まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

テレワークはしていないのね

2020年05月05日 17時00分53秒 | 日々雑感
子供の頃、わたしが見たかった虫といえばアリジゴクとみのむしがツートップだった。

田舎に住んでいたのだから、いくらでも見つけられそうなものだが

(と言うと今は都会暮らしのようだが、今も田舎に住んでいる)

全く見つけることができず、神社の隅っこの砂地を擂り鉢状に掘っては

蟻をつまんで落として(ひどい)もしかしてアリジゴクが出てこないかなーとか

この擂り鉢に住んでくれないかなーとか願ったけれど

当然ながら住んでくれないわけである。

以降、大人になってもアリジゴクを見たことは一度もない。

みのむしは、簡単に見つけられるようになった。

たぶん、子供の頃は気付かなかったのだろう。

みのむし、を電子辞書で調べると

「ミノガの幼虫

まあ、そうでしょう。

「袋は丈夫で財布などの材料とした」

え、今も? 確かに丈夫だけど。ちょっと引っ張っても枝から離れないし。

「鬼の子」「鬼の捨て子」

急展開。

蓑虫の父よと鳴きて母もなし    高浜虚子

みのむしは秋の季語か・・・ちょっと待った。

鳴くか?

鳴かないのだ。

鳴かないのに「蓑虫鳴く」という季語があるのだ。

鬼の子だったり鳴いたりドラマティックな扱いなのだが

枕草子に書かれているのだそうな。

みのむしの父は、やはり鬼なのだが子供を疎ましく思いみすぼらしい衣をかぶせて

「秋には迎えに来るから」と言って逃げてしまった。

置いて行かれた子供は「お父さん、お父さん」と心細げに鳴いている。

鬼の産んだ子はあわれだ・・・


原文では

「ちちよ、ちちよ」とはかなげに鳴く、いみじうあはれなり

とあり、秋風に吹かれるみのむしを見て、さびしい風情を感じたのでしょうが

なんという想像力。

そもそもみのむしが鳴くって、誰が言い始めたのだろう。

清少納言なの?

今、ベランダにひとつ、みのむしが付いていて、毎日観測しているのだが

どんな強風にも飛ばないし、確かに財布に出来そうである。

ただ、どうも空家っぽいのだ。

在宅であれば、ちょっと触ると反応があるのだが

なんだかしんとしている。

父を待つのが嫌になって出て行ったのだろうか・・・
コメント
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