新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

安倍晋三元総理が亡くなられて思う事:

2022-07-10 07:41:03 | コラム
安倍晋三元総理を失ったことは本当に残念だが:

岸田文雄総理を始めとする各政党の党首たちも、マスコミの論調も「卑劣なテロ行為である」か「テロによる言論の封殺は許されない」か「民主主義の冒涜である」ということで統一されている感がある。これらの論調と非難攻撃は正しいことであるとは思うが、私はどうしても違和感を覚える論調なのだ。

それは山上徹也が既に警察には「政治的信条や背景はない」と答えたと報じられていたし、取り調べが進むにつれて「母親がある宗教団体に入れ込んで多額の寄付を続け、遂には破産して家を売り払うことになった。その団体に安倍元総理が関係しておられると知り、安倍氏を憎み殺す以外ないと思った。その団体の指導者も狙ったが近寄れず、安倍氏を標的にした」と自供したとも報じられた。

私は愚かにして、山上のこれらの自供の何処に「言論の封殺」や「民主主義の冒涜」があるのかが良く解らないのだ。

矢張り私には当初の報道の通りで、政治的な信条も背景もないとしか聞こえない。即ち、間違っていたらご免なさいだが、私には「私怨」による蛮行だったとしか思えないのだ。政治家たちとマスコミは何故それでも、上記のように唱え続けるのかが理解できないのだ。確かにテロ行為はあってはならない行為だし、それによる言論の封殺もあってはならないことであると承知している。

岸田内閣や野党の議員たちやマスコミも「故安倍晋三元総理の輝かしき実績を称えて、逝去されたことを惜しむだけではなくて、故人の意志を継いで我が国をつい先頃の世界に輝く存在に戻すよう最善の努力をして、安倍晋三元総理の功績に報いたい」のように言って欲しかった。勿論、警備の不手際を非難することも必要だが、警察はこの度の失敗から学んで「要人の警護は如何にあるべきか」の体制を十分に整えるよう最善の努力をして欲しいのである。


安倍晋三元総理が狂弾(凶弾ではない)に倒れて

2022-07-09 09:19:20 | コラム
国として余りにも大きな損失だ:

私は政治家の誰もとマスコミが言う「卑劣なテロ」や「民主主義の冒涜」や「暴力による言論の封殺」などという高級な事案ではなく、単なる気が触れたかの如き男が犯した乱暴な犯罪だと受け止めている。マスコミ報道では、畏メル友のRS氏が指摘されたように「元海上自衛隊を強調しているのは自衛隊に対する印象を悪くして、憲法改正の邪魔をしようとする企みかと疑う。」を、その通りだと思う。

RS氏は更に「犯人が政治信条ではないと言っているにも関わらず、テレビでは憲法改正反対と間違った方向へと進めています。おかしな話です。日本の進め方の大きな転回点にあたり、こうした精神異常者に方向修正をされようとしています。こいつが誰にそそのかされたかを明らかにしないと第二のオズワルドになる可能性もあります。」とも指摘していた。

私は山上某が宗教団体と言っているのは、嘗てR会が安倍さんの支援団体だと聞いた記憶があり、「これが安倍さんの将来に禍根を残さねば」との懸念を表明していた筋もあった。この記憶が正しければ、将にとんでもない禍根となってしまった訳ではないか。

昨8日夜のPrime Newsでは元警視総監で内閣危機管理監だった米村敏朗氏が「警護の点では警察の大失態」とズバリと指摘されたのが、その通りだと思って承っていた。私はあれが警備上の抜け穴を狙われたのだとみている、それは、山上に安部元総理の背中側が完全に「ノーマーク」で「フリー」だと事前に読まれていたとしか見えない画像が流れたから言うのだ。今後はこれに懲りて要人の警備には医師と看護師を同行させてAEDも持参させるようになって欲しいものだ。

安部元総理が倒れてから「救急車!」と絶叫し「看護師さんがおられませんか」だとか「何方かAEDを持っておられませんか」と叫んでいたのは、とんでもない警備体制の不備である。「またアメリカの話か」と言われるだろうが、アメリカンフットボールのNFLの試合会場には、外科と整形外科の他に内科の医師も待機しているし、AEDは言うに及ばすCTは用意されていて、救急車も呼んであるのだ。

