ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

偽装とうふで垣間見た食の安全信仰

2017年08月16日 | インチキ・疑似科学
最近ツイッターで偽装豆腐という言葉がちょっとバズった。
栄養管理士をされている方のブログ(アメブロ)で、イオンのオーガニック豆腐を偽装として批判し、それがYahooニュースに掲載されたから結構話が広まった。(Yahooからは現在は削除済み)
それに対して科学ジャーナリストの方がBuzzFeedでこの記事は科学的に間違いだらけでこの豆腐の添加物は全く危険はない、という指摘をされた。

偽装豆腐で検索すると、双方の主張に沿った関連記事、ブログが見つかるが、どうも「危険食品に注意しろ」的な反応が多い様に思う。

私自身は、このアメブロを書かれている内容はタイトルに偽装という言葉を使っている点でかなり問題だと思う。
オーガニック豆腐が中国産であることを問題にしているようだが、原料にはきちんと中国産と書いてある。中国産だからオーガニックなんて怪しい、というのであれば証拠を出さない限り偽装と決めつけるのは誹謗中傷だ。
そしてこの栄養管理士の女史のおっしゃることを呼んでいくと、典型的トンデモだということがわかる。
引用すると、
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人の手間暇を極限まで省くための工程。ここに愛情は感じない。
わたしは、その食べ物の工程に愛情を感じないものは避けるようにしています。
人は愛情が必要な生き物です。その愛情という手間暇を省いている食材を口にするから、愛情の希薄な人間が出来上がるように思います。
これはフラクタル理論で、
「愛情がこめられていないものを食べるから愛情をこめられない人間になる」
「偽物を食べるから偽物になる」
「不自然なものを食べるから不自然なカラダになる(病気になる)」
逆を返せば、
「自然なものをたべれば自然なカラダになる(病気がなおる)」
「愛情のこもった食べ物をたべれば愛情のこもった人間になる」
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まあ、フラクタル理論じゃ全然ないんだけどそれは置いといて、
要は「ありがとう」と話しかけた水を飲むと健康に良い、というような話と紙一重のことをおっしゃっている。

そして、案の定この方のブログの下の方にはお決まりの講座、教室の案内が出ている。
その記事を拝見するとどうもこの方は「牛乳は牛の飲むものだから人間が飲んだら健康に悪い」でおなじみの内海医師の影響を受けているらしい。

この手の話にころりと騙される方、主に主婦層だと思うけど、結構いらっしゃる。自然、天然=善 人工=悪。
でも、すべてが自然で手作りだった昔に比べて食中毒は減っているし国民の栄養状態も良くなっているのは厳然とした事実。
また、イオンのような大企業の衛生管理や添加物に関する安全管理は、はっきり言って個人商店や家庭の手作りとは比較にならない。
某大手食品メーカーの工場見学をしたことが有るがそれは厳重なものだし、その従業員の方は自社製品に愛情をこめている。

特に食に関することは小さいお子さんがいるお母さんの不安を煽ると非常に「よく効く」ので商売としてはおいしい。
添加物は厳しい安全基準を設けて使用されている、というような指摘は、「大企業や政府は信用できない」の一言で片付ける事ができるし、一旦不安を煽ってしまえば信者は疑うことをしない。

まさに宗教なのだ。