続き
入山(0.25)一合目(0.24)二合目(0.20)三合目(0.35)四合目(0.25)五合目
(1.00)六合目(0.40)七合目(0.25)八合目(0.24)九合目(0.20)山頂
かなりスローでしたのでコースタイムを大分上回っています(登りの所要4:59)
テントからノソノソと顔を出すと未だ広場に太陽の光は届いていませんが雲一つない晴天でした
6時前、山岳会の人達は既にお食事が済んだのか火を囲んで雑談中です
おやおや 私達にもお裾分けが有り
が4ヶ届いていました
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今日は上の小屋泊まりなので私達は山岳会の人達の出発を見送ったあとテントの撤収にかかりました
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寝ずの番をしていた役員さん達も引きあげ人影が途絶えた9時過ぎ私達も、いよいよ一歩を踏み出しました
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暫くは穏やかな登山道が続き沢を流れる済んだ水に目をやりながら歩を進めますと
程なくして杉が林立する中に一合目の標識を見つけました
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それにしても朝の空気の冷んやり感、何と気持ちがいいのでしょう
この辺りから徐々に傾斜が増して来ましたが
女人禁制を破り入山した二人の女性が石になったと伝えられる巫女石を過ぎれば2合目はあと僅か
二合目で小休止しましょうかね
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ここは水場となっていましたがコップ一杯溜めるのに時間が掛かりそう
ふと雄さんをみれば肩に食い込む荷物がきついのでしょう、髪が汗でびっしょりでした
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暫くは容赦ない傾斜が続きます
視界は閉ざされたままなので只、ひたすらの忍耐が必要な急坂でした
そんな時に見えた一王子小屋(三合目)は砂漠でオアシスを見つけた気分とでも言いましょうか
何はともあれ小屋に荷物を置いて水分補給と致しましょう
塩を付けて食べたキュウリの美味しさ 巨砲の頭の芯まで沁みる甘酸っぱさ
何よりの体力回復剤です
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サッ、元気を取り戻した所で先に進みましょう
説明書によればこれから先、傾斜もやや緩くなると言う事でした
杉の木の下で休憩をとっている登山者がいたので、それを確かめると
「今までの登りはホンの序奏ですよ、足慣らしですかね」とツレナイ言葉が返事
出鼻を挫かれた感じでしたが登りに来て文句を垂れてはいけませんよね
4合目を過ぎ五合目を過ぎ六合目に差し掛かる辺り山頂から下って来た紅葉がいい感じに色づいていました
今年度、初めての紅葉にお互いテンションが上がります
そして何故か昨夜、山岳会の人達と輪唱した“紅葉”が口からこぼれます
「アララ、丁さんご夫婦ではないですか」
下って来た山岳会の面々です
今、山頂は座る所もない位の登山者の数だとか
私達が山頂に着く頃には大方、下ってしまうだろうから静かに飯豊連峰を眺める事が出来そうです
そう、二王子岳は飯豊連峰の前衛峰なのです
「今夜、避難小屋は貸切ですよ、夜景を存分 楽しんで下さい」という言葉を残し皆、疲れも見せず下って行きました
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この山は特に険しい所はないユッタリとした山ですが
一ヶ所だけ“油こぼし”という難所が有りロープが設置してありますが
冬の雪道での下りは用心して降りないと危険を伴う所でしょうね
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大分コースタイムをオーバーしていますがマイペース、マイペース 無理はしない
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8合目の草原が広がる辺りがお花畑と呼ばれている所でしょうか
直ぐ側には水場も有りました
その水が落ちる先
今は一面、黄土色の世界ですが折り重なる様に連なる山々が優しい表情を見せながら日本海へと続いていました
重い荷物と登りの辛さを乗り越えてきた者だけが味わえる雄大な眺めです
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見えました
稜線の上に今夜、泊まる避難小屋・・・でも未だまだ遠いですね
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登山道から奥まった所に三王子神社を見つけました
雪の重みか、祀られている神様が窮屈そうです
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不勉強で調べてきませんでしたが恐らく池塘でしょうね
さざ波一つない水面に名残の紅葉を映し、まるで眠っているか様に見えます
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九合目、雨量計の側には、お米が供えられた二王子神社奥の院が有りましたが此処も風雪にやられてしまった様です
大分、避難小屋が近づいて来ました
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右に二本木山への道を(ここから50分)分ければ殆ど登り下りのない身の丈ほどの笹の中の道
どんどん大きくなる小屋を目指してあと少し
頑張りました、新潟の「ファミリー登山」のガイドブックでは山頂までの所要時間3時間20分
一時間以上オーバーしての到着でしたが競い合うばかりが登山では有りません
年齢を重ねてきた今、如何に山を楽しむか そう思う様になってきました
小屋に荷物を置くのももどかしく小屋裏手の山頂へ行きます
ガイドブックに偽りなく飯豊連峰が視野一杯に広がっていました
飯豊の展望図と照らし合わせながら一つ一つ峰を確認していくと
下山者が話してくれた大日岳の北面の降雪の跡をハッキリ見る事が出来ました
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私達貸切と思っていた小屋には単独の男性と二人組の男性、計5人の登山者になりました
一人で来た年配の登山者は現在は新潟市にお住まいで、この山の麓に実家が有ると言い
二人組の男性は横浜の某渓流会の会員でした
沢登りが趣味で飯豊周辺の沢はあと一つ残すだけと言っておられましたが
沢登はパートナーとの信頼関係が重要な要素で偶にしか参加しない会員や技術の足りない人は
即刻、首という厳しい決まりが有るようです
驚く事に登攀具は15キロ
若いっていいですね
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小屋の裏手から南方向には二本木山が夕日を浴び
振り向けば暮れゆく空の下に連なり消えていく山々の姿が
まさに絶景です
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続く
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