Fish On The Boat

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『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』

2014-12-14 00:19:09 | 読書。
読書。
『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』 宮藤官九郎 みうらじゅん
を読んだ。

タイトルだけ読むと、
なんだかセンチメンタルでロマンティックな印象を持ちます。
思春期的な純粋さでもって語り合っているのかもしれない、と
本書を手に取ったのですが、そこは立ち読みできないアマゾンでしたから、
購入して読み始めてみて、その下ネタぶりにひっくりかえりました。
いやいや、下ネタがきらいってことじゃないんですよ。
まだ僕には修行が足りないので、まぶしいなこのひとたち、
と思って読んでしまうんです。
まぶしいというのは、つまり照れが僕の中に、
いくばくか存在しているということです。
そんな、眩しさに目を細めながら、くすくすと笑った読書でした。

ほぼ全編下ネタなのですが、ところどころ珍しく、
シラフみたいな普通の話も出てきます、それも最後らへんに。
そういうのも、エロトークも含めてなぜかタメになります。
そこは創造的で攻撃的な話題の繰り広げ方があるからです。

宮藤さんは、なんだか、エロトークをこなしながらも、
みうらさんに恐縮しているのか、好青年的な、
比較的まっとうな話し方といった感じ。

みうらじゅんさんは堂に入ったエロトークとウィットがもう、
自由業に両足浸かってから長いんだろうね、って思えるほど
遊び慣れているところから出てきている感じで、
さらにくったくない印象を受けました。
そして、ふざけた感じのみうらさんから時々するどい視点からの
言葉が飛び出していました。
そういうところを総合して、みうらじゅんさんの魅力の深いところ
なんでしょうねえ。

浴衣着た二人の写真が表紙なのが内容をほのめかしています。
旅館の一室で酒飲みながら気持ちよくダベってる感覚。
プレイボーイ誌の連載をまとめたものだったそうですが、
立派な装丁で、タイトルでこの内容というのはアリなんだなと、
そのロックさを讃えたいくらいです。いや、讃えましょう。

こういう下ネタ対話から、
あぶり出されたり、ベールをはがすことができたりして、
見えてくる現実や本質ってあるなぁというのが、感想です。


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