読書。
『桐島、部活やめるってよ』 朝井リョウ
を読んだ。
甘酸っぱさもあるんだけれど、苦みや辛みも含んでいる青春小説。
今の世代の子たち(高校生)は、僕らがそうだった頃に比べると、
空気が良きにつけ悪きにつけ鮮明になっているなぁと感じました。
スクールカーストなんて呼ばれる、校内での生徒間の地位の在り様なんかが特にそうですね。
著者は19歳でこの作品を書いたそうです。
憎しみも憧れも奢りもなく、しっかり淡々と同世代を対象化して書いていて、すごいです。
それぞれ、サブのキャラクターたちには「それでいいのかよ」と言いたくなる人がいますが
(だといって、そう言っても、笑い飛ばされて終わりになるような人だと思いますが)
それぞれの章の主人公たちには、どこか、愛情を持ちながらそれぞれ読めて、
応援したり見守ったりしなくても、その存在を知るだけでこっちも嬉しい気持ちになれるような
人だなぁと感じました。もしも、ヘルプを求められれば、しょうがねぇな、なんて言いながらも
すぐさま手を貸してあげてもいいぞと思えるタイプの人たちです。
そういう思いって、きっと、僕らが高校生のときとかに、上の世代で同じように思っていた人がいただろうし、
もしかすると、今でも、上の世代の人は下の世代にそういう温かな目を向けているのかな
なんて思ったりもしました。そういう、上の世代から下の世代へと見てあげる感じって、
昔っからあるのかもしれないですね。
高校生たちは、窮屈を窮屈とも嘆かずに、そうあるものだとして生きている。
その窮屈さは浅薄な価値観によってできあがっていたりもするんだけれど、
それに気付くのはもっと年を取ってから。
そして、きっと、見守る立場の僕らが思うように、そんなきらきらした大事な年頃の時代を、
そんな浅薄な価値観で彩ってしまったことを、その後、残念に思ったりもするのだろうし、
残念にも思わずに、自分の子どもたちに伝えていって同じことを繰り返そうとする場合も
あるのかもしれないと思いました。
面白かったです。
文章も読みやすいうえに描写がこまかく人の気持ちを丹念に追っていました。
映画化もされて、そっちも賞を取ったような記憶がありますが、
それも機会があれば観てみたいです。
『桐島、部活やめるってよ』 朝井リョウ
を読んだ。
甘酸っぱさもあるんだけれど、苦みや辛みも含んでいる青春小説。
今の世代の子たち(高校生)は、僕らがそうだった頃に比べると、
空気が良きにつけ悪きにつけ鮮明になっているなぁと感じました。
スクールカーストなんて呼ばれる、校内での生徒間の地位の在り様なんかが特にそうですね。
著者は19歳でこの作品を書いたそうです。
憎しみも憧れも奢りもなく、しっかり淡々と同世代を対象化して書いていて、すごいです。
それぞれ、サブのキャラクターたちには「それでいいのかよ」と言いたくなる人がいますが
(だといって、そう言っても、笑い飛ばされて終わりになるような人だと思いますが)
それぞれの章の主人公たちには、どこか、愛情を持ちながらそれぞれ読めて、
応援したり見守ったりしなくても、その存在を知るだけでこっちも嬉しい気持ちになれるような
人だなぁと感じました。もしも、ヘルプを求められれば、しょうがねぇな、なんて言いながらも
すぐさま手を貸してあげてもいいぞと思えるタイプの人たちです。
そういう思いって、きっと、僕らが高校生のときとかに、上の世代で同じように思っていた人がいただろうし、
もしかすると、今でも、上の世代の人は下の世代にそういう温かな目を向けているのかな
なんて思ったりもしました。そういう、上の世代から下の世代へと見てあげる感じって、
昔っからあるのかもしれないですね。
高校生たちは、窮屈を窮屈とも嘆かずに、そうあるものだとして生きている。
その窮屈さは浅薄な価値観によってできあがっていたりもするんだけれど、
それに気付くのはもっと年を取ってから。
そして、きっと、見守る立場の僕らが思うように、そんなきらきらした大事な年頃の時代を、
そんな浅薄な価値観で彩ってしまったことを、その後、残念に思ったりもするのだろうし、
残念にも思わずに、自分の子どもたちに伝えていって同じことを繰り返そうとする場合も
あるのかもしれないと思いました。
面白かったです。
文章も読みやすいうえに描写がこまかく人の気持ちを丹念に追っていました。
映画化もされて、そっちも賞を取ったような記憶がありますが、
それも機会があれば観てみたいです。