私は、三中の生徒にさまざまな機会で講話をします。
また、仕事柄、地域の人、保護者の方に、あいさつをすることが、よくあります。
その言葉から、生徒が学んだり、大人の人が話を参考にしてくださることは、ありがたいことだと思います。
しかし、他者の話やあいさつから学んでいるだけでは、自分がどう生きていくべきかという答えは見つかりにくいと思っています。
ですから、今年の卒業式の式辞では、卒業していく3年生に、私は問いかけました。
「君たちは、どう生きるのか」と。
生徒にとって、私はあくまで他人です。
他人の言葉から学ぶだけでは、他人の生き方を模倣することしかできません。
自分自らの「信念」を得るには、他人の言葉から学ぶだけでは不十分であり、自分の内面を見つめなけれなりません。
自分がどんな人となりで、どんな才能があるか、自分がどうすべきなのか。このようなことを問いかけることが、内面を見つめることです。
そして、内面を見つめるのは、中学生くらいからできるようになります。
小説家泉鏡花は「人は自分の内面が命じるままに生きていかなければならない」と言っています。
私が生徒にする話は、生徒にこうしなさいと諭しているのではありません。
自分を見つめ、考えるための材料、きっかけになればいいと考えています。