ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

mmbi 携帯マルチメディア放送局の名称をNOTTVに

2011年10月04日 | モバイル・ウエアラブル
株式会社mmbiは、2012年4月の放送開始に向け、スマートフォン向け新放送局名称を「NOTTV(ノッティーヴィー)」に決定した。 同社ニュースリリース

今までのTVとは違うということでNOTをくっつけたらしいが、そもそもスマートフォンに対して放送という発想が成立するのかがむずかしいころだ。

TV(ここでは、ワンセグのことを言っているんだろう)や従来のビデオ・オン・デマンドとどう違うかを色々と解説している。例えば

>NOTTVは、見るだけのTVではない。
>みんなと楽しさや感動を共有できる、100%双方向のソーシャルなTV。

これって家庭テレビもデジタル化で色々トライしているが、そもそも「放送を皆と共有する」ニーズってそんなにあるのかな。リアルタイムなSNS画面を二画面で出すとか言っているけど。

マスコットはNOTTY君。
「よくわからないがモンスター。習性はたくらみ。人を驚かすのが大好きでいつでもどこでもなにか面白いことがないか目を光らせているヤンチャもの」
だそうで、大手代理店が「お仕事感覚でさっさと作りました」感漂うキャラクターであります。
とくに「習性はたくらみ」「ヤンチャもの」というあたりが、俺には臭くてやだね。

シャープ ガラパゴスの実売はたったの5000台だって

2011年10月04日 | モバイル・ウエアラブル
先日、販売中止(事業縮小で撤退ではないといっているそうですが)したシャープのタブレット端末「ガラパゴス」だが、東洋経済オンラインによれば総販売台数15000台、うち大口やプロモーション分を除くと一般消費者への実売は5000台程度だという。

不振だから撤退するのだろうことは想像できたが、ここまで売れなかったということに驚いた。
ネーミングも含めてかなりの話題になったし、メディアへの露出もかなりあったと思う。
東洋経済によれば、500人の「GALAPAGOS統轄推進部」を組織して販売促進をしたというし、TVCMも含めてかなりの広告費用もかけていた。
それで、日本全国で10ヶ月売って5000台。ここまで少ないとは正直衝撃。

商品・販促のポイントをちょっとでも外してしまうと、どんなに費用をかけて全く売れない時代になってしまったようだ。

ITSスポットサービス展示会 続き

2011年10月04日 | ITS
ITSスポットサービス展示会をみて、やはりこれは物にならないなと確信した。

トヨタは、セルシオとマジェスタの合計4車種にITSスポット対応のナビを標準装備する。
しかし、別売のITSスポット対応ETC(メーカーオプション)が必要。
また、販売店オプションでも対応のナビを販売するが、その場合はITSスポット対応のETC(35000円)が必要となる。

ITSスポットサービスの本来の機能である「この先渋滞注意の情報が事故防止に有効だ」という説明には案の定「参宮橋実験で事故6割減」の説明がされていた。これははっきり言って欺瞞でしかないのだが、ITSが宣伝文句に使うだろうことは予想していた。
なにが欺瞞か知りたい方は、左の検索窓に「参宮橋」といれてみてください。
(事故低減に効果があったのは同期間に実施された舗装の打ち直し等であり、ITSではない。)

まあ、そんなこともあってか、ITSスポットの一押しの機能は事故防止よりも「地域をまたいだ交通情報を受信できることから、広域への移動の際に最適なルート案内をする」ことに変わってきているようだ。
たしかに現在のビーコンでは広域の情報を通過時に受信するのは技術的に難しいというのはわかる。
しかし、FM多重は「常時情報を受信出来る」んだから、通信速度が遅くても10分ぐらいあれば広域の交通情報を受信できそうなものだ。
今の仕組みが、FM多重VICSは地域内に限定される、ということになっているらしいが、これは技術的な問題じゃないだろう。

また、ITSスポットは車両情報(車載器識別ナンバー?)のアップリンクでプローブをやるようだが、このプローブ情報とすでにカーメーカーやパイオニアが収集しているプローブ情報との関係はどうなるのだろうか?
官のプローブでそこそこ精度の高い渋滞情報が提供されれば、民間の有料サービスは全滅する。このあたりの折り合いは付いているのだろうか?

もう一つ、これは最大の問題だと思っているのだが、国交省が高速道路で展開するDSRCのスポットと、警察がDSSSで引き続きビーコンで展開するサービスについて、なぜ機器が統一されないか? これはやはりお役所の縦割りに起因するようだ。
DSSSもDSRCを使って、ビーコンは今後段階的になくしていくというのが普通の考えかただろう。
今の考え方でいくと、この先ITSサービスを完全に享受するためにはカーナビにはITS対応のETCとビーコン受信機の両方が装着されなければならないが、そんなこと常識的に考えてあり得ない。というか、国民不在の役所仕事の典型例だろう。

トンネル先の降雪状況などをリアルタイム画像で表示するという機能もデモしていたが、私は走行中に車載モニターに表示するのは直感的に理解できるものだけにするべきであり、画像を見て何かを判断させるというコンテンツは疑問。というか、すでにそういった場所では「トンネル先降雪注意」というような路側表示があるだろう。それならすべての車輌に情報を提供できる。

サービスエリア・道の駅での情報提供もデモがあった。駐車場の特定エリア(アンテナの下)でSAやその周辺情報を画面に表示するっていうけど、そんなことする前にさっさと車を降りて中に入ってるんじゃないの?
あとは、いまどきスマートフォンでそんな情報はいくらでも取れる。観光に来ているなら普通は同乗者がいるだろうから、それで十分。結局相当有益なコンテンツが提供できない限り、たいしたサービスにはならないだろう。

私の結論から言えば、これらの機能を手に入れるために高いETCを装着するユーザーは多くて一割程度。
現在の光、電波ビーコン受信機程度にしか普及しないだろうと思う。

これに250億円ですよ。