新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月3日 その2 大谷翔平の幸運を祈る

2021-07-03 14:05:58 | コラム
大谷翔平は絶好調なのかそれとも実力が向上したのか:

大谷翔平のホームラン大量生産の勢いが止まらず、先ほど29本目を打ったところを見たばかりでPC部屋に移動してニュースを見ると、何と続けざまに30本目を打ったと知らせてくれた。素直に言えば「本当に凄い」と思う。だが、私の年来の持論では「我が国のマスコミに過剰に持て囃され持ち上げられると、当人の力量や調子とは関係なしに、その褒めすぎが悪影響を与えて調子が落ちてしまうのである」となっている。事実、不思議な程この「行きすぎたチヤホヤ」は悪いお知らせなので、大谷の好調ぶりを余り過剰に騒ぎ立てないでくれ」と願っていたのだ。

そこで、本日の地元での対ボルティモア・オリオールズの試合である。NHKのBSでは試合開始前に本日までの28本の録画を見せてくれた。その美しくて綺麗なswing(どうしても「スウイング」とカタカナ表記したくなる)は徐々に洗練されてきて、絵になってきていた。私の捉え方は「大谷のスウイングは打ちに行くというよりも、目にも止まらぬ速さで綺麗に振り抜いて、美しく弧を描いたバットが綺麗にボールを掬い上げて、遙か彼方の外野の観客席に運び込んでいるのだ」である、

この点では腕の力が非常に優れている大方の南北アメリカ出身の選手たちが、英語の表現である“hit the ball hard”、即ち、力一杯打ちに行ってホームランにするのとは、一味違う気がするのだ。換言すれば、ゴルフで言う“follow-through”(これもどうしても「ファーロウスルー」とカタカナ表記したい)が美しく出来ているので、あれほどの距離が出せるのだろうと見ている。矢張り、あの力感もある綺麗なスウイングは彼の天性である素質が為せるスウイングであり、「身体能力依存」の南アメリカ勢との違いであると思うのだ。

実は、私はそもそもが大谷翔平を「二刀流」(私の感覚ではおかしな表現であり、英語の“two way”か、フットボール界の「両面」の方が的確であると信じている)で使うのには賛成できず、特にMLBでは投手一本でやらせて欲しかった。それは、彼のあの肩の力と落ちる球を操る能力があれば、それこそ20勝も出来る希代の投手になれると期待していたからだった。ところが、あのトミージョン手術になってしまったために、天が二物を与えた打者に専念ではないまでも、打つ方に暫時主力を置かざるを得ないようになってしまった。

そして、あらためてtwo wayに専念するようになった今シーズンのこのホームランの大量生産に加えるに、オールスターのDHにファン投票で選ばれただけではなく、ホームラン競争にまで出場するようになった程の絶好調ぶりである。凄いと思って見ている。一寸だけワシントンとオレゴンの居住者に尋ねてみても、彼のアメリカ国内での人気は急上昇している気配である。結構なことだと思う。

そこで、心配性の私が懸念することがある。それは「現在の大谷がホームランを量産するなどあれほど当たっているのは、調子の波の頂点にあるのか、それともMLBに4年在籍して二刀流とやらに励んだ結果で、天与の素質が一気に開花した真の実力なのか」ということ。私が想起したことがある。それは古い話になるが、1966年に読売カントリーで開催されたカナダカップを見に行ったときに、ジャックニクラウスが神がかり的にピタリピタリとピンに寄せてはバーディーを取り続けた凄さをである。それはまぐれ当たりではなく、若きニクラウスの実力が発揮されていたのだった。

何を言いたいのかと言えば、大谷翔平がまるで止まっている球を打つように、MLBの投手たちの150 km超の速さの速球を軽々とホームランにしてしまう景色が、あの半世紀以上も前のニクラウスのように実力が発揮されているのであって欲しいという願いである。現在は状態が良いだけであって欲しくないということ。オールスターに出るのも大変に結構なことだし、賞金が100万ドルとかのホームラン競争も良いだろう。だが、そこで折角の磨かれつつある実力か、あるいは絶好調(今は「非常に状態が良い」と言うようだが)が崩されては何にもならないと心配しているのだ。

という次第で、私には大谷翔平の極限に近いのかも知れない「良い状態」が、投手と打者の両面で今シーズン終了時まで維持されることを希望するのだ。ここで恐ろしいのがCOVID-19である。既にオーガスタを制覇した松山英樹が罹患している。我が国でも広島の鈴木誠也は副反応の厳しさのために何試合か欠場していた。昔から言うではないか「好事魔多し」と。大谷君、十分心得ているだろうが、健康管理だけは怠らないように。マスコミの諸君は大谷を持ち上げ過ぎないように注意すべきだ。


