読書。
『百瀬、こっちを向いて。』 中田永一
を読んだ。
恋愛短編小説集。
甘酸っぱくも、ときにユーモラス、ときにコミカルで、
簡便な言葉遣いで進んでいきますが、
存分にハートをつかまれてしまうおもしろい作品群でした。
イージーな言葉遣い、とくに平仮名を多用するのは、
若い人の中でも、あまり本を読まないようなひとでも
楽しんで読めるためなのかなあ、
そういう層を中心視したエンタメなのかなあと思いました。
とはいえ、僕みたいなアラフォー男が読んでも、
「おもしろかったーー!」とたいへん気持ちがよくなるくらい、
ちゃんとした作りです。
語られることは懐かしい気持ちにさせるところもあるけれど陳腐じゃないし、
読書時間が好い時間として過ごせました。
そうなんですよね、
人によっては文章の簡便さゆえに
物足りない恋愛小説かもしれないですが、
僕にとっては大切なものが語られているなあと思える作品群だったのですよ。
このくらいのイージーさでちゃんと楽しませてくるものを作られると、
書き手としてはプレッシャーになる(アマチュアだとしても)。
とくに今書いているものが難産だと余計に。
表題作の「百瀬、こっちを向いて。」は出会いがしらの序盤こそ、
ライトノベルって読んだことが無いけれど、
これがライトノベルっていう感覚の文章なのかな、と感じましたが、
1/3くらいを過ぎるとじっくり読めるものとして、
文章を目で追っていました。
最後の作品、「小梅が通る」がこのなかでもかなりお気に入りになりました。
無事平穏にきらきらとして、さして大きな問題も無い日常を過ごしている人より、
コンプレックスがあったり問題を抱えていたりして、
日常を過ごすのすら息苦しさがあったりする人が主人公のほうが、
読んでいるこっちの気持ちがほぐれてくるというか、
やさしくなってくるのはどうしてなのでしょう。
本作品集、4編のうち、3編の主人公が女子です。
男性作家で女子の一人称でおもしろいのは太宰治の「女生徒」ですが、
太宰のライバル格としてもいいくらい、
今作の女子目線短編は面白かったです。
女子のなまめかしさみたいなのがでてくると、もうノックアウトでしょう、
そのあたりを突き詰めるのは書き手としておもしろいかも、
と無責任かつ無邪気に思い浮かべてみるのでした。
本作こそ、おすすめしたいなあと思える本です。
『百瀬、こっちを向いて。』 中田永一
を読んだ。
恋愛短編小説集。
甘酸っぱくも、ときにユーモラス、ときにコミカルで、
簡便な言葉遣いで進んでいきますが、
存分にハートをつかまれてしまうおもしろい作品群でした。
イージーな言葉遣い、とくに平仮名を多用するのは、
若い人の中でも、あまり本を読まないようなひとでも
楽しんで読めるためなのかなあ、
そういう層を中心視したエンタメなのかなあと思いました。
とはいえ、僕みたいなアラフォー男が読んでも、
「おもしろかったーー!」とたいへん気持ちがよくなるくらい、
ちゃんとした作りです。
語られることは懐かしい気持ちにさせるところもあるけれど陳腐じゃないし、
読書時間が好い時間として過ごせました。
そうなんですよね、
人によっては文章の簡便さゆえに
物足りない恋愛小説かもしれないですが、
僕にとっては大切なものが語られているなあと思える作品群だったのですよ。
このくらいのイージーさでちゃんと楽しませてくるものを作られると、
書き手としてはプレッシャーになる(アマチュアだとしても)。
とくに今書いているものが難産だと余計に。
表題作の「百瀬、こっちを向いて。」は出会いがしらの序盤こそ、
ライトノベルって読んだことが無いけれど、
これがライトノベルっていう感覚の文章なのかな、と感じましたが、
1/3くらいを過ぎるとじっくり読めるものとして、
文章を目で追っていました。
最後の作品、「小梅が通る」がこのなかでもかなりお気に入りになりました。
無事平穏にきらきらとして、さして大きな問題も無い日常を過ごしている人より、
コンプレックスがあったり問題を抱えていたりして、
日常を過ごすのすら息苦しさがあったりする人が主人公のほうが、
読んでいるこっちの気持ちがほぐれてくるというか、
やさしくなってくるのはどうしてなのでしょう。
本作品集、4編のうち、3編の主人公が女子です。
男性作家で女子の一人称でおもしろいのは太宰治の「女生徒」ですが、
太宰のライバル格としてもいいくらい、
今作の女子目線短編は面白かったです。
女子のなまめかしさみたいなのがでてくると、もうノックアウトでしょう、
そのあたりを突き詰めるのは書き手としておもしろいかも、
と無責任かつ無邪気に思い浮かべてみるのでした。
本作こそ、おすすめしたいなあと思える本です。