TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

懐かしい1冊

2006年06月13日 18時23分17秒 | 日記
「ガロアと群論」の本を秋葉原の書泉ブックタワーで探したが、見あたらなかった。意外だった。仕方ないのでお茶の水の三省堂へ行った。あった。懐かしい。でも買うのをやめた。この本は数学物語の本であって数学書ではなかったからだ。道理で昔手に入れなかったのも分かるような気がする。三省堂を後にして、古本街へ。理工学書専門の明倫館書店に行った。何か良い本出てないかと探したら、何と、欲しかった本が見つかった。Emil Artin 著 Arthur N. Milgram 英訳のGALOIS THEORY である。
何とこの本がわずか600円で出ていた。

その昔学生時代、この本の海賊版をコピーし、学習会を数学科の同学年で行った。3年生の頃だったと思う。7~8人ぐらいで輪番に予習をし講義もした。そうやって、週に1度みんなで読み合った。時代の流れか、時は大学紛争の頃だった。私達の大学も突如封鎖された。いわゆる「全共闘」によってである。それでも、私達は読書会を続けた。思い出の書である。
第2章から読み始めたので、第1章はどんなものだか分からないままだった。ところが、教員になってからこの本の原本(ドイツ語)が日本語に翻訳されて世に出ていたので購入し読んだ。懐かしかった。日本語版を読んでいるうちに、どうしても第1章の部分の英語版が知りたいと思っていた。

ある時大学の恩師の退官記念講義があるというので、久しぶりにお目にかかった。それからメールでのやりとりをさせていただいているうち、恩師がコピーを送って下さった。届いたコピーは海賊版などではなく本物の本のコピーであった。うれしかった。

お茶の水で見つけたこの本の活字は、恩師から送られてきた本と同じものであった。とんだ掘り出し物を見つけたわけである。


コメント
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