私の高校の同級生に、ある化学メーカーとフランスとの合弁の化学工場の常務兼工場長だった者がいる。彼が危機管理対策案を作れと要求され、最善と思うものを作ったらフランス側に却下されたそうだ。何故かと尋ねると「飛行機でテロを仕掛けられた際の対策が出来ていないから」と指摘されたとかだ。白人たちは、このように「そこまで考えているのか、いや、考えておかねばならないのか」という次元まで見ていると知ったと、回顧していた。

私も彼らの世界に20年以上もいたので、彼らが「そんな事はあり得ない」というような事態まで想定して、条件を考えて、契約書を作成したりするのを、実際に経験してきた。「そこまで想定しておく必要があるのか」と副社長に突っ込んだら「実際にそうなったときに、どうやって対処するかを考えて見よ」と一蹴されたことがあった。

イチロー君の契約には「ホームラン王を獲ったら」との項目がある。それは「そうならない保証などない」からだ。そのように考えるのが白人たちだから、その級友のように、厳しく思い知らされたことが何度もあった。要するに「想定可能な万が一」に配慮しておくことが肝要なのだ。

私が先を深読みして不安に感じることがある。それは「あの山上某は一人しか殺していないのでは、我が国の先例では死刑を宣告しないかも知れないし、更に終身刑がない我が国では精々無期懲役か」と考えている。それで、もしも模範囚にでもなれば、仮釈放にでもなるかも知れない気がするのだ。

昨日も指摘したことだが、今回の事件の究極の責任者は何処になるのかと誰になるのかだ。奈良県警が責任を負うとは容易に考えられるが、それだけで済む事案ではあるまい。政治面で不安に思うことは、岸田文雄総理は「防衛費の2%への増額は5年以内に」と安部元総理に反発していたことだ。最早岸田総理に苦言を呈する方がおられなくなるのでは「5年以内に」が現実味を帯びてきそうで怖いのだ。山上某はこの一点だけを考慮しても、とんでもない事をしたものだと指摘する。

謹んで安部元総理の冥福をお祈りして終わる。


7月8日 その2 安部元総理が銃撃された

2022-07-08 16:13:48 | コラム
我が国でこういう事が起きるとは信じられなかった:

本日の12時半頃にジムから帰宅して、テレビを点けると何となく様子が変だと思えば「安部元総理が銃撃されて心肺停止」との画面が出てきた。何がどうなっているのか不明だったが、こんな事が我が国で起きるとはと悲憤憤慨したし、驚いたし、呆れたし、哀しかったし、情けなかった。現時点では、ただただ安部元総理が一命を取り留められるよう願うだけだ。

報道を聞いていて、おかしな事もあるものだと感じた。それは、安部元総理の応援演説は昨晩決まったばかりで、それも当初は長野県に行かれるはずだったものを急遽変更して、奈良県の近鉄の西大寺駅前にされたのだそうだ。そして、11時10分からは他の弁士が2名語り、安部元総理は11時29分から演台に立たれたと報じられている。

事件の目撃者が語った所では、容疑者は総理が立っておられた背中側になる車道を歩いてきたので、「何をする気か」と思って見ていれば、総理の後ろの場所に到着した時にクルリと90度回って、背中から2発撃って命中し、倒れられたのだそうだ。別のスマートフォンで撮った画面では、女性がAEDを持って走り寄っていた。

私が何とも奇異に感じたことは、この奈良県在住の元海上自衛隊員だという容疑者が、如何なる手段で安部元総理があの場所であの時刻から演説をされると承知していたのと思うことと、容疑者は以前から機会があれば安部元総理を狙おうと改造銃(または拳銃)を用意していたのかという点なのだ。もしも、地元のニュースで「安部氏来たる」と知ったとしても、あれほど早く銃を準備できて現場に到着できたのは何故かと問いたい。

しかも、彼は的確に安倍氏が立たれる時刻と場所を知って車道を誰にも止められずに徒歩でやって来ているのだ。しかも、どうやら、2発とも命中させたようだ。海上自衛隊でも、そこまでの銃撃の訓練をするのかと思った。でも、訓練されたから当てたのだろうと思ってしまう。

SPが警護に任に当たって、警備している要人を、身を挺してスナイパーから守るというのは、アメリカの映画での絵空事だと思っていた。そのような事件が我が国で現実に起きて、SPたちが直ちに容疑者に推し重なって抑えていた画面を見て、善くぞ訓練通りに出来たものだと感心していた。

