Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『会社で起きている事の7割は法律違反』

2015-12-20 00:00:08 | 読書。
読書。
『会社で起きている事の7割は法律違反』 朝日新聞「働く人の法律相談」弁護士チーム
を読んだ。

労働基準法や派遣法など、労働に関する法律に照らしながら、
「それって法律違反じゃないの?」といういろいろな困ったケースに
答えを出してくれる本。

こないだ聞いたことなんだけれど、
派遣社員の差別は小さい会社のほうがありがちだということです。
そして、たとえばそのひとの能力や経験を考えて仕事を振らないといけないのに、
いきなり全開の仕事をまかされたりするそうで。
そういうのは、パワハラになるというけれど、
パワハラはセクハラと違って法律で取り締まられていないみたい。
パワハラを規定する法律がない。

それでも、労働局が相談になってくれるみたいです。
でも、セクハラもそうだけれど、
パワハラは被害を被害者が主観で語らなければならず、
客観的証拠をあげにくいところが、取り締まりの難しさだということです。
また、主観で「これはきつかった」と言っても、
「一般的に見たらふつうですよ」なんて、
加害者である上司などから返されたりすることもあるだろうし、
その線引は難しいだろうなあ。

と、まあ、パワハラに限っただけでも、本書でかるくさささと読んでみても、
なかなか濃厚な感じにあたまが味わっています。
ひとつのケースについて割く紙幅は2ページかそこらですが、
それでもいろいろと覚えておくと良いようなキーワードが得られるので、
そこからまた労働に関する違う本を読んで、知識を強化したり、
WEBで調べてみたりするのに役立つでしょう。
詳しい人と話すためのとっかかりにもなって、
そこから知識が広がることもあると思います。

また、厚生年金の加入範囲が緩和されたという話もありました。
厚生年金をかけられる基準が緩和されたのは、
年金が切羽詰まっているからだとも言われているそうだけれども、
はたして、パート労働者と国のWIN&WINなのかどうか。

それと、ブログやSNSで職場の話を書くのは危険だということです。
おいらも気をつけよう・・・、危ないや・・・・。

ブラック企業が跋扈し、
ピンハネをする人材派遣業者が大きな顔をしている昨今です。
そういうものに少しでも対抗するには、労働者の結束が必要になってくるのでは、
と思ったのですが、やはり昔からありますよね、労働組合というものが。
しかし、最近では労働組合の加入率もかなり落ちているようです。
そこには、非正規労働者となっている人が増えたがためという理由もありそうですが、
なんとなしに、選挙の投票率の低下と似たような要素があるのではないかなという気もするのです。
「あきらめ」「無力感」などのようなものなのでは、と推測するところなのですが、
どうなんでしょうねぇ。


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