ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

自動運転に関するビジネスジャーナルの記事がひどい。

2013年11月10日 | 自動運転
まずはこの記事。
警察庁と国交省が激怒!トヨタが首都高で“違法”自動運転を実演
サイゾー系の「ビジネスジャーナル」によるもので、役所の硬直的な態度に批判が集まったが、その後どっからもフォローがなく、怪しいなと思っていた。
案の定、11月9日に安倍首相を載せた自動運転車が公道を走り、TVニュースでは公道上でドライバーが手を放すシーンが映っている。
もしビジネスジャーナルが言っていることが事実なら、こんなことは絶対にありえない。
ちょっとした知り合いレベルの関係者から聞いた個人的感想みたいなものを記事にしているだけとしか思えない。

この「ビジネスジャーナル」が同じく9日に掲載した記事。
迫る自動車革命、主役はグーグル?勢いづく燃料電池車、劣勢のEV…激化するエコカー戦争
これもかなりひどい内容。

記事は殆ど引用で、その引用の部分はいいけど、最後の記者の感想と思われる部分がひどい。

「自動運転が普及すれば高齢者や女性も顧客になれば、より便利になり-略-かつてAT(オートマティック)車が普及し、都市部の渋滞が加速したように、自動車がより便利になれば渋滞はより深刻なものになるのではないか。」

ATが普及し都市部の渋滞が加速したって話は初めて聞いた。根拠が全く分からない。だれでも車に乗れるようになって車が増えたってこと?
自動運転になれば数珠つなぎの車が時速60キロで走ったり、交差点をどちらも止まらずに通過できたりする。通行量が増えても渋滞は確実に減少する。
それ以上に、今まで自分で運転できなかった老人や障害者へモビリティをもたらす福音や、交通事故低減効果の方ががはるかに大きい。

「当初はスマホもいいことばかりが喧伝されたが、歩きスマホに子どものスマホ中毒、電車のなかでもノルマに追われた営業マンは通話し放題で、スマホは便利さと同時に多くのトラブルとストレスも社会にもたらすようになった。便利さに依存しすぎる人間(とそれを加速させる企業)をコントロールできる方法も、スタンフォード大学のセンセイには考えていただきたいものだ。」

メリットとデメリットの比較のレイヤーやレベルが違いすぎて議論になっていない。中学生と話をしているようだね。

何故YAHOOはこの低レベルなニュースサイトをポータルに掲載しているのだろうか。

自動運転が自動車産業にもたらすインパクトは実はそんなところにはない。
この先自動車産業は消滅する危険性もある。最大のライバルは日立等のインフラ交通系企業。これについてはおいおい書いていく。