もう卒業しましたが、陸上部のある女子生徒の話です。
外で活動していた途中に、トイレに行くために、中庭より1階の渡り廊下から校舎内に入り、1階のトイレへ。
その時、ふと見つけたのが、外で履いていたスニーカーを、ちゃんと揃えて、つま先を外に向け並べていました。
私は深く感心しました。
いま、中学生で、高校生も同じですが、たいていの生徒は、脱いだ靴をそのまま玄関内側に向けたままの人がほとんどです。
大人でも、そういう人はいます。
ですから、その子の靴の脱ぎ方が新鮮で感心したのでした。
私は、思わずその子がトイレから出てきたとき、「あなたの靴の揃え方はすばらしいね。ちゃんとつま先を外に向けている。感心したよ」
その子は、少しはにかみながらも、うなずきながらうれしそうでした。
きっと自分の家に帰っても、同じようにしているのでしょう。
でないと、学校だけ、靴を揃えて脱ぐことはできません。
いつも家でやっている習慣が、外出しても出ます。
親御さんが、幼い頃からしつけてこられたのでしょう。
この例から、私は、日常生活でやるべきことを淡々とこなしていくことが大切なんだと、あらためて思います。
朝、歯を磨き、「おはよう」と家族にあいさつをして、学校では給食終了の合図を聞いてから教室の外へ出る。掃除の時間には黙々と掃除をする。
基本的に三中生は、けじめがあり、謙虚な子か多いというのが、市内の他校の様子を知っている私の実感です。
三中の校歌にある「人知れず咲く、そはささゆり・・・♫」を体現した生徒が多いと考えいます。
それでも、生徒たちはときには、悩み事や心配事や不安を抱えながら学校生活を送ることもあるでしょう。
そんな場合でも、ルーティーンワークを淡々とこなしていくと、心配事や悩み事が薄らいでいき、自分自身を客観的にみることもできる場合があります。
奇をてらうのではなく、ささゆりのように気高く、謙虚に生活を送ってほしいと願っています。