新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月21日 その2 我が国は世界の先進国だ

2021-07-21 15:02:45 | コラム
気落ちさせられた組織委員会のオリンピック開会式絡みの失態:

組織委員会がだらしがないのか、そもそも我が国の芸術というのか芸能に携わる人たちの水準が低いのか、教養が不足しているのか、関係者全体の感性が鈍いのか等々は、私のような一国民には判断しようがない。だが、この度の小山田圭吾関連の出来事が端なくも暴露してしまった、組織委員会の人選は彼らの選択なのか、あるいは誰かに丸投げしたのか知らないが、我が国のその分野を取り仕切っている者たちは、どうやら世界に誇れるような次元にはないようなのだ。これには、私は気落ちさせられたし、ウンザリもさせられている。

昨日も述べたように小山田圭吾一派というか、彼の仲間であると報じられている小沢健二なる者が、どのような音楽を専門としているかは知らない。だが、本日になって週刊誌の記事で小山田が一時代も二時代も前の流行歌のグループだったマヒナスターズの一員の息子だと知ることが出来た。それが良いとか悪いとか言うのではなく、そういう類の楽曲を手がけている者らしいという見当は付いた。偽らざる疑問というか印象は「その頃の責任者は、何故クラシカル音楽の分野から選ばなかったのか」という辺りだ。繰り返して言うが、どの音楽が上でどれが下位かと言うのではない。

私が感じたことは「苟も我が国を代表するような一大催し物の口開けに出てくるのが、流行歌というかそれに近いのかも知れないポピュラーミュージックの類いで良いのかな」という点だった。しかも、その4分間を担当した者が辞任し、残る者たちが何とかして埋めてみせるというに至っては、言わばやっつけ仕事ではないのか。それを組織委員会は黙認しようというのか。我が国には現在ではモーツアルトもショパンもベートーベンもいないとは百も承知している。委員会は昨年中にでも、より広範囲での人選が出来なかったのかと、理解不能なのだ。

先日はリハーサルが行われたとのテレビで放映された画を見た。こっちはもっと残念だった。確か、テレビ局が付けていた音声では「和のテイストが」だった。ズバリと言って情けなかった。21世紀の今になっても、痩せたりと雖も世界第3位の経済大国であり先進工業国である。その我が国で何で今頃になって、決して若い世代が珍重している訳でもない「和」を強調するのか。40年ほど前のことで、初めてアメリカを訪問する中学生がお土産に扇子や富士山の絵を薦められ、敢然として拒否して「我が国の先進性を象徴する新幹線の模型でも持って行く」と言い切ったのを思い出した。

私はそんなことがあの隈何とやら言う建築家が設計された国立競技場のフィールドで可能かどうか解らないが、豪華なジオラマ(diorama)でも創り上げて、その中でリニア新幹線の模型でも走らせて見せたら如何かなどと考えていた。言わんとするところは「何を今更、法被を着た若い衆の踊りではあるまい」なのだ。我が国の古き伝統芸を見せるのも結構かも知れないが、その種の芸能は現在の我が国を象徴していないと思う。

その開会式は明後日である。度重なる組織委員会の不手際を嘆いたバイキングモア坂上忍は「武藤敏郎事務総長は辞任すべきだ」と吠えていた。私も小山田圭吾に担当を依頼したのは自分ではないと言った責任逃れには「流石、元官僚」と感心している。いや、お役目誠にご苦労様だとは思うが、改めてあの態度には落胆させられた。


これから先に発生するだろう想定外の問題を裁くのは誰だ

2021-07-21 08:47:48 | コラム
私は決断するのはIOCのバッハ会長の仕事だと思う:

またしても、私如きには想定できていなかった案件が発生した。それは、ただ今のところでは濃厚接触者と認定された者が18名に達している、南アフリカのサッカー選手団である。しかも、彼らの初戦は22日であり、しかも対戦相手が我が国の代表という、複雑というか何というか大変に込み入った状況だ。丸川珠代オリンピック担当大臣は何とか試合ができるような配慮をしているというようなことを言っていた。私は言わずもがなのことだと思って聞いた。

私には想定できていなかった事態と言ったが、深く考えるまでもないことで、この事態は非常に複雑に出来ている。それは組織委員会だか上部団体が決めたことか知らないが「南アフリカの選手団は試合開始の6時間前にPCR検査で陰性であれば、13名を揃えて試合をすることを認める」と報じられていた。ここで先ず決めるべきことは22日の試合をどうするかである。

その次に想定すべき問題点がある。それは試合終了後の検査で南アフリカ側から陽性者が出てしまえば、日本選手全員が濃厚接触者になってしまうのではないのか。もしも、なってしまった場合には、確か25日に組まれていた我が代表の試合はどうなるのかという問題が出てくる。14日間の隔離となれば出場不可能であろう。私は誰がここまで想像を逞しゅうして、想定できていたのかと思う。

では、上記の想定の下に「日本選手団が安全策を採って、対戦拒否をすればどうなるのか」という問題も出てくる。報道によれば、大会主催者側にはそこまでの想定をしていなかった模様で、仮定の問題であっても判断ができないようだ。でも、大会を進行させるためには、誰かが判断を下さねばなるまい。勿論、組織委員会の仕事ではあるまい。ではJFAか、それともIFAか?「想定してなかったので判断出来ない」と言って済む問題ではないだろう。となれば、オリンピック憲章の下に開催を決めたIOCのバッハ会長に委ねるべきではないのか、会長なんだから。

サッカーは所謂「コンタクトスポーツ」である。一寸考えただけでも団体競技では他にもラグビーもあればバスケットボールがある。個人種目を考えてもレスリングや柔道はモロにコンタクト種目である。今回のウイルスの潜伏期間を2週間と設定してあるようなので、理論的には来日中の選手団の中からは、未だ未だここから先のPCR検査で陽性者が出ることを想定しておかねばならないのかも知れない。陽性者が出てしまえば、濃厚接触者も出てくることになるのだ。私は既に事と次第ではオリンピックを中断することがあり得ると言ったが、これも想定すべき事態だろうか。

報道ではハッキリとしていないが、空港の検疫で陽性者が発見されたのか、選手村内での検査での発見かが解らない。私が知りたいのは「我が国に入ってからの感染か、出国前のPCR検査の手抜かりで陰性だったものが、入国後に発症したのかなのである。入国後に陽性となったのであれば、我が国側には手落ちがなく、発生させた國の検査その他が杜撰だったことになるのではないか。でも、それとてもCOVID-19の恐ろしいところで、当該国に責任を問うことは出来ないと想定する。

このように色々と何時何処でどのような形で発生するかも知れない事態を想定してみると、尾身茂分科会長が指摘しておられた「良くそういうことを言われたものだ」と思わせられた「普通だったらこの状況下ではオリンピックはやらない」発言が強ち好い加減なものではなかったかのようにすら思えてくる。この先どのような不測の想定外の事態が発生するのだろうか。バッハ会長様は毅然として難問題に判断を下される用意があるのだろうか。話を変えて、想定可能である「選手たちの健闘」を祈って終わることにする。