シルバーバイトのお昼休みに、携帯電話がなった。
登録のない番号には、基本、でないのだけれど、住居地の隣街の市外局番だったので、応答した。
隣街に住む母の妹の息子さんの奥さんからで、「実は・・・」と切り出した話は、昨年末にご主人(私のいとこ)が亡くなって、コロナ禍でもあり、お正月でもありと配慮し、家族だけで送った。
長い間お世話になりました、という訃報だった。
昨年の今頃、他のいとこの息子さんが亡くなったという電話連絡を受けたときも、「ねえちゃん、なにいってんの?」とすぐに状況を受け止められず、適当な慰めのことばもでずシドロモドロだったけれど、今回も、驚きで適当な言葉をかけてあげることもできなかった。
もともと他人とのお付き合いを上手にできる人間ではないけれど、いくつになってもだめだなぁと思いつつ、シルバーバイトの現場から車を走らせてきた。
今日訪問して、お焼香をさせてもらおうと思ったのだけれど、今回のような形でご葬儀を済ませた場合、奥様もようやく落ち着きを取り戻し、現実を受けとめて、気持ちの整理をし始めている頃だと思う。
だから、近い関係者に連絡と挨拶をしているのだろう。
訪問をすれば、ご主人の過去の話題に涙を流し、別れがますますつらくなる。
きっと奥様には負担だろう。
少しの御香料に手紙を付けて郵送することにしよう。
そう思って、午前中、隣街の大きな郵便局の窓口まで車を走らせてきた。
コロナ禍の中で家族葬等会葬を伴わないご葬儀が多くなってきた。
人間関係は、煩わしい一面もあるけれど、冠婚葬祭のお付き合いもまったくなくなってしまうと、あまりにもさっぱりしすぎだ。
寂しくもある。
出会った者は、いずれ必ず別れがあるわけだけれど、なんでも急がつくのはつらかったりする。
残されたご家族のみなさんが、いとこの思いの中で、前向きに暮らしていけることを願いたい。