山形県から自衛隊のヘリコプターで官邸に戻られた岸田総理が記者会見をされて(「涙目で」とした局もあったが)質問を受けられた。だが、答えの内容は矢張り具体性がなく、テレビ報道の域を出ていなかった。私は、ここから先は我が国における最大級と言うか最高級の要人の警護が不十分だったとの責任を、誰が負うのかに関心も興味もある。岸田総理にはもっと具体性がある事を語って欲しかったと言いたいのだ。

何れにせよ、今後我が国ではGDPの2%に当たる国防費の増額は必要だと思うが、今回のような不測の事態が二度と生じないように、要人警備(「テロ」でも良いだろう)の予算の増額も必須だと思わずにはいられない。岸田文雄総理にはより国防とテロに対する警備の両面に具体的な態勢を整えるようにご準備を願いたいものだ。


テレビも新聞も説明不足ではないか

2022-07-08 08:21:54 | コラム
尼崎市のUSB紛失問題に思う事:

マスコミ報道では「尼崎市が業務をBIPROGYという聞いたことがないような会社に(随契で)委託し、その業務が再々委託先に出されていた」となっていた。リタイアしてから28年も経てばそういう関連の業界には名も知らぬ会社があり、市役所から委託されるのかと思ってみていた。

所が、話が進むに連れて、BIPROGY(日本ユニシス)と出てきたし、その業務が随意契約だったとも報道され「何をしているのか」と疑問に思った。公開入札であるべきではないのかということ。

更に、日本ユニシスがBIPROGYに社名変更をしていたのであれば、その辺りをもう少し適切に報道しておいて欲しかった。日本ユニシスだったならば、私は承知していた。元はと言えば三井物産系の日本ユニバックのことで、その分野では歴とした会社である。そこで、検索して見れば、去る4月に社名が変更されていて、同社の年間の売上高が3,000億円超であると解った。

私が「尼崎市役所は名も知らぬ会社の委託したのか」と思って検索したのだし、テレビも新聞も「BIPROGY社とは如何なる会社か」くらいの説明を付けておいた方が良くはないのかと指摘しておきたい。

他にも意外な発見もあった。日本ユニシスであれば東京ビッグサイトに行く都バスの路線に「日本ユニシス本社前」という停留所があるのだ。いや、あった事も判明した。COVIDの襲来以来以後は某商社のファミリーフェアーにビッグサイトに行かなくなったので、このバスの停留所が日本ユニシスの社名変更に伴って「春海橋」に変わっていたとは知らなかったのだ。新型コロナウイルスは意外な所で、我が方にも小さな影響を及ぼしていたのだと知ったのだった。

私が言いたいことは、IT関連というのだろうが、あのようなコンピュータ関連の業界に関心のない方はBIPROGY、即ち元日本ユニシスと聞かされても、どのような会社かは解らないだろう。その前に「また変な横文字の会社が出てきたか」くらいの印象しかないだろう。だが現実は、そのような会社が随契で請け負った上に再々下請けに委託して、その孫請け会社の社員が泥酔して危うくUSBを紛失する所だったのだ。「何をしているのか」ではなかったか。

ここで、話を少し本筋から離すが、カタカナ語排斥論者としては「これで良いのかな」と思う記事を産経新聞に発見したのでその一部を抜き取って引用し、読者諸賢が「これで良いのだ」と看過されるかどうかを伺って見たいのだ。

>引用開始
市の個人情報にアクセスするためのIDやパスワードを付与され、約20年以上にわたりプロジェクトリーダーのように遇されていながら、周囲の人間が正確な所属を知らないという不思議。それは責任の所在の不正確さという、ガバナンスの不備に直結する。男性が単なる酔っ払いから“ゴースト”風の装いを帯びるに連れ、問題の深さも明らかになってきた。
<引用終わる

この記事自体は極めて真っ当な内容の指摘である。では、「何を問題にしたいのか」と問われそうだが、私が「どうしてかな」と奇異の感にとらわれるのが「ガバナンス」(=governance)なのだ。「統治能力」を意味するらしい。だったら、何でそう漢字の熟語で表現しないのか。この単語は、何方だったが誤って「ガバナビリティー」(governability=被統治性)と言ったので、それは「ガバナンスの誤りだ」と指摘されたことに始まっている。

私に言わせれば、先ず「何故、漢字の熟語を使わないのか」であり、次には「20年以上もアメリカの大手企業に属していながら、副社長かそれよりも上の経営者たちが“governance”だの“governability“などいう言葉を使うのを聞いた記憶は皆無だった」なのだ。

