8日、中東歴訪を開始したアメリカのブッシュ大統領は、パレスチナ・イスラエル
間の和解を目指したい考えだ。
ブッシュ大統領はアメリカのアナポリスで開かれた、中東和平会議終了後、動き
の無いままとなっている、パレスチナ・イスラエル間の対話の行き詰まり状態を
打開しようと試みている。
アメリカ政府はパレスチナ・イスラエル紛争の解決に、切実な関心を示している。
と言うのもこの問題が解決されないということは、中東におけるアメリカの政策が
全面的に失敗に終わったことを意味しているからだ。
アナポリスの会議にパレスチナとイスラエルの代表者らを集め、何らかの相互理
解を得るために、アメリカの外交官らは多大な努力を図った。
またパレスチナ・イスラエル間の対話を再現させることが出来たことは、アメリカ国
務省の大きな功績であると考えるのも、十分に理に叶ったことだと言えるだろう。
しかしながらアナポリスでの和平会議から一ヵ月半後、パレスチナとイスラエルは
国際的な仲介者存在無しに、何らかの合意に達する状態ではないことがハッキリ
した。

パレスチナとイスラエル間の対立は余りにも深く、専門家レベルの協議も最高レベ
ルの協議も、何の成果ももたられていない。
しかもパレスチナ・イスラエル双方と共に譲歩する意思が無い。
このことは昨年12月にエルサレムの占領地での、イスラエル居住区の建設問題に
付いて、話し合いを実施したときにも明確となっている。
居住区の建設に付いて、包括的中東和平プランいわゆるロードマップの原則に反
するとして、その中止を求めるパレスチナの要求をイスラエルは理解することが出
来ずにいる。
一方イスラエルは再三にわたって要求している、安全保障問題に付いても同様の
ことが言える。
パレスチナの全地域がアッバス議長の管理下に置き、ガザ地区が過激主義勢力
ハマスの手中にあるという状態で、イスラエルはどうして自国の安全保障を要求す
ることが出来るのだろうか。
そこで分裂したパレスチナを統一することこそが、中東和平の条件の一つとなって
いる。
これに付いてロシアのラブロフ外相は、次のようにコメントしている。
「アッバス議長を法的な指導者としてパレスチナ民族を再統一させ、また統一された
パレスチナの権力組織を保障するような方法を積極的に模索することが必要不可
欠だ。
何故なら今年末までに和平合意を結び、パレスチナ国家建設の条件に付いて協議
するという課題が据えられている以上、パレスチナ国家はヨルダン川西岸及びガザ
地区が含まれる可能性があることは明らかだからだ」
ラブロフ外相は、このように述べている。
パレスチナとイスラエルを接近させるためのブッシュ大統領の努力は、どれほどの成
果を挙げるのかは不明だ。
しかしハッキリと言えるのは、ブッシュ大統領が調停者として中東歴訪を終えること
は無いだろうということだ。
アメリカにはあらゆる対立を調整する力は無い。
中東和平プロセスには大国だけでなく、紛争の当事国を含めた全ての国の相互理解
が必要とされているのだ。
1月9日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


間の和解を目指したい考えだ。
ブッシュ大統領はアメリカのアナポリスで開かれた、中東和平会議終了後、動き
の無いままとなっている、パレスチナ・イスラエル間の対話の行き詰まり状態を
打開しようと試みている。
アメリカ政府はパレスチナ・イスラエル紛争の解決に、切実な関心を示している。
と言うのもこの問題が解決されないということは、中東におけるアメリカの政策が
全面的に失敗に終わったことを意味しているからだ。
アナポリスの会議にパレスチナとイスラエルの代表者らを集め、何らかの相互理
解を得るために、アメリカの外交官らは多大な努力を図った。
またパレスチナ・イスラエル間の対話を再現させることが出来たことは、アメリカ国
務省の大きな功績であると考えるのも、十分に理に叶ったことだと言えるだろう。
しかしながらアナポリスでの和平会議から一ヵ月半後、パレスチナとイスラエルは
国際的な仲介者存在無しに、何らかの合意に達する状態ではないことがハッキリ
した。
パレスチナとイスラエル間の対立は余りにも深く、専門家レベルの協議も最高レベ
ルの協議も、何の成果ももたられていない。
しかもパレスチナ・イスラエル双方と共に譲歩する意思が無い。
このことは昨年12月にエルサレムの占領地での、イスラエル居住区の建設問題に
付いて、話し合いを実施したときにも明確となっている。
居住区の建設に付いて、包括的中東和平プランいわゆるロードマップの原則に反
するとして、その中止を求めるパレスチナの要求をイスラエルは理解することが出
来ずにいる。
一方イスラエルは再三にわたって要求している、安全保障問題に付いても同様の
ことが言える。
パレスチナの全地域がアッバス議長の管理下に置き、ガザ地区が過激主義勢力
ハマスの手中にあるという状態で、イスラエルはどうして自国の安全保障を要求す
ることが出来るのだろうか。
そこで分裂したパレスチナを統一することこそが、中東和平の条件の一つとなって
いる。
これに付いてロシアのラブロフ外相は、次のようにコメントしている。
「アッバス議長を法的な指導者としてパレスチナ民族を再統一させ、また統一された
パレスチナの権力組織を保障するような方法を積極的に模索することが必要不可
欠だ。
何故なら今年末までに和平合意を結び、パレスチナ国家建設の条件に付いて協議
するという課題が据えられている以上、パレスチナ国家はヨルダン川西岸及びガザ
地区が含まれる可能性があることは明らかだからだ」
ラブロフ外相は、このように述べている。
パレスチナとイスラエルを接近させるためのブッシュ大統領の努力は、どれほどの成
果を挙げるのかは不明だ。
しかしハッキリと言えるのは、ブッシュ大統領が調停者として中東歴訪を終えること
は無いだろうということだ。
アメリカにはあらゆる対立を調整する力は無い。
中東和平プロセスには大国だけでなく、紛争の当事国を含めた全ての国の相互理解
が必要とされているのだ。
![]() | 平和を破滅させた和平―中東問題の始まり(1914‐1922)〈上〉 デイヴィッド フロムキン,David Fromkin,平野 勇夫,畑 長年,椋田 直子 紀伊國屋書店このアイテムの詳細を見る |
1月9日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
