物語5(2008年5月22日掲載)
今までのあらすじ
クラスや教科の指導に疲れ切った先生は、田園調布に住む大先生に相談に行った。先生の悩み話を聞いた大先生は、秘密のドアーからお屋敷を出てて、どこかに行こうとしている。遠くに不思議なお城が見える。
大先生は崖のてっぺんに立ち、何かを待っている様子であった。しばらくすると、お城の方からなにやらふわふわとこちらに向かってくるものが見えた。
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何とそれは「空飛ぶジュータン(絨毯)」であった。ジュータンの上には男が乗っている。その男は頭にインド人のターバンのようなものを巻き付けていた。
やがてジュータンはふわふわと崖に近づき、大先生の足下で浮いていた。
「大先生、ようこそいらっしゃいました。」
男はうやうやしく頭を下げた。
「どうぞ、お乗り下さい。」
大先生は「これは、おひさしぶりですなぁ」と言いながら、ジュータンにのった。
「それでは、お城に向かいます。」
「よろしくお願いします。」
ジュータンは音もなく、ふわふわと浮き上がり、お城の方へと向かった。
が、
「あぁぁ、これは・・・」と大先生は声を上げた。
(物語6へつづく)