私は文語乃至は専門用語としては存在するのだろうと思っているが、日常の業務の中で出会ったことがない。そういう種類の言葉がカタカナ語になって、当たり前のように報道の中で使われ、政治家が得々として使うのは不思議だと思う。漢字の言葉の軽視は止めた方が良いのではないのか。


盛者必衰

2022-07-07 08:15:58 | コラム
スワローズが二連敗:

去る3日にTBSの「天晴れ」と「喝」の時間に登場した落合博満と中畑清が異口同音に「スワローズがこのまま優勝するとは思わない。過去に10ゲーム差をひっくり返した例もあった」と指摘していた。中畑清がジャイアンツ寄りのことを言うのは毎度のことなので迫力はないが、落合博満が言えばそれなりの重みを感じさせる。それを聞いていて思いだしたことが「盛者必衰」だった。

私は何十年も前から「今好調な会社は、遠からぬ将来不振に陥る。好調が永遠に続くなどあり得ない。好景気だった同様だ。盛者必衰と言うではないか」と主張してきた。古い例を持ち出せば、1950年代初頭には「三白景気」と言って、紙、砂糖、セメント会社が全盛を誇っていた。

だが、1955年に私が紙パルプメーカーの販売部門の会社に新卒で雇って頂いた頃には、「紙」はほぼ没落していた。砂糖とセメントの好景気も長続きはしなかった。こんな古い例を持ち出すまでもなく、今日までにどれほど多くの産業と会社が「盛者必衰」の実例を示してきたことかを考えて見れば解ること。

海外の例を見ても、中国が世界第2の経済大国とやらに大成長を遂げる間に唱えてきた「保八」(GDPの成長率8%を維持する)などを持て囃してきた媚中派がどれほどいたかを考えて貰いたい。21世紀も22年にもなった現在では、中国の経済の破綻を唱える者がどれだけ増えたことか。尤も、この国には「驕る平家は久しからず」の方が当て嵌まるのかも知れないが。

そこで、スワローズである。マスコミなどは気楽なもので「2勝1敗の勝ち越しが14回も続いている」と騒ぎ立て、マジック点灯と明日にもスワローズが優勝するかのようなことを言っていた。高津監督にした所で「話はそんなに甘くはない」と解っているだろうと思う。

私は5日から始まったジャイアンツとの3連戦の全敗もあるだろうと見ていた。それは対抗戦中からホームランを打ちまくっていた村上宗隆の調子が明らかに下降線であり、山田哲人は「ここぞ」ではない時でも打てないし、中村悠平は9回でなければ打たないし、5番打者にしようかと新規に雇った外国人はまるで役立たずだったし、3年目の長岡が頼りのようでは、昨夜の延長戦でのサヨナラ負けも止むを得まいと思う。好調期は終わったと見ている。

投げる方では小川が通用しなかったが、そういう時もあるくらいに割り切っておくべきだろう。今夜は恐らく石川だろうが、息を吹き返してきたかの感があるジャイアンツの打者と、原監督が敢えて使っているのだろう育成上がりを含めた若手には、石川の練達熟練の技巧は通じないかも知れないと思う。

昨夜も、スワローズが長岡のヒットで同点に追い付いて延長に持ち込んだ所まで見て、スワローズの勝ちはあるまいと割り切って寝てしまった。ジャイアンツの三連勝もあるかも知れない。だが、その好調を維持してスワローズを追い落とせるかどうかなどは「神のみぞ知る」ではないか。

話はガラッと変わるが、昨夜のPrime Newsに出演された真田教授と鈴置氏はアメリカを中心とする西側勢力とロシア対中国連合軍に追随する諸国との間の軋轢を尻目に、旗幟を鮮明にせず巧みに立ち回るインドとトルコの強かさと抜け目の無さを取り上げておられたのが印象的だった。この間の遣り取りでは、何処かの総理大臣の生真面目な姿勢に対する不安感が滲み出ていた。

回りくどいことを言ってきたが、私は一歩先のことを見通すのだって難しいのに、数十歩もの先を読めるのかということだと思っている。業界のある長老は「新卒で就職する会社を選ぶのは至難の業である。それは言うなれば、株式市場に打って出て不見点で信用買いをするのにも等しいこと。良い会社だと思っても、今が絶頂期で後は下がっていくだけかも知れないじゃないか」と言っておられた。