まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

取り返しのつかないことへの恐怖

2024年02月18日 00時13分28秒 | 日々雑感
テレビで美容整形の話題を特集していた。

二重まぶたやリフトアップなどは、隠さずにむしろSNSにアップしている人もいるほどポピュラーだが

ある国で植毛が盛んになっている話には驚いた。

わたしの知る限りでは、そこの国では頭髪が薄くなっても「男らしい」とモテるという話だったのに。

他国から植毛のために渡航して来る人が後を絶たないほどだそうだ。

そして一番驚いたのは赤ちゃんの頭の形を整えるという話。

同じ方向に寝かせておくと頭の形が悪くなる、ということは耳にしたことがあるが

子育てしたことがないので、本当のところは分からない。

小さなヘルメットのような矯正器具をかぶった赤ちゃんは、みなニコニコして可愛らしかった。

保険適用外なので50万くらいかかるらしい。

そこまでする必要ある?という雰囲気がスタジオにはあったし

わたしも、どちらかというとそう思ったけれど

わたしが子供の頃にはお金持ちしかしていなかった歯列矯正を

今は多くの家庭の子供がしているし、昔は子供が対象だったけど

今は50代でも60代でも始める人がいると聞く。

わたしの母は恐ろしいことに40代で総入れ歯だった。

じゃあ子供の歯には気を付けるかというと、全く無関心で

虫歯になったら治療するか抜けばいいと思っていた。

当然、子供の頃のわたしは虫歯だらけで、中学で奥歯を抜いている。

それ以来、奥歯はない。

って、なんかお笑い芸人のようだけど。

なので歯列矯正どころではなく、歯並びの悪さはもう諦めている。

この諦めというのは案外と絶望ではなく、気楽なもので

今なら間に合うとか、どうしようとか思い悩まずに済むという清々しさがある。

選択肢があるというのは大事なことだけど、それだけ後悔も残ることになる。

あのときやっておけば治すことが出来たのに。

取り返しがつかない事態よりも、取り返しがつかないという後悔をしたらどうしようと思うと

できることはなんでもしてやりたいと思う親も多いだろう。

「絶壁じゃん」と坊主頭をからかわれていた同級生はその後、どうしただろう。

頭の形に関しての不満を漏らす人は周囲にはいないけど、

密かに悩んでいたりするのだろうか。

頭の形って、子供の時に決まってしまったらもう変わらないのだろうか。

ルッキズムが取り沙汰される昨今ではあるけれど、今後どんなことで美しさを競うことになるのか

どの部分が美の基準として取り上げられるのか、今の時点では誰にも分からない。

もしかすると指は長いほど良いということになって、

すごい矯正器具をつける時代が来たりして。

巨人の星か。












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