感動の勝利だった。
終了直前、あと二分。あ・・・・と、誰もが悪夢を見た。点差は2点。お互いにワントライ。キックが入らなかった息子チーム。キックが入った相手チーム。だめか・・・。
最後にサイドからボールが入った。息子チームがボールを取った。パスでつなぐ。一人、二人、三人、そしてわがチームのエースA君に渡った。そのまま、彼はゴールに走りこんだ。トライ。きまった瞬間、ほとんど、そのまま、ゲームは終了になった。
しかし、あの切迫した状況で、味方を信じて、パスを繋いでいく、目の前で起こったその冷静で劇的ナプレイに感動しないわけがない。もう、私たちは抱き合ってよろこんだもんね。絶叫だった。とにかく誰彼となく、周りの人みんなと抱き合った。
息子は初めてフル出場した。骨の中が空洞になるという腫瘍がみつかり手術、そして、今度は背中に新たな腫瘍。それでも、彼はとびっきりの笑顔でグラウンドを駆けた。母親は、息子の笑顔に弱いよね。
もう、優勝したような感動だけど、終わった試合は一回戦でした。ははは・・・
でも、進学校のこと。5年ぶりの初戦突破らしい。
すごいよね・・・と褒める母を横目に、くじ運だな と冷静な分析を息子はしている。