COVId-19の恐ろしさと対応の難しさ

2021-07-03 09:04:02 | コラム
ウイルス感染の再拡大は人災であってはならない:

昨年の2月に某元財界人と懇談した際に、彼は「このウイルスを年内には収束させられないでしょう」と何気なく語っていた。この一言は当時の感覚では、恐ろしい予言をされたようにすら感じていた。だが、COVID-19という呼称になった現在では「年内どころか、来年になっても収めきれないのではなかろうか」と言っても、別に笑われないような気さえする状態である。橋本聖子組織委員会長が「観客1万人を断念」とすら報道されていた。

現実には、先月の20日で緊急事態宣言を解除してみれば、東京都では連日のように前週の同じ日を上回るように感染者が増加してきて「リバウンド」だと懸念されている。昨日の東京都の感染者660名でその内訳を見れば、ずっと不名誉な第1位を続けてきた世田谷区が35名で同率2位に下がり、何としたことか我が新宿区は53名で第1位になってしまった。同率2位には足立区で35名、第4位が33名の大田区、第5位が30名の練馬区といった状況だ。

我が新宿区には外国人が登録されただけでも34,000人程いるとは予てから伝えてきた。その外国人が圧倒的に多く動き回っている大久保通りに出てみれば、正直なところ怖さを禁じ得ない。それは、高齢者の2回目のワクチン接種が全国で未だに30%程度だと公表されているこの時期にあって、彼ら外国人たちにはワクチン接種が行き渡っている訳がないからだ。第一、日本語が解らない者
が多いイスラム教徒たちに、我が国の新型コロナウイルス対策が何処まで浸透しているかなどは、疑問に思えるのだ。

それでなくても繁盛しているハラルフードの店はマスクの販売もしているから、ある程度は承知しているのかも知れない。だが、彼らに我が国のような衛生観念があるのだろうかと、何時もイスラム横丁を通過するときに、何となく不安になる。矢張り、何れかは彼らにも国費でワクチン接種をせねばなるまいかと思わずにはいられない。報道によれば、合宿中のシンガポール選手団を取材した記者の中から、感染者が出たそうだ。その感染源は特定されたのだろうか。難しい事態のように思えるのだが。こういう想定はされていたのだろうか。

大谷翔平君関連のニュースを見ていたら、ニューヨークヤンキースの試合の観戦者たちは、マスクを着用していないように見えた。我が国よりも遙かに人口に占める感染者の比率が高いアメリカでマスク無しで多くの観客が入り、その州とワシントンDCの新聞社がIOCと我が国にオリンピック取材の記者たちの行動制約を解除せよと書簡を送ったという。何かが違うような気がしてならない。尤も、昨夜は東京から遠く離れた広島球場では、チャンとマスクを着用した多くの観客が入っていた。それでも、オリンピックでは1万人を断念する程慎重なのである。

私如きには。感染の再拡大がデルタ株等々によるものなのか、再度の拡大傾向はそもそものウイルス征圧対策の不備なのか分からない。または、政府と東京都による再三の外出、就中夜中の飲み歩き等の自粛の要請を一向に聞き入れない無自覚な無軌道な若者たちの所為なのかは判断は出来ない。専門家によれば「若者は免疫と抵抗力が高いので、仮令感染しても無症状であることが多く、そのウイルスを家に持ち帰ってか、街中で拡散させているのだろう」とあった。それでは人災であるし、幾ら緊急事態宣言を発出し、蔓延防止策を講じても抑えきれなくなる。

勿論、ワクチンの接種を65歳以下にも、職域でも、クリニック等々でも強力に推し進めていくことは間違いなく必要だろうと思う。だが、ワクチン接種がかなり行き渡っている諸外国でも、ワクチン接種に対する逆宣伝と副反応の恐怖を過剰に採り上げる一派があって、接種率が伸び悩んでいる模様だ。我が国でも相変わらず「痛い」とか「副反応により死亡者が何名」というような逆宣伝が止まっていないようだ。これは明らかなる人災ではないのか。

私はオリンピックも兎も角、政府には国民のための「安全・安心」を何としても確保して保証して貰いたいのだ。その為には、何としてでもワクチンの安定供給というか数量の確保と、国民に自覚を求める要請を飽きることなくに繰り返して貰いたいのだ。過労から復帰された小池都知事は「ばったりと倒れてもやり通す」との決意を表明されたと聞いたが、かけ声だけに終わらせずに、立派に主催都市の知事として陣頭に立って、菅首相に協力して、ウイルスの制圧に専念した頂きたいと願っている。