1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

第31吉進丸の乗組員引渡しをめぐって

2006-09-01 | ラジオ
8月30日ロシアは、8月16日に密漁の疑いで拿捕された日本の漁船第31吉
進丸乗組員の内、二人の船員を日本側に引き渡した。
これに関して、ロシアの声の評論委員は、次のようにコメントをまとめている。

30日の朝、ロシア沿岸警備隊の船は露日国境付近の海上で、北海道庁の
漁業取締船北王丸と接触し、第31吉進丸の船員、川村さんと紙屋さんを引
き渡した。この引渡しに先立ち、サハリン国境警備局の指導部と、日本側の
代表団が会談を行い、短い話し合いの中で南クリル諸島いわゆる北方四島
の海域における。漁業問題等に付いて意見を交わした。
また川村さんと紙屋さんはロシア側の取調べの結果、第31吉進丸がロシア
の領海で、不法に操業していたという事実を知らなかったことが明らかになっ
た。
一方、第31吉進丸の坂下船長は、全ての責任が自分にあることを認め、国後
島に拘留されたままとなっている。すでに坂下船長はロシアの国境侵犯と密
漁の容疑で起訴されている。さらに坂下船長は取調べに答え、ロシアの領海
内であることを知りつつカニの密猟を行っていた。国後島を訪れ、坂下船長に
インタビューを実施した毎日新聞の記事によると、坂下船長は、そこにカニ
いるが判っていたから、領海侵犯であると知りつつ現場に向かったと話してい
る。さらに坂下船長は自分の行動が多くの問題を引き起こし、船員の一人が
命を失ってしまったことに対し、御詫びの言葉を述べている。
今後、坂下船長はロシアの法廷で有罪判決を受けた場合、最大で2年の自由
剥奪と、罰金50万ルーブルおよそ1万9千$の支払いを求められる可能性があ
る。
また第31吉進丸自体も、密漁による損害を補償するため、裁判所の決定次第
では競売にかけられるものと見られている。

第31吉進丸の船員達は9日の間、最も設備の良い露日友好の家に収容されて
いた。そしてその後の5日間はビザ無し交流の枠内で、北海道の代表団が国後
島を訪れたため、友好の家を明け渡し他へ移される。また8月28日には在モス
クワ日本大使館の代表たちがロシア側に呼び出され、南クリル海域で日本の多
くの漁船が国境を侵犯したことに付いて強い抗議をした。
この出来事は8月27日の朝に起きたもので、日本の漁船39隻がハボマイ諸島付
近でロシアの国境を越えている。これらの漁船はロシアの国境警備隊からの警告
をも無視し、ロシアの警備艇が現場海域に近づくと日本の領海内に戻ったと言う。
ロシア外務省は日本の漁船のこうした行動に付いて、露日関係を損なうばかりで
なく、両国の漁業問題に関する具体的な協力にも否定的な影響を与える、脅迫行
為だとの見方を示している。
さらにロシアは日本に対し、今後このような行動が繰り返されることの無いよう直ぐ
に然るべき措置を行うことを求めている。

「北方領土」上陸記

文藝春秋

このアイテムの詳細を見る

8月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル