読書。
『きことわ』 朝吹真理子
を読んだ。
4,5年前の芥川賞作品です。
著者は若くてきれいで話題になりましたよね。
さて、
表層的には、言葉遣いの趣味がいい文学作品という印象。
知らない言葉や、頭の奥に眠っていて
これを読むことでそこから起こされた言葉などが多くありました。
よくそんなに言葉を知っているなぁと感嘆しました。
さらに、そういった言葉を使うことで、
うまく言い得ているために、表現の奥行きが深まっています。
難しい言葉には難しい言葉なりに、
こめられた意味の深さがあるもんなんですねぇ。
内容に関しては、
他愛なく、おしなべて言えば、平板なのですが、
一様ではないんですよね。
品がよくて、驚きの無い小さな万華鏡みたいな変わり映えのし方かなぁ、
あんまりうまく言えていませんけれど。
濃密だけれど、むせることはない空気感、
時空の濃密さをできるだけとらえた、みたいな文章です。
5秒刻みで知覚しているのがふつうの人だけどすると、
この著者は2秒刻みで世界を表現しているというように
感じられるところもありますね。
主人公の貴子と永遠子の二人がひとしい扱いで、
ヒロインとして両立しています。
そこらへんは、二人が一緒に出てきた時にもそうなので、
うまく書いているなと思いました。
二人の主観がからみあうからこそ、
この作品のさらっとしているんだけど濃密という感覚を
作り出せているのではないか。
しりすぼみにならずに、
ちゃんと最後まで表現をあきらめていない。
汗臭くではない感じで、全力を尽くしている。
だからこそ、言葉の勉強になる作品だと思いました。
小説を書く人にも、勉強になるでしょう。
130ページ弱の中編ですけれども、
さらさらっと読み飛ばせない言葉遣いなので、
それなりに読むのに時間はかかりますし、
負荷もありますが、
そこは作品の方に身をゆだねて、
文学の世界に浸ってみるのがよろしいのではないでしょうか。
『きことわ』 朝吹真理子
を読んだ。
4,5年前の芥川賞作品です。
著者は若くてきれいで話題になりましたよね。
さて、
表層的には、言葉遣いの趣味がいい文学作品という印象。
知らない言葉や、頭の奥に眠っていて
これを読むことでそこから起こされた言葉などが多くありました。
よくそんなに言葉を知っているなぁと感嘆しました。
さらに、そういった言葉を使うことで、
うまく言い得ているために、表現の奥行きが深まっています。
難しい言葉には難しい言葉なりに、
こめられた意味の深さがあるもんなんですねぇ。
内容に関しては、
他愛なく、おしなべて言えば、平板なのですが、
一様ではないんですよね。
品がよくて、驚きの無い小さな万華鏡みたいな変わり映えのし方かなぁ、
あんまりうまく言えていませんけれど。
濃密だけれど、むせることはない空気感、
時空の濃密さをできるだけとらえた、みたいな文章です。
5秒刻みで知覚しているのがふつうの人だけどすると、
この著者は2秒刻みで世界を表現しているというように
感じられるところもありますね。
主人公の貴子と永遠子の二人がひとしい扱いで、
ヒロインとして両立しています。
そこらへんは、二人が一緒に出てきた時にもそうなので、
うまく書いているなと思いました。
二人の主観がからみあうからこそ、
この作品のさらっとしているんだけど濃密という感覚を
作り出せているのではないか。
しりすぼみにならずに、
ちゃんと最後まで表現をあきらめていない。
汗臭くではない感じで、全力を尽くしている。
だからこそ、言葉の勉強になる作品だと思いました。
小説を書く人にも、勉強になるでしょう。
130ページ弱の中編ですけれども、
さらさらっと読み飛ばせない言葉遣いなので、
それなりに読むのに時間はかかりますし、
負荷もありますが、
そこは作品の方に身をゆだねて、
文学の世界に浸ってみるのがよろしいのではないでしょうか。