%となり、100円、200円というぽっきり商品の決済額の端数がきれいになったためだろう。

そして、最近5円玉の流通が減っている理由は、2004年の内税表示化により税込みぽっきり価格の商品が増えてきたからだ、と私は思うのだが。

こんな科学的分析が絶望的に欠落している憶測記事を安易にトップに持ってくる神経がわからない。