ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

新エアーナビ(その2)

2008年05月16日 | ITS
前回、パイオニアの新エアーナビについて書いたけど、レスポンスには神尾寿氏のコメントが掲載されている。

氏は従来から車+通信実現の信奉者で、このエアーナビについても極めて好意的かつ楽観的な紹介となっている。

この商品、確かに話題になることは間違いないだろう。
PNDとしては最強のスペックで、かつ非常にリーズナブルな価格設定だからだ。
サンヨー、ソニーは大幅な商品見直しを迫られる。

でも、神尾氏と真逆の意見となるが、この商品、そう簡単に通信契約ユーザーを獲得することはできないと思う。
車を運転している時だけしか使わない機能に年間12350円~24948円をはらう人がそんなに沢山いるとは到底思えないのだ。
いつも言うことだが、人は車の中で生活しているわけではない。

ところでこの新エアーナビは、アメリカのDASHと似ている。(ナビ自体の性能はP社が勝る)

DASHはPNDだが、通信契約をするとプローブ情報が手に入る。2年契約で9.99ドル/月。
通信契約をしなくても使えるが、渋滞予測はできない。
DASHのWEBサイトには、通信契約無しに使うのは馬鹿馬鹿しいぞ、というようなことが書いてある。(過去エントリー
DASHは通信契約で地図更新が手に入る。またVICSがないアメリカでは、DASHのプローブは一種のキラーコンテンツになりうる。この辺、通信型として普及する可能性はエアーナビよりも有利だろう。(エアーナビは地図更新は別料金らしい)
しかし、今のところDASHが絶好調という話も聞かない。

面白いことに、DASHは本体価格を発売前に200ドル下げた。
利用料で回収するビジネスモデルを取ったのだろう。

新エアーナビの挑戦的な価格も、同じような考え方なのだろうか?

ということで神尾氏のコラムに戻るが、「日本メーカーがテレマティクスを前提にした“ネット端末としてのPND”の分野で先行できれば、それは海外のPNDメーカーに対抗しうるだけの武器になり得る」というご意見はどうにも賛同しかねる。