ITSを疑う

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首都高速の距離別料金制度、ついにやるらしい

2011年10月22日 | 高速道路
ついに首都高速の距離別料金制度が始まるらしい。10月19日にメディアが一斉に報じた。
「過去記事を消さない」47ニュースの同記事リンク

現在の700円定額制から500円~900円の距離別利用金となる。
利用者の3割にとっては値上げとなり、長距離利用で通勤をしている人にとっては日当たり400円の負担増となるこの料金改訂が、あまり大きな議論なく決まってしまうことに違和感がある。
まあ、当初の計画では400円~1200円とか言っていたから、それに比べればリーズナブルかもしれない。
しかし、前にも書いたけど首都高速はリンクの切れたくもの巣のような構造であり、道路の都合で遠回りするようなケースも多いのだから、単純な距離別料金制度が正しいとは思えない。

首都高速道路株式会社は、距離別料金についての意見募集をした。平成23年2月25日に意見募集をし、なんと平成23年の3月4日に締め切っている。
皆さんもご存知だと思うが、2月という月は28日までしかない。10日間もたたずに締め切っている。
その意見募集は高速道路の割り引き制度とセットになったものであり、首都高速の距離別料金制度についてフォーカスしたものではない。

で、その結果がこれ。(PDFです)
「距離別の上限が現行料金を超えるのはおかしい」という意見が1107件も出されている。
これに対する報告書はこれ
主文を読むと、高速道路の2000円上限制度のことしかかかれておらず、首都高の距離別料金に関する意見は見事に無視している。
そもそもこの報告書は、「こういう意見があった」といっているだけで「だからどうする、どう考える」という部分がまったくない。普通の会社だったら、こんな報告書を上げたら怒鳴られるね。

エクスキューズとしてきわめて形式的な意見募集はされているが、その意見はまったく無視されているのだ。

ところで、フェリカを使った複雑なキャッシュレス料金収受システム「首都高X」はどうなったのだろう?
2008年にはカードはEDYを使う、と発表されたから、なんらか進められているんだろうが、本当にあの仕組みを実行するのだろうか?