読書。
『価格と儲けのカラクリ』 神樹兵輔・21世紀ビジョンの会
を読んだ。
世の中に様々な商売があり、様々な商品がありますが、
それらの価格(原価や儲けなどがどのような構成比になっているか)
などを解説した本。
たとえば、ガソリンの価格では、
リッター160円のガソリンを給油したとすると、
リッター当たりのガソリンスタンドの儲けは5円程度だそう。
また、一皿108円(税込)の回転寿司の、その一皿の儲けも大体5円くらいだと。
薄利多売でやっていけるかどうか、みたいな商品だなあと思いました。
一方で、原価率が低く粗利率の高い商品も存在します。
化粧品やホテルの宿泊代、などがそう。
また、アウトレットモールでの買い物は消費者にとっても得だし、
販売者にとっても都合がいいだとか、
100円ショップでは、同じ100円の商品でも、原価が5円程度のものもあれば、
100円を超えているものもあり、それらを合わせた平均値で、
原価率がそれ相応に保たれていたりするようです。
65のトピックそれぞれに、なかなか考えさせられる「内情」が書かれています。
単なる惹句だと思えた書名にある「カラクリ」という言葉に対して、
どんどん読み進めるうちに、
「このカラクリという言葉は言い得ている」と、その印象を改めたくらいです。
それだけ、商売の世界って不要領に出来ていて、
なかなか統一だとか公平だとかにできないフィールドなんだなあと思いました。
そこが面白みでもあるし、得をする人は得をし、カモにされる人はカモにされるという、
世知辛さを生んでもいるでしょう。
日本は特にそうなのかもしれないけれど、
まず、商売の網の目をちゃんと視覚で捉える事ができ、
なおかつカラクリを知覚して適応するような人が成功しやすそう。
そこを最優先にしたほうが得をするという構造上の欠陥があるがゆえに、
社会に役立つだとか、人を幸せにするだとかが本当に実現するケースが
見当たりにくいのかもしれないですね。
計算ができたり、よく気がついたり、
そういった能力が他の人より自分は秀でていることに気付いたとき、
「しめしめ……」と、自分の得のためにこっそり使うのか、
はたまた、「じゃ、まかせてくれ」と、みんなの利益のために役立てようとするのか、
そこがその人の人生の分岐点だったりします。
この「カラクリ」を活かすのもそう。
人間性がそういうところに出る、なんて月並みな言いかたではそうなりますが、
たぶん、そういうときには、それまで自分が家庭環境や世の中で経験して培われた
人間観だとか世界観だとかが材料になるんですよね。
これはいろいろな場面でそうで、
たとえば接客業でも同僚たちとの間でもそうですが、
仕事の上でのコミュニケーションで、
どれだけ積極的にコミュニケーションを取りに行くか、
その頻度や深度、
つまり、どこまで他者を信頼したり信用したりするか、
そして、どこまで他者を許せるか受け入れられるか、
また、どこまでいったところで他者を諌められるか、逆に謝ることができるか、
そういったところに、その人の人間観や世界観が出ます。
もちろん、もともとの内向性や外向性も加味されて、
行動というアウトプットにでるんですけども。
閑話休題。
話がそれましたが、
本書は、とにかく、世の中の商売にはいろいろカラクリがあるよ、
ということを、スポンサーフリー的立場から教えてくれる本です。
大手出版社からの発刊じゃないからこそ、書けた本なのかもしれない。
どこそこの業界には恩があるから、これは書かないでおこう、濁しておこう、
などとはなっていないと思います。
読み手の僕自身が詳しくないところでは、「ほんとうにそうなのだろうか?」
と訝るような内容もあったのですが、
そこは正確な解説文だったのかどうかは判断できませんが、
自分がなんとなく知っている分野では詳しくちゃんと書かれていましたから、
適当ではないのだろうとは思います。
『価格と儲けのカラクリ』 神樹兵輔・21世紀ビジョンの会
を読んだ。
世の中に様々な商売があり、様々な商品がありますが、
それらの価格(原価や儲けなどがどのような構成比になっているか)
などを解説した本。
たとえば、ガソリンの価格では、
リッター160円のガソリンを給油したとすると、
リッター当たりのガソリンスタンドの儲けは5円程度だそう。
また、一皿108円(税込)の回転寿司の、その一皿の儲けも大体5円くらいだと。
薄利多売でやっていけるかどうか、みたいな商品だなあと思いました。
一方で、原価率が低く粗利率の高い商品も存在します。
化粧品やホテルの宿泊代、などがそう。
また、アウトレットモールでの買い物は消費者にとっても得だし、
販売者にとっても都合がいいだとか、
100円ショップでは、同じ100円の商品でも、原価が5円程度のものもあれば、
100円を超えているものもあり、それらを合わせた平均値で、
原価率がそれ相応に保たれていたりするようです。
65のトピックそれぞれに、なかなか考えさせられる「内情」が書かれています。
単なる惹句だと思えた書名にある「カラクリ」という言葉に対して、
どんどん読み進めるうちに、
「このカラクリという言葉は言い得ている」と、その印象を改めたくらいです。
それだけ、商売の世界って不要領に出来ていて、
なかなか統一だとか公平だとかにできないフィールドなんだなあと思いました。
そこが面白みでもあるし、得をする人は得をし、カモにされる人はカモにされるという、
世知辛さを生んでもいるでしょう。
日本は特にそうなのかもしれないけれど、
まず、商売の網の目をちゃんと視覚で捉える事ができ、
なおかつカラクリを知覚して適応するような人が成功しやすそう。
そこを最優先にしたほうが得をするという構造上の欠陥があるがゆえに、
社会に役立つだとか、人を幸せにするだとかが本当に実現するケースが
見当たりにくいのかもしれないですね。
計算ができたり、よく気がついたり、
そういった能力が他の人より自分は秀でていることに気付いたとき、
「しめしめ……」と、自分の得のためにこっそり使うのか、
はたまた、「じゃ、まかせてくれ」と、みんなの利益のために役立てようとするのか、
そこがその人の人生の分岐点だったりします。
この「カラクリ」を活かすのもそう。
人間性がそういうところに出る、なんて月並みな言いかたではそうなりますが、
たぶん、そういうときには、それまで自分が家庭環境や世の中で経験して培われた
人間観だとか世界観だとかが材料になるんですよね。
これはいろいろな場面でそうで、
たとえば接客業でも同僚たちとの間でもそうですが、
仕事の上でのコミュニケーションで、
どれだけ積極的にコミュニケーションを取りに行くか、
その頻度や深度、
つまり、どこまで他者を信頼したり信用したりするか、
そして、どこまで他者を許せるか受け入れられるか、
また、どこまでいったところで他者を諌められるか、逆に謝ることができるか、
そういったところに、その人の人間観や世界観が出ます。
もちろん、もともとの内向性や外向性も加味されて、
行動というアウトプットにでるんですけども。
閑話休題。
話がそれましたが、
本書は、とにかく、世の中の商売にはいろいろカラクリがあるよ、
ということを、スポンサーフリー的立場から教えてくれる本です。
大手出版社からの発刊じゃないからこそ、書けた本なのかもしれない。
どこそこの業界には恩があるから、これは書かないでおこう、濁しておこう、
などとはなっていないと思います。
読み手の僕自身が詳しくないところでは、「ほんとうにそうなのだろうか?」
と訝るような内容もあったのですが、
そこは正確な解説文だったのかどうかは判断できませんが、
自分がなんとなく知っている分野では詳しくちゃんと書かれていましたから、
適当ではないのだろうとは思います。